伊良湖のラボにて


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 フード付きの黒コートを着込んだ長身の人物が、足元の破片を踏みながら歩いている。
 周りには破損した機械、ひび割れた床と壁、散らばるガラス。
 この廃墟は、かつて整然と機器が並べられた立派なラボだった。
 だが今は破壊しつくされ、その面影を僅かに残すのみ。

 フードを目深に被ったその人物は、足を止めながら少しずつ進む。
 その様子は足元の悪さを意識してか、あるいは……。

「何か、お探しですの?」

 声に驚いたのか、黒コートの人物は弾けたように後ろを振り向く。
 視線の先にいたのは、整えられた金髪と白いドレスの、お嬢様風の外見の少女。
 足場の悪いここでは、ヒールの高い靴はつらいようで、少しよろめくように体を傾けた。
 黄色い宝石をあしらったイヤリングが、小さく揺れる。

「お、驚きました……。城ヶ崎さん……わたしです、胡渡摩耶(こわたりまや)です」

 黒コートの人物がフードを捲り、ボブカットの黒髪と整った顔立ちが露わになる。
 traveler――胡渡摩耶は、不安そうに城ヶ崎の様子を窺った。

「……ごきげんよう、胡渡さん。そのコートは……確か『解放されし記憶の世界』のモノだったかしら?」

 『解放されし記憶の世界』に存在していた闇の勢力、クリフォト。
 肉体を持たない彼らは闇に溶けてしまわないよう、“遮断”の性質を持つ補助的な魔術を編み出した。
 それを使用した場合、傍目には黒いコートを羽織っているように見える。ちょうど、今の胡渡の恰好のように。

「ええ……ですが、これは伊良湖さんによってアイテム化されたものです」

 どことなく得意げな口調で応える胡渡。
 それをふん、と鼻で笑い城ヶ崎は嘲るように言う。

「なるほど……それを、伊良湖さんを倒して奪ったと?」

「え……そ、そんな!? 奪ったなんて……これは正式に頂いたものですよ! ま……まさか、摩耶がここを破壊したとでも!?」

「ええ、まあ、その可能性も無きにしも非ず、と思っていますわ」

「ち……違いますぅ! 摩耶は……そんなこと……!」

 必死に否定する胡渡。
 目じりに涙まで浮かんでいる。

「……まあ、少なくとも敵対関係ではないようですわね。貴方程度の実力では、伊良湖さんに勝ち、この世界をここまで破壊したとは考えにくいですし」

「ええ、ええ……そうです。摩耶は、伊良湖さんと闘って……あ、あまつさえ、ここを破壊するなんて……」

「はいはい、わかりましたわ。それで結局の所、貴方は何をしにきたんですの? この“伊良湖のラボ”に」

 皮肉も通じず、城ヶ崎はため息交じりに改めて質問する。
 すると、胡渡は明らかに狼狽えた。

「え、えーと、その……城ヶ崎さんこそ、ここに何をしに来たのですか? その、伊良湖さんを倒したとは思ってないのですが……」

「……貴方、それ私を馬鹿にしてません? まあ、実力的には、私は下級であることは否定できませんけど」

「へ!? えーと、そんなつもりじゃないんです! 本当です!!」

「……はあ、まあいいですわ。ここに来た理由、それは単純な話です。私たちは、デュエルアクセサリーの複製を頼みに来たのですわ」

「へぇ、デュエルアクセサリーなんて、中々珍しい……私、たち?」

 その言葉の違和感。
 そして、城ヶ崎が傾けていた体に隠して展開していたデュエルディスク。
 それらに気が付いた時には、もう遅かった。

「ニャハハハハ!! 手札の《レスキューキャット》を墓地に送って《虚栄の大猿》を特殊召喚! 自身の効果で、レベルを4上げるニャン! さーらーにー! 《エアーズロック・サンライズ》を使って《レスキューキャット》を蘇生し、効果を使ってデッキから《みつこぶラクーダ》2体を特殊召喚するニャン! さらにさらに! 手札から3体目の《みつこぶラクーダ》を召喚するニャン!」

《虚栄の大猿》 [地] レベル5
獣族/チューナー/効果 ATK1200/DEF1200
このカードは通常召喚できない。
手札から獣族モンスター1体を墓地へ送った場合に特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、
墓地へ送ったその獣族モンスターのレベルを確認し、
次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●そのレベルの数だけこのカードのレベルを上げる。
●そのレベルの数だけこのカードのレベルを下げる。


《レスキューキャット》 [地] レベル4
獣族/効果 ATK300/DEF100
「レスキューキャット」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。


《エアーズロック・サンライズ》 通常魔法
「エアーズロック・サンライズ」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地の獣族モンスター1体を対象として発動できる。
その獣族モンスターを特殊召喚し、
相手フィールドのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、
自分の墓地の獣族・鳥獣族・植物族モンスターの数×200ダウンする。


《みつこぶラクーダ》 [地] レベル3
獣族/効果 ATK500/DEF1500
「みつこぶラクーダ」が自分フィールド上に表側表示で3体存在する場合、
その内2体を生け贄に捧げる事でカードを3枚ドローする。


「な……!?」

 物陰から飛び出してきたのは、猫耳のような髪型の少女、猫山。
 足場の悪さも何のその、薄手のシャツとショートパンツから覗く瑞々しい肢体を躍動させ、城ヶ崎とおそろいのイヤリングを揺らしながら軽快に駆ける。
 既に展開しているデュエルディスクに、次から次へとカードを配置していった。

「《野生解放》でラクーダ1体を強化! そしてぇ! バトルフェイズに突入だニャン!」

《野生解放》 通常魔法
フィールド上の獣族・獣戦士族モンスター1体を選択して発動できる。
選択した獣族・獣戦士族モンスターの攻撃力は、
そのモンスターの守備力分アップする。
この効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。


「バトル!? これは……そうか……城ヶ崎さん、貴方、バトルロイヤルを……!!」

「ご明察、ですわ。私たちの仕掛けたカラクリを見抜いたようですわね」

 城ヶ崎は胡渡と話している隙に、こっそりとデュエルディスクを展開。
 そして物陰に隠れていた猫山と共に、胡渡を巻き込んだバトルロイヤルデュエルを開始したのだ。
 
「ですが、気づくのが遅すぎでした。そのまま倒れて、私達の糧にお成りなさい」

「悲しいけど、これって戦争なんだニャン! さあ、情報と力をよこすニャン!」

 影を伴った猿と息切れ気味のラクダ3体が襲い来る。
 その総攻撃力は4200。胡渡のライフを全て奪える数値だ。
 だが、空だったハズの胡渡のフィールドに。
 裏側表示のモンスターが現れた。

「ニャン!? 手札誘発のカードかニャァ!?」

「いえ、その守備モンスターの他に伏せカードが4枚も現れています。恐らく、デュエリスト能力……場にカードをセットできる能力ですわね?」

「……はい、摩耶のデュエリスト能力です……」

乱打乱渦(ランダムラウンズ)
各ターンに1度、自分のデッキの上から5枚までカードをフィールド上にセットできる。


「ムムー! だけど、セットならば“魔法・罠はセットしたターンには発動できない”ルールは適用されるハズ! その伏せカードは発動できないニャン! ここは、迷わず攻撃! 強化したラクーダでその守備モンスターを攻撃するニャン!」

 猫山の読み通り、伏せカードは微動だにしない。
 狂乱したラクダの攻撃は阻まれることなく、セットされていたモンスターを破壊した。

《超電磁タートル》 [光] レベル4
機械族/効果 ATK0/DEF1800
「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
そのバトルフェイズを終了する。


「おっと、カメちゃんだったかニャン。残りのモンスターで直接攻撃だニャン!」

「……《超電磁タートル》の墓地効果を発動し、バトルを終了させます!」

「ま、そうなるニャン。バトルを打ち切ってメイン2へ! 通常召喚したラクーダの効果を使って、他2体のラクーダをリリース! 3枚ドローするニャン!」

 弱小モンスターを退場させ、一気に手札を補充する猫山。
 引いたカードを見て、ニンマリ笑みを浮かべる。

「さーて、総仕上げだニャン! レベル9になった《虚栄の大猿》と残ったレベル3《みつこぶラクーダ》でアベレージエクシーズ! 来るニャン! 《魔獣荒神アポカリプス・ライオン》! そして、4枚カードを伏せてターンエンドだニャン!」

《魔獣荒神アポカリプス・ライオン》‡ [闇] ランク6
獣族/アベレージエクシーズ/効果 ATK3000/DEF2800
平均レベル6のモンスター×2
(1):このカードがレベル8以上のモンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。
●このカードはカードの対象にはならない。
●相手がモンスターを特殊召喚した場合に
このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、1体につき1000ダメージを相手に与える。


城ヶ崎【LP:4000】 手札:5枚

猫山【LP:4000】  手札:0枚
・《魔獣荒神アポカリプス・ライオン》ATK3000
・伏せカード4枚

胡渡【LP:4000】  手札:5枚
・伏せカード4枚


「うぅ……城ヶ崎さん、猫山さん……なんで、こんないきなり……」

「私が先に言った通りですよ、胡渡さん。私たちは下級のtraveler。こうやってだまし討ちでもなんでもして、力をつけていくしかないのです」

「でも……わざわざ闘わなくても」

「では、貴方の力と、伊良湖さんについての情報を渡してくれまして?」

「……それ、は……」

 言葉に詰まる胡渡。
 その様子は、譲る意思がないことを示していた。

「ほーら、やっぱりそうなるニャン。所詮travelerは弱肉強食なんだニャン……! さあ、胡渡ニャンのターンだニャン!!」

 猫山にそこまで言われてようやく、おどおどと及び腰のままだった胡渡の表情が強張ったものになった。
 口をへの字に結び、指をデッキに伸ばし……一気にカードを引き抜いた。

「……摩耶のターン、ドロー!」

「おっと! 忘れずこれを使っておくニャン! 罠カード《心鎮壺》! 胡渡ニャンの伏せカード4枚の内、2枚を封じるニャン!」

《心鎮壺》 永続罠
フィールド上にセットされた魔法・罠カードを2枚選択して発動する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
選択された魔法・罠カードは発動できない


「チェーンして伏せカードオープン、《ダイナミスト・ハウリング》! この効果で《ダイナミスト・プテラン》と《ダイナミスト・レックス》をPゾーンへ!」

《ダイナミスト・ハウリング》 永続罠
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「ダイナミスト」Pモンスターを2体まで
選んで自分のPゾーンに置く事ができる。
置いた場合、次のターンの終了時まで、
自分は「ダイナミスト」モンスターしかP召喚できない。
(2):このカードが既に魔法&罠ゾーンに表側表示で存在する場合、
1ターンに1度、自分フィールドの「ダイナミスト」モンスター1体をリリースし、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。


《ダイナミスト・プテラン》 [水] レベル4
機械族/ペンデュラム/効果 ATK1800/DEF1200
【Pスケール:青3/赤3】
(1):このカード以外の自分フィールドの
「ダイナミスト」カードが戦闘または相手の効果で破壊される場合、
代わりにこのカードを破壊できる。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
デッキから「ダイナミスト」カード1枚を手札に加える。


《ダイナミスト・レックス》 [水] レベル4
機械族/ペンデュラム/効果 ATK2400/DEF2200
【Pスケール:青6/赤6】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードを
対象として発動した効果を無効にできる。
その後、このカードを破壊する。
【モンスター効果】
(1):このカードが攻撃を行ったダメージステップ終了時、
このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」モンスター1体をリリースし、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードは相手モンスターに続けて攻撃でき、
守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
●相手の手札・フィールドのカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す
(手札から選ぶ場合はランダムに選ぶ)。
その後、このカードの攻撃力は100アップする。


 心鎮壺による封印をすんでのところで躱し、2つの光柱が出現。
 それぞれの柱の内部に機械の恐竜、そして“3”と“6”の数字が浮かび上がった。

「ムム……封印できたのは1枚だけかニャン……」

「加えてペンデュラムスケールを確保されてしまいました……これは……」

 思案する2人を目に、胡渡は手札に指をかける。
 そして、城ヶ崎が睨んだ通りの召喚方法を宣言した。

「ペンデュラム召喚! 《ダイナミスト・アンキロス》《ダイナミスト・ステゴザウラー》《ダイナミスト・ケラトプス》《ダイナミスト・ブラキオン》!」

《ダイナミスト・アンキロス》 [水] レベル4
機械族/ペンデュラム/効果 ATK1500/DEF2000
【Pスケール:青6/赤6】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードを
対象として発動した効果を無効にできる。
その後、このカードを破壊する。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の「ダイナミスト」モンスターが戦闘で破壊したモンスターは除外される。


《ダイナミスト・ステゴザウラー》 [水] レベル4
機械族/ペンデュラム/効果 ATK1600/DEF1800
【Pスケール:青3/赤3】
(1):このカード以外の自分フィールドの
「ダイナミスト」カードが戦闘または相手の効果で破壊される場合、
代わりにこのカードを破壊できる。
【モンスター効果】
(1):このカード以外の自分のPモンスターが
相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に発動できる。
その戦闘を行ったお互いのモンスターを破壊する。


《ダイナミスト・ケラトプス》 [水] レベル5
機械族/ペンデュラム/効果 ATK2100/DEF400
【Pスケール:青3/赤3】
(1):このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードが
戦闘または相手の効果で破壊される場合、
代わりにこのカードを破壊できる。
【モンスター効果】
(1):自分フィールドのモンスターが
「ダイナミスト・ケラトプス」以外の「ダイナミスト」モンスターのみの場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。


《ダイナミスト・ブラキオン》 [水] レベル5
機械族/ペンデュラム/効果 ATK2000/DEF800
【Pスケール:青6/赤6】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードを
対象として発動した効果を無効にできる。
その後、このカードを破壊する。
【モンスター効果】
(1):自分のモンスターゾーンに「ダイナミスト・ブラキオン」が存在せず、
フィールドの攻撃力が一番高いモンスターが相手フィールドに存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。


 次々と降り立つ機械の恐竜。
 装甲の隙間やパイプの先から湯気が迸り、その巨体と共に場を埋め尽くす。
 だがそれを、猫山の獅子は看破しない。

「おっと、このコをお忘れかニャン!? アポカリプス・ライオンの効果! 特殊召喚されたモンスターをすべて破壊するニャン!」

「プテランのP効果! ダイナミストカードの破壊を肩代わりさせます!」

「ニャガ!?」

 ダイナミストのP効果による破壊の肩代わりは数を指定していない。
 破壊が全体に及んでも、“ダイナミスト”である限り全て守ることが可能だ。

「さらにレベル5、2体でオーバーレイ! 《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》をエクシーズ召喚!」

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》 [光] ランク5
機械族/エクシーズ/効果 ATK3000/DEF2800
機械族レベル5モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。
また、1ターンに1度、自分の手札・フィールド上の
「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで、2100ポイントアップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
このカードが相手の効果によって墓地へ送られた場合、
機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる。


「ノヴァインフィニティを狙う気かニャン!? させないニャン! こんどこそ、アポカリプス・ライオンの効果で破壊!」

「……! いけませんわ、猫山さん!」

胡渡【LP:4000→3000】


 城ヶ崎が不穏なモノを感じ叫んだが、既にサイバードラゴン・ノヴァは砕かれた後。
 その残骸の中から、三つ首の機械竜が立ち昇る。

「ノヴァが破壊されたことで……《サイバー・エンド・ドラゴン》を特殊召喚!」

《サイバー・エンド・ドラゴン》 [光] レベル10
機械族/融合/効果 ATK4000/DEF2800
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。


「ニャニャーン!?」

「うかつですわよ、猫山さん!」

「さらに場のレベル4、2体でオーバーレイ! 《バハムート・シャーク》!」

《バハムート・シャーク》 [水] ランク4
海竜族/エクシーズ/効果 ATK2600/DEF2100
水属性レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。
このターンこのカードは攻撃できない。


「今度は《バハムート・シャーク》!? ぐぬぬ……《餅カエル》は呼ばせないニャン! 伏せカード《デモンズチェーン》で効果を無効にし、攻撃も封じるニャン!」

《デモンズ・チェーン》 永続罠
フィールドの効果モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
その表側表示モンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。


 猫山の放った暗色の鎖は、見事《バハムート・シャーク》を捕らえる。

「どんなもんだニャン! 汚名挽回だニャン!」

「それを言うなら汚名返上か、名誉挽回ですわ……」

「……《魔法カード《RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース》発動! 《バハムートシャーク》をランクアップし、《C№69紋章死神カオス・オブ・アームズ》!」

《RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース》 通常魔法
自分フィールド上のランク4の
エクシーズモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターよりランクが1つ高い
「CNo.」と名のついたモンスター1体を、
選択した自分のモンスターの上に重ねて
エクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。


《C№69紋章死神カオス・オブ・アームズ》 [光] ランク5
サイキック族/エクシーズ/効果 ATK4000/DEF1800
レベル5モンスター×4
相手モンスターの攻撃宣言時、
相手フィールド上のカードを全て破壊できる。
また、このカードが「No.69 紋章神コート・オブ・アームズ」を
エクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
相手フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。
エンドフェイズ時まで、このカードの攻撃力は
選択したモンスターの元々の攻撃力分アップし、
このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。


 瞬時、動けなくなった《バハムート・シャーク》を別のモンスターに置き換えた胡渡。
 これで彼女の場には攻撃力4000のモンスターが、2体。

「ふえええ~~~!! 《デモンズ・チェーン》が無駄になっちゃったかニャン!?」

「いえ、成果はありましたわ。ですが、これは……このターン中に私達を倒すつもりですわね……」

「まずは城ヶ崎さんを狙います! 《C№69紋章死神カオス・オブ・アームズ》で直接攻撃!」

「いーや! 倒れるのは胡渡ニャンの方だニャン! 伏せカード《魔法の筒》で、その攻撃、跳ね返すニャン!」

《魔法の筒》 通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、
攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。


 カオス・オブ・アームズの放った光線が、魔法の筒に吸い込まれる。
 4000ポイント……このデュエルにおける即死クラスの攻撃が、そのまま胡渡に跳ね返ろうとしていた。

「ニャハハハ! 召喚に成功して、こういったカードへの警戒が薄れたかニャン!?」

「そんなことはないですぅ! チェーンして手札から《ライフ・コーディネーター》の効果を発動し、《魔法の筒》を無効化します!」

「ンニャ……!?」

《ライフ・コーディネーター》 [風] レベル2
サイキック族/効果 ATK800/DEF400
相手が「ライフポイントにダメージを与える効果」を持つカードを発動した時、
手札からこのカードを捨てる事でその発動を無効にし破壊する。


 胡渡の放ったスライム状のモンスターが《魔法の筒》を絡めとり、瞬時に溶解させた。
 城ヶ崎は、再び敗北の危機にさらされる。

「く……さらにチェーンし、手札より《バトルフェーダー》の効果を発動しますわ!」

《バトルフェーダー》 [闇] レベル1
悪魔族/効果 ATK0/DEF0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、
フィールドから離れた場合に除外される。


「カウンター罠《透破抜き》! 《バトルフェーダー》の効果を無効にします!」

《透破抜き》 カウンター罠
手札・墓地でモンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし除外する。


「な……」

 《魔法の筒》は溶かされ、《バトルフェーダー》も切り払われ。
 遮るもののなくなったカオス・オブ・アームズの攻撃は、城ヶ崎を寸分なく打ち抜いた。

城ヶ崎【LP:4000→0】


「城ヶ崎ニャン!?」

「《サイバー・エンド・ドラゴン》でアポカリプス・ライオンを攻撃! ダメージステップ時に速攻魔法《リミッター解除》!」

《リミッター解除》 速攻魔法
(1):自分フィールドの全ての機械族モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで倍になる。
この効果が適用されているモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。


「え……」

猫山【LP:4000→0】


 気の抜けた声を残し、猫山はアポカリプス・ライオンごと光流に飲み込まれる。

 かくして、胡渡に対峙した2人のライフは0になった。
 胡渡はふぅ、とため息をつきディスクを収納しようとする。

 ……だが、それができない。
 そして、倒れたはずの猫山のフィールドに残された、1枚のカードが開いていた。

《一撃離脱》 カウンター罠
(1):自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。
このターンのエンドフェイズになる。


「!? ……デュエルがまだ、終わってない!?」
 
 《リミッター解除》のデメリットにより崩れ行く《サイバー・エンド・ドラゴン》を背に、胡渡は再び顔を強張らせる。
 ターンが完全に終了する間際、反射的にデュエリスト能力を発動させ場の空きをセットカードで埋めた。 

 胡渡は乱れた呼吸を整えようと必死だった。
 まだ別の仲間がいるのか。それとも、漁夫の利を狙う別の敵がいるのか。
 胡渡は怯えを隠せず、視線を右へ左へと動かした。

 そして視線を僅かに上に向けた時、自分の伏せカードに向かう無数の矢を見て。

《封魔の矢》 速攻魔法
このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。
(1):自分または相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。
このカードの発動後、ターン終了時までお互いに魔法・罠カードの効果を発動できない。


 自らを射抜かんとする、ひときわ大きな火矢を見て。

《業火の大弓 レッド・アルテミス》‡ 武甲魔法
大弓/攻1500
(1):相手フィールド上に表側表示のカードが2枚以上存在する場合、
このカードの攻撃力は500アップする。
(2):相手フィールド上に裏側表示のカードが2枚以上存在する場合、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。
(3):1500以上のダメージを受ける場合、代わりにこのカードを破壊する。


 それが自分に命中した瞬間、その威力と速度が増したのを感じ取った。

《ビッグダメージ》† アクション魔法
バトルダメージに1000ポイント加える。


胡渡【LP:3000→0】


 矢に射抜かれ吹き飛ばされた胡渡は、炎に包まれたながら地面に転がった。

 そこに跳躍して現れたのは、長い赤髪にロングスカートのセーラー服を纏った、いわゆる”スケバン”風の衣装の女。
 胡渡を射抜いた張本人である、traveler――剣堂であった。

 直後、火達磨となった胡渡からカードが飛び出した。
 それは剣堂の手元に束になるように積み重なっていく。
 映像の逆再生の様な光景が終わると同時に、剣堂はそのカード束を広げて1枚1枚吟味するように眺め始めた。そして、顔をしかめた。

「チッ! 機械系のカードばっかりか……デュエリスト能力を吸収できたわけでもねぇし、ハズレだったなァ、こりゃ」

 そうつぶやくと、剣堂は顔を上げる。
 胡渡のモンスターの攻撃に飲み込まれた2人のいた場所に向けて、声を張り上げた。

「いつまで寝てんだ、猫山! 城ヶ崎ィ!! デュエルは終わったぞ、さっさと起きろォ!!」

 その声に応えるように、瓦礫を除けながら2つの人影が立ち上がる。
 それは胡渡に倒されたはずの猫山、城ヶ崎であった。
 2人は服の汚れを掃いながら、剣堂の元に歩み寄る。

「ニャハハ! 剣堂ニャン、助かったニャン! 作戦バッチシだったニャー!」

「おいしいところを持っていきましたわね、剣堂さん」

「ハッ! お前らだけで倒せればアタイの出番はなかっただろォがよ! そいつに助けられたなァ!」

 そう言う剣堂の視線にあるのは、猫山、城ヶ崎が耳につけている黄色い宝石をあしらったイヤリングだった。
 だが、その宝石の色はくすんでいる。このデュエルでの役割を終えたからだ。

「確かに! 最初にこのデュエルアクセサリーを見つけた時には役に立たない特性だと思ってたけど、ホント使いようだニャン!」

「ええ……“デュエルが終了するまで、自分の敗北を無効にする”特性。普通ならばデュエル終了=決着ですから、まったく意味のない効果ですわ。ですが、バトルロイヤルルールや乱入アリのデュエルでは、話が違ってくる」

 そう、通常の1対1のデュエルではほぼ無意味な特性だが。
 装着者のライフが尽きてもデュエルが継続するバトルロイヤルや乱入可のデュエルならば、最終的な決着が確定するまで生き延びることができるのだ。

「あのヤロー、意外と悪知恵が働くなァ……」

「そういえば、剣堂さん。アクションデュエルへのルール変更なんてどうやったのですか? 最初に適用したバトルロイヤルと同一世界のルールとはいえ、私たちではルール干渉は難しいのでは……」

「ああ、こっちに向かう途中、アクションデュエル用の装置があったんで起動させてきたんだよ。それを媒介に、ルール干渉したってわけさァ」

「ほえー、剣堂ニャン、意外と頭使えるんだニャン!」

「ハッ倒すぞ!」

「まあまあ、それで剣堂さん、他に何か情報は?」

「いや、他に目ぼしいもんは無かったなァ。胡渡を倒しても、情報みたいなもんは得られなかったし」

「手に入れたカードはどんなだニャン!?」

「機械系のヤツばっかだ。どれもこれも、アタイらのデッキにはあわねェぞ?」

「ウーン……でも、何かに使えるかもしれないし、後で山分けしよーニャー!」

「ヘイヘイ……」

 剣堂の話を聞いていた城ヶ崎は、改めて辺りを見回す。

「……伊良湖さんのラボがここまで破壊された原因、胡渡さんも知らなかったようですね。それに肝心の伊良湖さんも見当たりません。やはり誰かに倒され、死んでしまったのでしょうか……?」

「いや、アタイは伊良湖は生きてると思うぜ?」

「へ? なんでそう思うニャン?」

「だってこのラボは白姫の休憩所みてーな、伊良湖の作り出した世界だろォ? こーゆー場所って作り手の“力”に依存してるみてーだし、伊良湖が死んでるんなら、ここも消えちまうんじゃねェか?」

「あ……!」

「まあ、強い“力”の持ち主だった場合、作り手が死んでも残ったままになるのかもしんねーけどよ……ってどーした、2人とも。黙りこくって……」

「いや……剣堂ニャン、ホントに頭使えるんだニャア……」

「私も……正直、もっと直情おバカさんだと思ってましたわ」

「ブッ殺すぞ、てめぇら!!」

 憤慨する剣堂。
 2人は慌てて彼女を宥める。

「まったく、人をなんだと思ってんだ、クソがァ……」

「ゴメンだニャン、剣堂ニャン」

「……さて、これ以上ここにいてもしょうがないですわね。胡渡さんとの戦いで、複製してもらおうと思っていたデュエルアクセサリーも使い果たしてしまいましたし……」

「ま、伊良湖ニャンが生きてるかもしれないなら、どっかで会えるかもだニャン! それまで、いろいろな世界をめぐっておこうニャー!」

 そう言いながら、3人娘達は伊良湖のラボを後にした。



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 破損したデータのアンインストールを行います

 お待ちください・・・

 お待ちください・・・・・・

 破損したデータ“kowatarimaya_62”の削除が完了しました

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 デュエルが終わり、再び静寂の戻った廃墟にて。
 泣き腫らす人影が1つあった。

「う……うぅ……」

 それはデュエルで敗れ、火達磨とされたハズの胡渡摩耶であった。

「く……うううぅ……」

 背を丸めて蹲る彼女の首筋から頬には、鮮やかな赤の毛細模様が蠢いていた。
 その模様は徐々に、潮が引くように消えていき元の白い肌が戻ってきた。

「ううぅ……あああぁ……」

 代わりに、彼女の眼は赤いままだった。
 とめどなく涙があふれ、口からは嗚咽が漏れる。

「……ごめんなさい……ごめんなさい! 伊良湖さぁん!! 摩耶は、伊良湖さんから頂いた力を……“万生一死(パラレルポート)”を……無駄に、使っちゃいましたぁ!!」

 ついに喚き声をあげて天を仰ぐ胡渡。
 そして両腕で地面をたたくようにして、再び蹲る格好になる。

「でも……伊良湖さんも悪いんですよ……知らないうちに……わたしの知らないデュエルアクセサリーを……」

 丸まったままブツブツと言葉を漏らしていた胡渡だったが、ややあってフラフラと立ち上がった。
 
「……剣堂さんは……アクションデュエル用の装置を起動させたって言っていました……なら……他の機械も、まだ生きるかもしれない……」

 そのままノロノロと歩き始める。
 たどり着いたのは、パソコンが配置されている場所。
 胡渡は、電源スイッチを押してみる……反応があった。

「……起動した……!」

 笑みを浮かべ、キーボードを操作する胡渡。
 ひび割れた画面に、劣化した映像が流れ始めた。

「……破壊の影響かハッキリと見えません……重要な手がかりかもしれないのに……」

 胡渡は、伊良湖がこのラボで実験を行う時、記録映像を残すこと思い出したのだ。
 もしかしたら、このラボが破壊された時の原因が映っているかもしれない、と。

 砂嵐の混じる、色彩すら不鮮明な画面上に。
 伊良湖と、球体状の何かが映し出された。

 それらは闘っているように見えた。
 いや、むしろ伊良湖が一方的に攻撃を受けているような……。
 だが、その結末はわからなかった。ほどなくして砂嵐の頻度が高まり、最終的にパソコンがダウンしてしまったからだ。

 それを見た胡渡は、顔を青くして言葉をこぼした。

「まさか……『球体』が、奪われた!?」

 胡渡は翻って慌てた様子で走り出した。
 目指した場所はラボの一角、何もない壁の前。

 壁の前に立った胡渡は、自らの胸元に手を突っ込みまさぐり始めた。
 ややあって、そこから取り出したのは赤い色をした鍵。
 一瞬の逡巡の後、胡渡はその鍵を何もない壁に突き刺しすように前に出す。鍵はそのまま、見えない鍵穴に嵌まり込むよう、壁にめり込んだ。
 胡渡がそのまま鍵を捻ると、カチリッ、という音と共に、壁に長方形の穴が出現した。

「……」

 胡渡は、ちょうど扉状に空いた暗がりの穴をのぞき込む。
 そこには、なにもなかった。
 文字通り、底なしの闇だけが広がっていたのだ。

「……これは……“倉庫”自体が別の場所に転移した後……」

 胡渡は顔色の優れぬまま、その闇を唖然と眺めていた。

「ダメ……『球体』が奪われたどうかはわからない……それに、伊良湖さん自身もどうなってしまったかも……」

 しばらく茫然としていた胡渡だったが、顔を左右に振り、気を持ち直そうとする。

「……“倉庫”は……伊良湖さんが訪れた世界に作った、別の拠点に送られる……もし『球体』が無事なら、どこかの世界にあるはず……そうだ……『球体』を見つけなければ……摩耶が……!」

 胡渡は何度も呟く。
 決意を固め、顔を上げる。
 やるべき事は定まった。留まってはいられない。

「伊良湖さん、待っててください……摩耶は、やります!」

 口をきゅっと結び、胡渡は踵を返して歩き始めた。
 やがてその姿が揺らぎ、胡渡はこの世界から消え去った。

 そして“伊良湖のラボ”は今度こそ無人となった。
 静寂の中、僅かに瓦礫が崩れる音と死にかけの機械の光だけが、そこに残された。
















 あの戦いから、時が過ぎ。
 城ヶ崎、猫山、剣堂の3人は高見沢に破れ去り。
 胡渡は行方知れずのまま。

 廃墟のまま放置されていた“伊良湖のラボ”に、久々の訪問者が現れていた。

「……うーん……これなら、動くはずなんだけど……」

 以前、胡渡が見ていたパソコンの前に立つのは“traveler”逢沢。
 “肆拾均加(トラベレージ)”を駆使して、traveler達の機械系技術を可能な限り集結。パソコンの配線と格闘中であった。

「ららら、手持ち無沙汰」

「るるる、なにか手伝う?」

「いや、もうちょっとで終わるから、大人しく待っててね」

 その様子を後ろで眺めているのは、六歌仙姉妹。
 彼女らの申し出を、逢沢は丁重に断る。
 残念ながら、彼女らは機械の操作はあまり得意ではないようであった。知識がほとんどないことを考慮しても、色々と危なっかしい。
 先ほども、まだ破損が少なそうな機械を破壊されたばかりであった。

「大郷くんは、彼女らに機械を触らせないようにしてたのかなぁ……お、映った!」

 逢沢はキーボードの操作を一旦やめ、回復した画面を覗き込む。
 彼女は知る由もないが、胡渡が見ていた時よりも画像が鮮明であった。修理がうまくいった故だろう。
 翻る伊良湖の白い上着と、対峙するぶよぶよした不定形の黒い球体の挙動もよくわかる。
 映像の中で行われている伊良湖と黒い何かのデュエル、終始伊良湖が押されていた。いっそ、一方的と言っていいほどに。
 そして、黒い何かの最後の攻撃が繰り出され……。

 画面が、ブラックアウトした。

「えぅえ!? あー……修理、これが限界かぁ……」

 ふう、と溜息をつき、廃墟を見渡す。
 ここまでざっと一帯を調査してきたが、今のところなんとかできそうな機械はこれのみであった。
 
 手間をかければ修復、あるいは残存したデータをサルベージできる機械があるかもしれないが……流石にそこまでのスキルはない。

「アイテムコレクターかつアイテムメーカーだった伊良湖さんのラボ跡地だけど、目ぼしいアイテムはなし。あっても修復不可能なほど壊れているか……これはもう、他のtravelerにハイエナされた後かなぁ……」

 唯一の成果は、やはり先ほどの入手した映像か。
 他所で入手した情報と、外見の情報も一致していた。
 とりあえず、一定の信頼性は得られたといっていい。

「だとすると、この世界が廃墟として残ってるのは……やっぱり、上位は一味違うってわけなのかな……?」

 なんとなくすっきりしないモノを感じながら推測を呟いていると、六歌仙姉妹がとてとてと近寄ってきた。

「ららら、終わったの?」

「るるる、どうだった?」

「うん、一定の成果はあったよ。そこそこ、可能性の高い情報を得られた」

 笑顔で2人に応えながら、逢沢はその情報を口にした。






「伊良湖さんはここで『死神』と戦い、敗北したみたいだね」





2017.12.31 | コメント(6) | 未分類

コメント

めくるめき女たちの戦い

「剣堂だぜ!」
「猫山だニャン!」
「城ヶ崎でございます♪」

歌って踊って戦って、アイドルとしても違和感ない?


新年第一弾は、ラギさんからの投稿です!

新たに登場したtraveler、胡渡摩耶。
ビクビクおどおどしていながら殺意が高いあたり、実に良いです。
「残機」を失ったときの悔恨も「そっちなの!?」と思わずツッコミを入れてしまった!
感情豊かなれど、この異質さ、やはりtravelerだと思わされます。イイ・・・!

伊良「湖」を追い、世界を「渡」る、摩耶やややややカワユイ!
鎧の決闘者を思わせる“乱打乱渦”など、伊良湖さんとの関係が随所に。
62も思わずニヤリですね・・・。62が破損したら、つまり61になるわけですが。
(掲載が1月9日なのは、61を引っくり返しただけだったりして・・・w)


最初「あれ、城ヶ崎さんだけ?」と思っていたら、やられた、巧妙な戦略だった!
会話で意識を逸らし、2対1のデュエルに持ち込み、後詰まで見事な連携。
こうした工夫もそうですが、使い道の無さそうなアイテムが化けるのも好きです。

剣堂さん、やっぱり頭悪いと思われてたんだw
オイシイとこを持っていくだけでなく、真面目な考察でリーダの面目躍如でしょうか。
パッと見は真面目そうで全然そうでもない山代さんとは対極。
仲良し三人組は、和むと共に、ほろりとさせられる・・・。


るるらら姉妹は機械の扱いとか下手そうだと私も思っていた!
私も幼い頃はカセットテープを破壊して遊んでいたものです。子供は無邪気な破壊者。
サイボーグ大郷を「破壊」したときも、何ら負の感情なしに楽しんでいたはず・・・。
引率者は子供を守ると同時に、見張っていなくてはなりませんね。

剣堂考察では「生きている」が、逢沢考察では「敗北した」伊良湖さん。
合わせると「敗北したけれど生きている」ということになる・・・?

アイテムの蒐集から複製まで幅広くこなすtraveler伊良湖。
今回で少しだけヴェールを脱ぎましたが、まだ謎は多いですね。

2018-01-09 火 00:08:51 | URL | アッキー [ 編集 ]

そういえば今回の話、出演traveler女性ばっかだな・・・

>「剣堂だぜ!」
>「猫山だニャン!」
>「城ヶ崎でございます♪」
なんかこれだと、ひと昔前のアニメとかでお約束の3バカトリオっぽい・・・。
掲載ありがとうございました。ラギです。

>胡渡摩耶
元三笠撫子こと胡渡さん。
実は最初は、クール寄りの性格でした。
だけど、三人娘に倒される役柄だし、伊良湖のアイテム頼りっぽいしで、なんかクールにふるまってる割にポンコツだよなあ、と思い直いたことで、キャラを一新。
結果、ビクビクおどおど、こんな性格になってしまいました。

>伊良「湖」を追い、世界を「渡」る
・・・なるほど、そんな意味があったのか!(ォィ
ちなみに62は、適当に決めました。

>剣堂さん、やっぱり頭悪いと思われてたんだ
>るるらら姉妹は機械の扱いとか下手そう
正直、話の都合上の設定だったけど、特に確認取らずに書かせてもらいました。
あと、城ヶ崎さんがヒールの高い靴を履いてるとかね。まあ、誤差だよ誤差!

>「敗北したけれど生きている」?
>アイテムの蒐集から複製まで幅広くこなすtraveler伊良湖
伊良湖さん、秘密が多くてゴメンね・・・。
というより、ハッキリ決めれてない部分も大きいのですが・・・。
さっさと続きを書かないのが悪いですね、はい。

それでは、この辺で。
後、メール送ります。

2018-01-09 火 19:36:59 | URL | ラギ [ 編集 ]

城ヶ崎さんが生きている!高見沢さんと戦う前の話なんですね。最初、慎重に歩を進めているのは二人羽織だからか、なるほど。この頃から三人ペアで行動していて、その優位性を最大限引き出すための策も練る。自分達を下位と見ているからそこ勝つための色々な工夫を考える。下位だからといって「弱い」とは限らない、そんな三人。

新トラベラーの胡渡さんは伊良湖さんと関係深そう。二人とも名前の中に『胡』の字が入っているし。いや、これは偶然か・・・。
しかし、胡渡さん強い・・・。猫山さんの動物デッキの猛攻に対しての大反撃。怒涛のラッシュで二人を倒したが最後においしいところ持って行く剣堂さん。城ヶ崎さん、猫山さんが出て、剣堂さんが出ないはずないですもんね。

しかし、胡渡さんの復活能力凄え!世界を渡るたびに残機が増えるとか!これはもう無限一機アップのためにたくさんの世界を回る旅に出るしかありませんな。伊良湖さんをたずねて三千世界。

というか、城ヶ崎さん達がアイテム複製を頼みに来るということは、伊良湖さんは頼めば断ることもなくアイテムを作ったり、そのままくれたりする可能性が高いということ。これはかなり優しい性格のトラベラーなのかもしれません。殺伐としたトラベラー界における数少ないオアシスな人となる予感。と思ったら、おい『死神』!何てことを!

え?『死神』の製作者?い、一体、だ、誰なんでしょうねえ・・・(目をそらす)
一応、剣堂さん理論でいけば伊良湖さんはまだ生きているはず・・・。カムバーック!伊良湖さーん!

2018-01-10 水 00:29:50 | URL | 千花白龍 [ 編集 ]

3人はどういう集まりなんだっけ?

>千花白龍さん
感想ありがとうございます、ラギです。
『死神』については、事後承諾ですみません・・・。

>高見沢さんと戦う前の話
はい、前半は過去編です。
ちなみに胡渡さんとは偶然居合わせた形なので、これは結構即席な作戦だったりします。3人娘ならではの、創意工夫ですね。

>胡渡さんの復活能力
特にデメリットもなく強すぎるかなー、と思いましたが大郷さんが増殖し始めましたし、これくらい良いかな、と。
ちなみに近い世界を反復横跳びしたとしても無限1UPはできません。

>伊良湖さんは優しい性格?
さあ、どうでしょうね?(すっとぼけ)
そういえば、3人娘が複製の報酬として伊良湖さんにデュエル飯を持ってきたけど、いないのでここで食べちゃうか、みたいな展開を考えてたはずなんですか、いつの間にかボツになってた、というか、忘れてましたね・・・。

それでは、この辺で。

2018-01-10 水 23:34:10 | URL | ラギ [ 編集 ]

デュエルアクセサリーの複製は伊良湖ラボにご相談を

まさかの三馬鹿だとぅ!?
猫山「それは剣堂ニャンに失礼だニャン!」
城ケ崎「剣堂さんはアレでも馬鹿じゃないですわ」
剣堂「テメエら表出ろ」
ちなみに一番馬鹿は猫山です、そんなわけで感想!

謎の騎士との関係が謎の、謎なtraveler伊良湖さん。
専用のラボがあったり、道具や能力を作成できる技術系traveler。
もしやあの鎧も何らかの能力があるアイテムなのか。
というか生きているのか……謎!

そんな彼と関係のあるらしき胡渡さん。
何かぽんこつ感が凄い!一人称に自分の名前を使ってさらに残念に!
使用デッキは地味に結構強いダイナミスト。
と思ったら奪われる。
死ににくい能力ですが、あの調子だと伊良湖さん探している間に何人か死んでそうで不安。

対するは懐かしの三人組!
凄い生き生きとしていて、コイツらいいキャラしてるなーと生みの親が思ってしまう程。
弱者なりに数と策を生かして勝ちに行くあたりが彼女たちらしい。
特に一撃離脱から剣堂さんの狙撃フィニッシュの流れが綺麗で大満足。
ちなみに城ケ崎のヒールとかOKです、凄いそれっぽいですし。


ところで、執筆中のタミユクで使うセリフのご相談。
ラギさんとしては↓のセリフ、どうでしょう。

「私は魔法少女『れんごく☆れんか』! 悪い侵略者は、煉獄の炎で浄化しちゃうよ!」

インフェルノイド要素を混ぜてみたのですが、それっぽくなってますかね。

2018-01-14 日 16:30:12 | URL | オウカ [ 編集 ]

その他、様々なアイテムを取り揃えております

>オウカさん
感想ありがとうございます。ラギです。

>まさかの三馬鹿だとぅ!?
はい、登場させてもらいました。
最初は胡渡さん、田宮さんと闘う予定だったんだけど
彼女だと『倉庫』があることを見抜いてしまいそうなので。
剣堂「うがあああ! やっぱバカにしてんだろォ!」
猫山さんについては、納得です。
猫山「こっちに飛び火したニャン!?」

>謎なtraveler伊良湖さん
謎謎謎ですみませんのう……。
なるべく早く続きを書きます。はい。
ちなみにあの『黒銀色の鎧』については
アッキーさんにネタバレ資料を送っています。
ネタバレしても構わない、アレについて書きたいなら、
私かアッキーさんにご連絡を。

>ぽんこつ感が凄い胡渡さん
はい、三人娘に倒される役柄ってことに合わせて・・・
城ヶ崎「それはもういいですわ!!」
・・・えー、使用デッキ【ダイナミスト】なんですが、
最初は魂合融合体である「バイオダイナミスト」ってのを出す予定でした。
このデュエルで勝利して、剣堂さんが魂合融合の力を得る、と。
ですが、デュエルの収集がつかなくなり、最初のターン以降バッサリカット。
そんなわけで、胡渡さんに勝利したうま味がなくなってしまったわけです。
胡渡「一番のぽんこつは、作者なのでは・・・?」

>「私は魔法少女『れんごく☆れんか』! 悪い侵略者は、煉獄の炎で浄化しちゃうよ!」
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
うん、いいんじゃない?(謎)
いや、色々セリフが謎すぎる・・・。
そんなわけで、オウカさん作品を楽しみにしておきます。

それでは、また。

2018-01-14 日 20:18:55 | URL | ラギ [ 編集 ]

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