Shall we dance?(前編)

 
古風な木造住宅の庭に白いテーブルと椅子が置かれていた。テーブルの上には白いポットとティーカップ。ポットからは紅茶の良い香りが漂う。椅子に座っているのは猫耳でメイド服の女性と白く長い髪の少女。二人は紅茶を飲みながら談笑していた。

 

『それでですね、翼様~。最近、うちの連中(ネコども)が言うんですよ。『ロリの良さに目覚めた』って。』

「あらあら。」

『笑い事じゃないですよぉ。絶対、翼様狙いですよ!またライバルが増えるしぃ・・・。』

「うふふ。」

『翼様ぁ~、ワタシは翼様のことをこんなにも愛してるんですよぉ?翼様はどうなんですかぁ?』

猫耳メイドにそう聞かれて、白い髪の少女は微笑みながら答える。

「私もカーチャさんのこと、大好きですよ。」

『あ~~~~~~~~!好き。・・・でも翼様は、カーチャ「も」好き、なんでしょぉ?』

「うふふ。」

『ワタシは翼様を一人占めしたいんだしぃ!』

「あらあら・・・。」

白い髪の少女は椅子から乗り出すように細くて白い手を伸ばして、猫耳メイドの頭を撫でた。

「今この瞬間は、私とカーチャさんだけですよ。それじゃあ、駄目、ですか・・・?」

『あ゛~~~~~~~~!やっぱ大好き。』

「うふふ。」

その時、猫耳メイドの胸元のポケットから携帯電話の音が鳴った。

『ああ・・・休憩時間終わりだしぃ・・・。』

「また遊びに行きますので、お仕事頑張って下さいね。」

『はい!いつでも猫カフェ『ケット・シー』は、いつでも翼様のご来店をお待ちしてますぅ!』

猫耳メイドは明るい笑顔で自分の仕事場へと去って行った。

その女性を見送った後、白い髪の少女は紅茶を一口飲んで空を見上げた。快晴ではないにしても、十分に晴れた空が広がる。風が頬を優しく撫で、花の良い香りを運んでくる。庭には色とりどりの花が咲き乱れ、見る者の心を華やかにしてくれる。

少女は微笑み、紅茶をもう一口、飲もうとした。その時だった。

「・・・。」

少女は視線を感じた。だが、辺りには少女以外は誰もいない。

「・・・・・・。」

それでも少女は目を凝らす。見えないものを見るように、何もない空間をじっと見ていた。紅茶を飲む代わりに息を呑み、口を付けた白いティーカップを置くことも忘れて、ただ目の前を見ていた。

少女の目には視えていた。他の誰にも見えないものが視えていた。


天使の涙(エンジェル・ドロップ)
通常魔法(オリジナルカード)
(1):フィールド上の「海」のカード1枚を墓地へ送って発動する。墓地に存在する「ライフポイントを回復する」効果を持つカードを全て手札に加える。
(2):他のカードによって、このカードが手札から捨てられた場合、デッキ・エクストラデッキから天使族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。



かつて自分が旅人の少年に送った一枚のカード、天使の涙(エンジェル・ドロップ)。そのカードは旅人と共に世界の彼方へと旅立った。本来なら、ここにあるはずはない。しかし、少女の目には旅人に渡した天使の涙(エンジェル・ドロップ)が視えていた。更に、そのカードを通して視える真っ白い世界。そして、そこから自分を視つめる黒い生物が視えていた。旅人の少年はどうなったのか、そしてこの黒い生物は何者なのか。今の少女に、それを知る術はなかった。

その黒い生物には目が無かった。いや、目どころか顔が無かった。言ってしまえば、黒いブヨブヨした表皮と、全てを吸い込んでしまいそうな空間を顔の位置に持つ生物であった。空間そのものを体の一部とする者など、この世界では考えられない生物だったが、少女は相手を生物だと認識出来ていた。相手が生きているという感覚、相手と目が合ったという感覚、相手に意思があるという感覚が少女の頭を駆け巡った。であるならば、こちらの言葉が通じるかは分からないが会話が出来る可能性はある。

少女はゆっくりとティーカップを置いた。そして一呼吸置いてから言葉を発しようとした時、真っ黒な生物も真っ白な世界も視えなくなってしまった。

「・・・。」

少女は目を閉じて、大きく息を吐いた。少女の瞼の裏に浮かぶのは、かつて交わした旅人との会話。

「北村さん。これからどこに行き、何をするか決めていますか?」
「どこの世界に行くかはランダムに近いから分からねえけど、何をするかは決めてるぜ。最強の決闘者になるためにもっと強くなる。行った先の世界でも強い奴と全力でデュエルして、もっともっとデュエルの腕を磨くぜ。」
「そうですか。では…。」
「おっと!?」

天使の涙(エンジェル・ドロップ)
通常魔法(オリジナルカード)
(1):フィールド上の「海」のカード1枚を墓地へ送って発動する。墓地に存在する「ライフポイントを回復する」効果を持つカードを全て手札に加える。
(2):他のカードによって、このカードが手札から捨てられた場合、デッキ・エクストラデッキから天使族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。

「お守りです。効果は私が保証します。」
「ありがとな…猫魔神!」

『白木翼ぁ!迎えに来たよぉ!』

『死神』

突然、目の前に先ほど視た黒い生物が現れた。

「っ!?」

黒くてブヨブヨした体。鼻をつまんだかのような声。先ほどは被っていなかった白い面。いつ、庭先に侵入したのか分からないが、気が付いたらそこに存在していた。どうやって気付かれずに侵入したのかも分からない。だが、一つだけ確かなことがある。今、二メートル近い黒い塊が高速で迫ってきているということだ。

「待って下さい。」

それを少女は言葉と手の動作で制止しようとした。しかし、黒い生物は止まらない。

『僕と一緒に行こうyぶべえ!!』

止まらなかったために黒い生物は代償を払うことになった。少女の張った結界にぶつかって無様な声を上げるという代償を。

『けっ、結界ぃ!?』

「ちょっと待って下さい。」

『待てないよぉ!アマジャステリアぁ!』

黒い生物の叫びと共に、空間を斬り裂いて十本の触手が出現した。

「っ!!」

『スパイラル・ゴッド・ウィップぅ!』

その攻撃は少女の結界を軽々と破壊した。が、その先に存在した二枚目の結界は壊せなかった。

『おおうぅ・・・。』

二枚目の結界は、まるでゴムのようにグニャリと伸びて十本の触手の攻撃を受け止めると、逆に弾き返した。その勢いで十本の触手は空間の割れ目へと引っ込んだ。

「シールド展開完了。情報制御完了。」

少女は何かを小さく呟いた。だが、黒い生物はそんな言葉など気にも留めていなかった。

『一度で駄目なら連続だぁ!スパイラル・ゴッド・ウィップぅ!』

しかし、何も起こらない。

『あれぇ?』

「もうアマジャステリアさんは勝手に入って来れませんよ。ここは私の領域になりましたから。」

『!?』

「これでようやく話が出来そうですね。」

白い髪の少女はニッコリと笑った。

『ひっ!』

黒い生物は少女の笑顔に恐怖した。何故、恐怖したのかは分からない。かつて、自分を殺そうとした男が見せた笑顔を思い出したからなのか、それとも自分の恩人と似ているようで似ていないことに対する違和感からなのか。それとも、もっと根本的な防衛本能なのだろうか。

瞬間、黒い生物は自身の能力、“観光”(ガイドブック)によって白い髪の少女の力を垣間見た。

白木翼の能力について
【根幹の能力】
1.天国の祝福・・・遺伝する複合超能力の一種。現在、ほとんどが封印状態にある。
2.ルシュファーの羽根・・・無尽蔵のエネルギー生成装置。制御出来ない場合、死亡する。

【枝葉の能力】
1.原子操作(アトミック)・・・天国の祝福の一部。原子の結合、移動、変換を行うことが出来る。
2.バイオメタル・カプセル・・・原子操作(アトミック)により作製。治療用ナノマシンとして誕生したが、改良を重ねる内に武器や触媒などにも使えるようになり、現在の用途は多岐に渡る。
3.結界構築・・・原子操作(アトミック)により作製。様々な結界を張ることが出来る。
4.簒奪模倣(こぴぃ)・・・原子操作(アトミック)の応用。相手の能力や性質などを原子単位で把握し、写し取ることが出来る。その結果として相手は能力を失う。

5.以下略

(『何だ、これ・・・。ルシュファーの羽根って能力、制御出来ないと死亡・・・!?どんだけ危険な能力なんだよ!・・・あ、そうか、だから・・・。』)

黒い生物はかつて、白木翼を探して色々な世界を視た時のことを思い出していた。どこの世界でも何故か死んでいる白木翼。どうしてあんなにも死んでいたのか。たった今、その原因を理解した。

「ちょっと、お茶しませんか?」

怯え、一歩後ずさる黒い生物に対して、少女は優しく声を掛けた。

「それとも急ぎの用ですか?」

少女は慣れた手つきで白いティーカップにお茶を注ぐ。紅茶の良い香りが辺りに広がった。

『あぁ・・・。良い匂いぃ・・・。』

どこだっただろうか、黒い生物はずっと昔にライディングデュエルを観戦しながら馬鹿高いコーヒーを飲んだことを思い出していた。あのコーヒーも香りからして良いものだった。

「どうぞ、座って下さい。お砂糖とミルクはお好みでどうぞ。」

『あぁ、うん・・・。』

すっかり気勢を削がれた黒い生物は、紅茶の香りに誘われるままテーブルに着いた。

「さて、まずは自己紹介でも。私が白木翼です。」

『ぼ、僕は『トラベラー』の『死神』だよぉ・・・。』

「あら、貴方も『トラベラー』さんなんですか。」

『ん?僕以外にも『トラベラー』がぁ・・・?』

「ええ、北村さんという方が。」

『なるほどぉ・・・。』

『死神』は理解した。北村はこの世界を訪れ、天使の涙(エンジェル・ドロップ)を得たということを。そして、その天使の涙(エンジェル・ドロップ)が、この世界への道しるべになったということを。

(『北村君・・・。本当にありがとう・・・!!君のおかげで白木翼に会えたよ!!やっぱり、君は僕の太陽だ・・・!!』)

「それで、デュエります?それともデュエりません?」

翼はどこからともなくデュエルモンスターズのデッキを取り出し、テーブルの上に置いた。

『えぇ?』

突然のことに戸惑う『死神』。その反応を見て、翼も首を傾げた。

「あら・・・?北村さんは最強の決闘者(デュエリスト)になるという目標のために、こちらにデュエルをしに来ました。『死神』さんも最強の決闘者(デュエリスト)を目指しているのかと思いましたが、違いましたか・・・。目標の一助にデュエルを、と思ったのですが・・・。」

翼は取り出したデッキを片付けようと手を伸ばした。

『ま、待ったぁ!』

その言葉に反応して翼の手が止まる。一方の『死神』も急には言葉が続かなかった。

(『あれ・・・?どうして、僕は待ったをかけたんだ・・・?デュエルを申し込まれて、受けない訳にはいかないから?それとも、これはチャンスで逃せないと思ったから?チャンス?何の?・・・あ、そうか。今、結界に阻まれた上に、何故だか知らないけどアマジャステリアが来れなくなったんだから、白木翼を連れ帰る方法はたった一つしかないじゃないか・・・。』)

『死神』は恐る恐る言葉を繋げた。

『ぼぉ・・・僕が勝ったらぁ、僕と一緒に来てくれるかいぃ?』

「ふむ・・・。私を連れて行きたい場所があるんですね。分かりました。その代わり・・・。」

翼はクスリと笑った。

「私が勝ったら、私のワガママを聞いてもらいますよ?」

それは悪戯好きの小悪魔の笑みように『死神』の『瞳』には映った。

『うぅ・・・。』

何だか嫌な予感がする。『死神』は“観光”(ガイドブック)で今一度、白木翼の情報を確認した。

白木翼とデュエルモンスターズについて(簡易版)
現在、白木翼はデュエルモンスターズカードゲームにおいて、この世界で最強の腕前を持つ。

(『うっ!』)

“観光”(ガイドブック)は嘘を吐かない。故に、目の前の少女が現時点において、この世界で最強のデュエリストであることは紛れもない事実であった。

(『僕は今まで『彼女』のために白木翼を探していた・・・。その困難極まる道のりの最後に立ちはだかるのが白木翼本人とは・・・。でも・・・。』)

『ねぇ・・・。もしぃ・・・。もしもだよぉ・・・。僕が君の悩みを解決出来るかもしれないって言ったらどうするぅ?』
「もし出来るなら、それはとっても嬉しいです。」

思い出すは『彼女』の笑顔。『死神』は意を決した。勝負の大舞台に立つ覚悟を決めたのだ。このデュエルに勝って白木翼を連れて行く。全ては『彼女』のために。

『死神』は再度“観光”(ガイドブック)を使い、この世界でのデュエルのルールを確認した。

この世界のデュエルモンスターズのルール(簡易版)
マスタールール3である。
1.「ペンデュラム召喚」が新たに登場し、ペンデュラムゾーンの新設やペンデュラムモンスターが出現するなどの変更が加えられた。
2.先攻はドローなしである。ただし、ドローフェイズ自体は存在する。
3.フィールド魔法はそれぞれ発動出来て、2枚共存出来るようになった。
4.フィールドのゾーン名がシンプルになった。
5.ダメージステップが5つのタイミングに明確化した。
※公式大会はマッチ戦が基本である。

『勝負だよぉ!『いただきます。』白木翼ぁ!』

『死神』もデッキをテーブルの上に出した。

「では、大会ルールに乗っ取って、正々堂々―――――。」

『「―――――デュエル!」』


『死神』  『白き混沌』デッキ LP4000
白木翼  『白き融合』デッキ LP4000


『さあぁ、行くよぉ!僕の先行ぅ!』

ルールにより先攻はドロー出来ない。『死神』は5枚の手札を凝視した。

(『う~ん、アマジャステリアは無し、かあ・・・。じゃあ・・・。』)

『カイザー・ブラッド・ヴォルスを自身の効果で特殊召喚だよぉ。』

カイザー・ブラッド・ヴォルス
効果モンスター
星5/闇属性/獣戦士族/攻1900/守1200
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。このカードの攻撃力は500アップする。
(3):このカードが戦闘で破壊された場合に発動する。このカードを破壊したモンスターの攻撃力は500ダウンする。

『特殊召喚したカイザー・ブラッド・ヴォルスをリリースしてぇ、暗黒の召喚神をアドバンス召喚!』

暗黒の召喚神
効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
「暗黒の召喚神」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードをリリースして発動できる。「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体を手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。このターン、自分のモンスターは攻撃できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体を手札に加える。

『更にリリースぅ!幻魔皇ラビエルのぉ、ご登場ぉ!!』

幻魔皇ラビエル
特殊召喚・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。自分フィールドの悪魔族モンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(2):相手がモンスターの召喚に成功した場合に発動する。自分フィールドに「幻魔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守1000)1体を特殊召喚する。このトークンは攻撃宣言できない。

『カードを1枚伏せてターンエンドぉ!』


1ターン目終了
『死神』 LP4000
手札:2枚
モンスター:幻魔皇ラビエル(攻4000)
魔法&罠:伏せカード×1

白木翼 LP4000
手札:5枚
モンスター:なし
魔法&罠:なし


「私のターンですね。ドロー。手札よりサイクロンを発動します。」

サイクロン
速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

『ぐうぅ・・・。』

伏せカード:神の通告(破壊)

神の通告
カウンター罠
(1):1500LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

「ふむふむ・・・。では、このカードを発動します。」

融合
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

『融ぅ・・・合ぅ・・・?』

「はい、手札融合です。」

翼は2枚のカードを墓地へ送った。

破壊神 ヴァサーゴ
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1100/守 900
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。

千眼の邪教神
通常モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
人の心を操る邪神。千の邪眼は、人の負の心を見透かし増大させる。

『あぁ・・・。ああぁ!?』

瞬間、『死神』は理解した。ここにワンターンキルが成立しているのを。

「融合召喚、“邪神”サウザンド・アイズ・サクリファイス。」

サウザンド・アイズ・サクリファイス
融合・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
「サクリファイス」+「千眼の邪教神」
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドのモンスターは表示形式を変更できず、攻撃できない。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。

「サウザンド・アイズ・サクリファイスの効果発動。幻魔皇ラビエルを吸収します。」

サウザンド・アイズ・サクリファイス 攻0→4000

「そして、攻撃です。」

『クっ、クリボーは機雷化するよぉ!』

クリボー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200
(1):相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

『これで僕に発生する戦闘ダメージは0だよぉ・・・。』

「なるほど・・・。では、融合再生機構を発動します。」

融合再生機構
フィールド魔法
(1):1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。自分のデッキ・墓地から「融合」1枚を選んで手札に加える。
(2):自分・相手のエンドフェイズに、このターン融合召喚に使用した自分の墓地の融合素材モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

「手札のキラー・スネークを捨てて融合を回収。また、エンドフェイズに破壊神 ヴァサーゴを回収してターン終了です。」


2ターン目終了
『死神』 LP4000
手札:1枚
モンスター:なし
魔法&罠:なし

白木翼 LP4000
手札:2枚(融合、破壊神 ヴァサーゴ)
モンスター:サウザンド・アイズ・サクリファイス(攻4000、幻魔皇ラビエル装備)
魔法&罠:融合再生機構(フィールド魔法)


(『ふうぅ~う、危なかったあ・・・。』)

『死神』は心の中で汗を拭う。そして、笑った。

『僕のターン。この瞬間、僕はデュエリスト能力を発動するよぉ!』

「ほほう・・・?」

『僕は通常のドローを行わない代わりに墓地のカードを全て除外してぇ、その枚数だけドロー出来るんだよぉ!美食の宝札(グルマンドロー)ぉ!』

美食の宝札(グルマンドロー)  デュエリスト能力レベル4(所有者:『死神』)
自分のドローフェイズ時に発動できる。通常のドローを行わない代わりに、自分の墓地のカードをすべて除外し、除外した枚数だけ自分はデッキからカードをドローする。

「あら。」

『僕の墓地のカイザー・ブラッド・ヴォルス、暗黒の召喚神、神の通告、クリボーを除外して4枚ドローぉ!』

『死神』 手札1→5

『さぁ、らぁ、にぃ!墓地にモンスターがいなくなったことでぇ、ガーディアン・エアトス2体を特殊召喚!』

ガーディアン・エアトス
効果モンスター
星8/風属性/天使族/攻2500/守2000
(1):自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードに装備された自分フィールドの装備魔法カード1枚を墓地へ送り、相手の墓地のモンスターを3体まで対象として発動できる。そのモンスターを除外する。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で除外したモンスターの数×500アップする。

ガーディアン・エアトス
効果モンスター
星8/風属性/天使族/攻2500/守2000
(1):自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードに装備された自分フィールドの装備魔法カード1枚を墓地へ送り、相手の墓地のモンスターを3体まで対象として発動できる。そのモンスターを除外する。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で除外したモンスターの数×500アップする。

『2体のエアトスでオーバーレイネットワークを構築ぅ!エクシーズ召喚!現れろぉ、No.(ナンバーズ)15ぉ!運命の糸を操る地獄からの使者ぁ、漆黒の闇の中より舞台の幕を開けろぉ!ギミック・パペット-ジャイアントキラーぁ!!』

No.(ナンバーズ)15 ギミック・パペット-ジャイアントキラー
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/闇属性/機械族/攻1500/守2500
レベル8モンスター×2
自分のメインフェイズ1でこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを破壊する。破壊したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、さらにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。この効果は1ターンに2度まで使用できる。

『そして効果発動ぅ!オーバーレイユニットを1つ取り除いてサウザンド・アイズ・サクリファイスを破壊だよぉ!』

サウザンド・アイズ・サクリファイス(破壊)

「あらあら・・・。」

『そしてダイレクトアタックぅ!』

白木翼 LP4000→2500

「むう・・・。」

『カードを1枚伏せてターンエンドだよぉ!』


3ターン目終了
『死神』 LP4000
手札:2枚
モンスター:No.(ナンバーズ)15 ギミック・パペット-ジャイアントキラー(攻1500、オーバーレイユニット1)
魔法&罠:伏せカード×1、死

白木翼 LP2500
手札:2枚(融合、破壊神 ヴァサーゴ)
モンスター:なし
魔法&罠:融合再生機構(フィールド魔法)


「私のターンです。ドロー。墓地のキラー・スネークを自身の効果で回収します。」

キラー・スネーク
効果モンスター
星1/水属性/爬虫類族/攻 300/守 250
「キラー・スネーク」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在する場合、自分スタンバイフェイズに発動できる。このカードを手札に戻す。次の相手エンドフェイズに自分の墓地の「キラー・スネーク」1体を選んで除外する。

(『これで白木翼の手札は4枚・・・。けれども、内3枚は分かっている・・・。残り1枚は今引いたカードか・・・。』)

「その1枚がこれですよ。」

同星同盟
永続魔法(オリジナルカード)
通常召喚したモンスターと同じ星のモンスター1体をデッキからフィールド上に特殊召喚できる。
『白木』と名のつくデュエリストが使用する場合、召喚、反転召喚、特殊召喚したモンスターと同じ星のモンスター1体を召喚条件を無視してデッキ、エクストラデッキから特殊召喚する。この効果は重複しない。

心を読んだかのような対応に『死神』はドキリとした。

「うふふ、バレますよ。そんなに凝視してるんですから。」

『あははぁ・・・。』

微笑む翼に釣られて、『死神』も照れ隠しのように笑った。

「では行きます。同星同盟を発動し、キラー・スネークを召喚します。同星同盟の効果でエクストラデッキから2体目のサウザンド・アイズ・サクリファイスを特殊召喚。」

サウザンド・アイズ・サクリファイス
融合・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
「サクリファイス」+「千眼の邪教神」
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドのモンスターは表示形式を変更できず、攻撃できない。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。

『げぇ!?』

「効果を発動してギミック・パペット-ジャイアントキラーを吸収。」

サウザンド・アイズ・サクリファイス 攻0→1500

「そして、再び融合を発動します。手札の破壊神 ヴァサーゴとフィールドのキラー・スネークを融合します。」

『・・・!?』

(『こんな素材で何が・・・?』)

「召喚獣コキュートスを融合召喚。」

召喚獣コキュートス
融合・効果モンスター
星6/水属性/ドラゴン族/攻1800/守2900
「召喚師アレイスター」+水属性モンスター
(1):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。その場合、攻撃力の数値を適用してダメージ計算を行う。

『!!』

「同星同盟の効果でエクストラデッキからレベル6のレアメタル・ヴァルキリーを特殊召喚。」

レアメタル・ヴァルキリー
融合・効果モンスター
星6/地属性/機械族/攻1200/守 500
「レアメタル・レディ」+「レアメタル・ソルジャー」
相手プレイヤーへの直接攻撃のダメージステップ時、攻撃力1000アップ。
フィールド上のこのカードと融合デッキの「レアメタル・ナイト」を交換できる。(このカードが特殊召喚されたターンは不可)

「サウザンド・アイズ・サクリファイスで直接攻撃です。」

『うぐーぅ!!』

『死神』 LP4000→2500

この時、『死神』は伏せカードを発動させることも出来た。

次元幽閉
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を選択して発動できる。選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。

サウザンド・アイズ・サクリファイスは厄介極まりないモンスター。ここで除外出来るものなら、是非ともしておきたかった。だが、サウザンド・アイズ・サクリファイスには、このカード以外のモンスターの攻撃を封じる効果がある。除外した瞬間、残り2体の攻撃を受けてライフが丁度0になる。故に『死神』は、この攻撃を甘んじて受けるしかなかった。

「エンドフェイズに融合再生機構の効果でキラー・スネークを回収します。」

融合再生機構
フィールド魔法
(1):1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。自分のデッキ・墓地から「融合」1枚を選んで手札に加える。
(2):自分・相手のエンドフェイズに、このターン融合召喚に使用した自分の墓地の融合素材モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

(『あ、上手いぞ・・・。』)

便利な効果を持っているキラー・スネークだが、相手ターンのエンドフェイズに墓地にあれば除外されるデメリットと隣り合わせだ。かと言って使わなければ死に札になる。それを他のカードとのコンボを活用することでデメリットだけを見事に回避したのだ。

「うふふ、ターンエンドです。」


4ターン目終了
『死神』 LP2500
手札:2枚
モンスター:なし
魔法&罠:伏せカード×1(次元幽閉)、死


白木翼 LP2500
手札:1枚(キラー・スネーク)

モンスター:
サウザンド・アイズ・サクリファイス(攻1500、ギミック・パペット-ジャイアントキラーを装備)
召喚獣コキュートス(守2900)
レアメタル・ヴァルキリー(攻1200)

魔法&罠:融合再生機構(フィールド魔法)、同星同盟(永続魔法)


『僕のターン!美食の宝札(グルマンドロー)を発動ぅ!』

美食の宝札(グルマンドロー)  デュエリスト能力レベル4(所有者:『死神』)
自分のドローフェイズ時に発動できる。通常のドローを行わない代わりに、自分の墓地のカードをすべて除外し、除外した枚数だけ自分はデッキからカードをドローする。

『墓地にあるのはガーディアン・エアトス、幻魔皇ラビエル、ガーディアン・エアトスの3枚ぃ!これらを除外して3枚ドローだよぉ!』

『死神』 手札2→5

(『とにかく危険なのはサウザンド・アイズ・サクリファイスだけれども、レアメタル・ヴァルキリーもまずい・・・。同星同盟とのコンボでアドバンテージの塊になってしまう。とにかく、全て何とかしなきゃ!』)

『僕はトゥーン・ワールドを発動ぅ!』

トゥーン・ワールド
永続魔法
1000LPを払ってこのカードを発動できる。

『死神』 LP2500→1500

『さあぁ、ダンスの時間だよぉ!踊れぇ!!』

トゥーン・サイバー・ドラゴン
トゥーン・効果モンスター
星5/光属性/機械族/攻2100/守1600
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。
(3):自分フィールドに「トゥーン・ワールド」が存在し、相手フィールドにトゥーンモンスターが存在しない場合、このカードは直接攻撃できる。

トゥーン・マーメイド
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1400/守1500
このカードは通常召喚できない。自分フィールドに「トゥーン・ワールド」が存在する場合に特殊召喚できる。
(1):このカードは特殊召喚したターンには攻撃できない。
(2):このカードは500LPを払わなければ攻撃宣言できない。
(3):相手フィールドにトゥーンモンスターが存在しない場合、このカードは直接攻撃できる。存在する場合、トゥーンモンスターを攻撃対象にしなければならない。
(4):フィールドの「トゥーン・ワールド」が破壊された時にこのカードは破壊される。

トゥーン・マーメイド
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1400/守1500
このカードは通常召喚できない。自分フィールドに「トゥーン・ワールド」が存在する場合に特殊召喚できる。
(1):このカードは特殊召喚したターンには攻撃できない。
(2):このカードは500LPを払わなければ攻撃宣言できない。
(3):相手フィールドにトゥーンモンスターが存在しない場合、このカードは直接攻撃できる。存在する場合、トゥーンモンスターを攻撃対象にしなければならない。
(4):フィールドの「トゥーン・ワールド」が破壊された時にこのカードは破壊される。

「あら、素敵ですね。」

『そしてぇ、フィールドの3体をリリースして室井君の神獣王バルバロスを召喚だぁ!』

神獣王バルバロス
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。
(3):このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(4):このカードがこのカードの(3)の方法で召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドのカードを全て破壊する。

『神の力を見るがいいぃ!神獣王バルバロスの効果発動ぅ!これで君のフィールドのカードは全て破壊だよぉ!!』

サウザンド・アイズ・サクリファイス(破壊)
レアメタル・ヴァルキリー(破壊)
融合再生機構(破壊)
同星同盟(破壊)


5ターン目(『死神』のメインフェイズ1)
『死神』 LP1500
手札:0枚
モンスター:神獣王バルバロス(攻3000)
魔法&罠:伏せカード×1(次元幽閉)、トゥーン・ワールド(永続魔法)、死

白木翼 LP2500
手札:1枚(キラー・スネーク)
モンスター:召喚獣コキュートス(守2900)
魔法&罠:なし


『・・・!?モンスターがぁ、残ってるぅ・・・?』

「残念ながら召喚獣コキュートスは相手の効果によって破壊されることのないモンスターです。」

召喚獣コキュートス
融合・効果モンスター
星6/水属性/ドラゴン族/攻1800/守2900
「召喚師アレイスター」+水属性モンスター
(1):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。その場合、攻撃力の数値を適用してダメージ計算を行う。

(『ああ、そうだった。忘れてた・・・。』)

『だぁ、だけれども守備力は2900だぁ!攻撃力3000、神獣王バルバロスの攻撃ぃ!トルネード・シェイパーぁ!』

召喚獣コキュートス(破壊)

『これで君のフィールドはガラ空きだぁ!そして手札はキラー・スネークのみぃ!さあぁ、絶体絶命だよぉ!』

「けれども、ここがデュエリストの腕の見せ所でもありますね。」

『言ってくれるぅ・・・。僕はこれでターンエンドだよぉ。』


5ターン目終了
『死神』 LP1500
手札:0枚
モンスター:神獣王バルバロス(攻3000)
魔法&罠:伏せカード×1(次元幽閉)、トゥーン・ワールド(永続魔法)、死と

白木翼 LP2500
手札:1枚(キラー・スネーク)
モンスター:なし
魔法&罠:なし


「では、私のターンです。ドロー。竜魔導の守護者を召喚します。」

竜魔導の守護者
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、このカードの効果を発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「融合」通常魔法カードまたは「フュージョン」通常魔法カード1枚を手札に加える。
(2):EXデッキの融合モンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を自分の墓地から選んで裏側守備表示で特殊召喚する。

「第一の効果でキラー・スネークを捨てて融合回収(フュージョン・リカバリー)を手札に。第二の効果も発動して・・・。」

翼はエクストラデッキから1枚の融合モンスターを『死神』に見せた。

(『うっ!』)

サウザンド・アイズ・サクリファイス
融合・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
「サクリファイス」+「千眼の邪教神」
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドのモンスターは表示形式を変更できず、攻撃できない。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。

それは3枚目のサウザンド・アイズ・サクリファイスであった。

「カード名が書かれている千眼の邪教神を裏側守備表示で蘇生させます。そして、融合回収(フュージョン・リカバリー)を発動します。」

融合回収(フュージョン・リカバリー)
通常魔法
(1):自分の墓地の、「融合」1枚と融合召喚に使用した融合素材モンスター1体を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。

『まさかぁ!?』

「回収するのは融合と融合素材とした破壊神 ヴァサーゴです。」

融合
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

破壊神 ヴァサーゴ
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1100/守 900
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。

「そして、融合を発動。手札の破壊神 ヴァサーゴとフィールドの千眼の邪教神で融合召喚。“邪神” サウザンド・アイズ・サクリファイス!」

サウザンド・アイズ・サクリファイス
融合・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
「サクリファイス」+「千眼の邪教神」
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドのモンスターは表示形式を変更できず、攻撃できない。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。

邪神、三度目の降臨であった。

『うぅ、うわああああああぁ!!!』

「サウザンド・アイズ・サクリファイスの効果発動!神獣王バルバロスを吸収!」

サウザンド・アイズ・サクリファイス 攻0→3000

「サウザンド・アイズ・サクリファイスで直接攻撃です!」

『じぃ、次元幽閉発動ぅ!』

次元幽閉
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を選択して発動できる。選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。

サウザンド・アイズ・サクリファイス(除外)

「この瞬間、サウザンド・アイズ・サクリファイスの効果が切れ、他のモンスターが攻撃可能となりました!」

『ふはぁっ!』

「竜魔導の守護者で直接攻撃!」

『のふわああああああぁ!!』

『死神』 LP1500→0


ライフポイントが0になるのと同時に『死神』は衝撃で椅子から転げ落ちた。デュエリストはゲームに没入しているがために、デュエルでの衝撃を現実と同等のものとして体感する。加えて『死神』は、このデュエルに対して絶対に負ける訳にはいかないという強い気持ちで望んでいた。ソリットヴィジョンすらないデュエルではあったが、敗北が『死神』の精神に与えた衝撃は計り知れない。
デュエリストは誰しも負けられない理由を背負っている。故に、敗北は時に命を失うことと同義である。『トラベラー』は、それを体現している存在なのかもしれない。

「大丈夫ですか?」

地面に倒れこんだ『死神』を、翼が心配そうに覗き込む。

『あぁ・・・ああぁ・・・。』

『死神』は仰向けに倒れたまま動けないでいた。このデュエルは『死神』の敗北であった。

『あああぁ・・・!』

『死神』の脳裏に『彼女』の姿が浮かぶ。

『あああぁぁあああぁ・・・!』

『彼女』の優しい顔。

「助けに来ましたよ。」
「大丈夫、私が来たから大丈夫。」

『あああぁぁああぁぁああぁ・・・!!』

『彼女』の悲しげな顔。

「空を見上げて、月まで行って、そこから見える範囲をよくよく探してみましたが白木翼はいませんでした。・・・一体、どこにいるのでしょうね?」

『ああああああああああああああああぁぁぁ・・・!!!』

『ねぇ・・・。もしぃ・・・。もしもだよぉ・・・。僕が君の悩みを解決出来るかもしれないって言ったらどうするぅ?』
「もし出来るなら、それはとっても嬉しいです。」

そして、『彼女』の笑顔が鮮明に浮かんだ。

『任せてくれよぉ!俺が白木翼を連れて来るよぉ!だって、俺は『トラベラー』だからぁ!』

『うああああああぁあああああぁぁああああああああああぁ・・・!!!』

(『ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!!僕は、君との約束を守れなかった・・・!!!』)

『ああぁ・・・。』

『死神』は力なく横たわった。全身から力が抜けていくのが分かる。きっと、命の灯火というものがあるのなら、今の『死神』の灯火はどんどん小さくなり、そしてもうすぐ消える一歩手前の状態だろう。

「えっと・・・。『死神』さん・・・?大会ルールはマッチ戦ですので、そろそろ二戦目を・・・。」

『へぇっ・・・?』

それは、『死神』にとって意外過ぎる一言だった。視れば、翼が若干の困り顔をしていた。

『ほえぇ・・・?』

『死神』は“観光”(ガイドブック)でルールを再確認してみた。

この世界のデュエルモンスターズのルール(簡易版)
マスタールール3である。
1.「ペンデュラム召喚」が新たに登場し、ペンデュラムゾーンの新設やペンデュラムモンスターが出現するなどの変更が加えられた。
2.先攻はドローなしである。ただし、ドローフェイズ自体は存在する。
3.フィールド魔法はそれぞれ発動出来て、2枚共存出来るようになった。
4.フィールドのゾーン名がシンプルになった。
5.ダメージステップが5つのタイミングに明確化した。
※公式大会はマッチ戦が基本である。

『あぁ・・・あああぁ・・・!』

『死神』は思い出した。このデュエルを始める時に、翼が大会ルールでデュエルをすると宣言したことを。

「それとも、もう降参ですか?」

『死神』は飛び起きた。

『まだぁ・・・。まだぁ・・・!・・・まだぁ・・・!!』

「はい、まだチャンスはありますね。」

翼は、にっこりと笑った。

(『あっ・・・。』)

『死神』は、その笑顔に『彼女』の面影を感じ取った。『彼女』が自分に微笑みかけてくれた笑顔と、そっくりな微笑み。

(『・・・僕は、どうして白木翼を恐がっていたんだろう。『彼女』と白木翼は似ていて、ドッペルゲンガーとか自分が二人いたらやっぱり恐い気がするけど、『彼女』と白木翼は別人で、でも同じで・・・。ううん・・・上手く考えが纏まらない・・・。でも、一つだけ分かったことがある。白木翼は恐くない。だって今、僕はホッとしたんだから・・・。』)

「さあ、続きを始めましょうか。」

『うん・・・!よろしくぅ!』

『死神』は椅子に座り直し、再び翼と向かい合った。

「『デュエルぅ!!』」


白木翼  『白き合同』デッキ LP4000
『死神』  『白き神々』デッキ LP4000





Shall we dance?(中編)







2019.08.16 | 未分類

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