第18話「北村賢治の世界」

――――――――――



葬儀の時間だ―――――。



――――――――――





「…ここは…。」

私が到着したのは真っ黒な空間だった。上を見上げればたくさんの星々が微かに輝いている。前を見れば大小様々な形の椅子が円形に並べられている。その内、15個は黒いペンキがぶちまけられていた。それ以外は右を見ても、左を見ても何もない黒い空間が広がるのみ。

並べられた椅子の一つに見知った顔の奴が片足を立てて乱暴に座っていた。見た目は10代の少年で、黒い前髪が鋭く尖っている。私と同じ「traveler」だ。

「そうか、ここはお前の世界か。北村(きたむら)。」

田宮(たみや)…。」
北村は椅子に座ったまま私を見上げ、目線を合わせた。そして不気味に笑った。
「田宮行方…。そうか、来てくれたのか…。」

北村…こいつはこんな目をした「traveler」だったか…?こんな濁った沼の底のような目を…。
私の覚えている北村という「traveler」は陰陽で言えば陽に属するタイプだった。太陽のように輝く、まっすぐな気持ちの篭った目をしていた。が、今の目の前の北村は明らかに陰の気質を纏っていた。世界を巡る中で色々あったのだろうか。私とて旅立った当時と今とを比べれば変わった部分は少なくないだろう。
ふと私は自分のデッキに目を落とした。この自動的に構成されるデッキの中身の多様性が、今まで自分自身が歩んできた軌跡そのものであった。カードを見るたびに思い出す。そのカードを手に入れた世界のことを。

「待ってたぜ…田宮。あんたが来るのをずっと…。ひょっとして『死神』に狩られたのかとも思ったが、流石にそれはないよな…。」

「何の話だ?」

北村の言動に眉をしかめて問う私に対し、北村は濁った瞳を伏せて、ゆっくりと言葉を吐き出した。

「…「traveler」の中に『死神』がいたんだ。そいつが動き出した。」

「『死神』…?」

聞き返す私を他所に北村はブツブツと独り言のように喋り始めた。目はこちらを向かず、焦点は合っていない。まるでどこか別の世界を見ているかのように。

「…五条(ごじょう)が、死んだ。」

北村がそう言葉を発すると、黒いペンキがぶちまけられた椅子の一つが何か巨大なものに押し潰されたかのようにへしゃげて壊れた。後にはペシャンコの木の煎餅が残るのみだった。

「知っている。」

五条はいけすかない「traveler」だったという印象しかない。実力は下の方だったのは確かだ。茶髪にガングロ、女子高生の服を着て風船ガムを噛んでいることが多かったか。甲高い声で口数の多い奴だった。デュエルでも盤外戦術を好み、相手を精神攻撃することに生きがいを感じているようなタイプだった。
「決闘都市の世界」で竜堂との会話に乱入し、同じ「traveler」の不破(ふわ)とタッグデュエルを挑んできた。そして、竜堂の能力の前に敗れ去り、私の目の前で闇に身を齧られ消えた。

室井(むろい)も死んだ。」

その言葉に反応するかのように、黒いペンキがぶちまけられた椅子の一つが地面から飛び出した、いくつもの黒い腕に飲まれて消えた。

「それも知っている。」

室井はサンタクロースのような笑い方をする「traveler」だった。実力は中位。着物を着ていて、持っている杖はデュエルディスクに変形する仕様になっている。同じ「traveler」の羽黒(はぐろ)に何故か興味を抱いていて、それに伴ってデッキも変化させたぐらいだ。独自のペースを持っている奴だったから巻き込まれて自分のペースが乱されるのが嫌で苦手ではあった。しかし、嫌いではなかった。
奴は「サトリンの世界」で私に闇のデュエルを挑んできた。羽黒を殺した私を試すために。そして敗北して光の粒子となり、消えていった。私に自身のカードを託して。

「それから、鵜堂(うどう)倉橋(くらはし)も死んだ…。『死神』に狩られたんだ。」

その言葉が引き金となり、椅子の一つが光に包まれたかと思うと刀で滅多切りにされたかのようにバラバラになって壊れた。
もう一つ、近くにあった椅子が音を立てて燃え始めた。炎はボウボウと燃え盛り、椅子は溶けるように崩れていく。後には何も残らなかった。

鵜堂はデュエルディスクに変形する剣を常に持ち歩いている「traveler」だ。実力は中位の中でも上の方だったか。闇色の目を持ち、笑う時には口が裂けるかと思うほど大きく笑い、死線をかいくぐるようなギリギリのデュエルをする奴だった。殺意の高さなら「traveler」の中で確実に上位に入るだろう。
倉橋もまた中位に属する「traveler」だったか。明朗だが少し能天気、快活だが少し大雑把な奴だった。デュエルをする時も割烹着姿で戦い、トゥーンモンスターをよく使っていた。鵜堂も倉橋もそれ相応の実力者だ。

「オレが把握していないだけで、もっと多くの「traveler」が狩られている可能性がある…。」

どうやら「traveler」の中の『死神(だれか)』が他の「traveler」を積極的に殺し始めたということか。その二人を葬ったということが事実なら「traveler」内の実力が中の上か上位の誰かと考えるのが自然だろう。
しかし何故、五条と室井の名前を出した?ひょっとして私が『死神』かもしれないと疑っていて、反応を見たかったのか?そうだとしたら北村も少しは搦め手を覚えてきたということか。だが、生憎と私ではない。鵜堂と倉橋に関しては、最初の世界より旅立ってから一度も会ってはいないのだから。

「北村、もったいぶるな。『死神』とは誰だ。」

…まあ、多くの「traveler」を殺しているという点では私はまさに『死神』か。

「…それはオレにも分からねえ…。だが、そんな些細なことはどうでもいい…。」

その返答は意外だった。もっと色々言ってくるか、直球で「あんたが『死神』か?」と聞いてくると思っていただけに拍子抜けしてしまった。

「…なあ、田宮。「traveler」って何だ?」

ギョロリ、と北村が目線をこちらに向けた。

「何故、オレは「traveler」なんだ?何故、オレ達はデュエルで殺し合いしてるんだ?どうして殺しあわなくちゃいけねえんだ…!?どうして最強の決闘者を目指さなきゃいけねえんだ…!?何故、オレは「traveler」に生まれちまったんだ!?以前、言われたよ…デュエルは楽しいものだって。オレもそう思ってた…。だがよぉ…!オレはデュエルで殺してるんだ!同じ「traveler」を!!」

北村は椅子から立ち上がり叫んだ。

「オレ達は『殺し合い(デュエル)』を楽しんじゃいけねえのさ!だがな、オレは言ってもらったんだ!そんなの絶対におかしいって!もし「traveler」を辞める方法があるなら、この最強の決闘者になるというゲームから安全に降りる方法があるのなら今すぐにでも降りたいぜ!そしたら、今度こそオレは心の底からデュエルを楽しめるはずなんだ!」

北村がダンダンと足を踏み鳴らす。すると周りの椅子が全て地面の中に沈んで消えた。

「だがよぉ!そんな方法、あるはずがねえ!このゲームを降りるにゃ死ぬか勝つかしかねえ!そんなことは分かってんだよ!だったらオレが残りの「traveler」を全員殺して、最強の「traveler」になるしかねえだろうが!そうすりゃそれ以上はもう誰も殺さなくて済むだろう!?」

北村は乱暴にデュエルディスクを構えた。

「田宮ぁ!オレと『殺し合い(デュエル)』だ!オレが勝てば、あんたは死ぬ!そして、あんたのカードも能力も全てをもらう!そうすりゃオレはもっと強くなれる!白姫も今度こそ殺してやれる!他の「traveler」も全員殺す!そして最強の「traveler」になれたなら、オレはあいつと『神様のデュエル』が出来るんだ!」

神様のデュエル?何の話だ?だが、デュエルディスクを構えた時点で私の敵だ。しかもあろうことか賭けデュエルだと!?私も舐められたものだ…!

「北村ぁ…!」

「traveler」には死ぬ条件がある。単にデュエルで敗北するだけでは死なない場合もある。しかし、デュエルで相手の命や特殊能力を賭けて戦う場合そのデュエルで敗北すれば、死ぬ。そう、死ぬのだ。

「田宮あ!あんたで二人目だぜ!オレが殺す「traveler」はよお!デュエルはマスタールール3で、ライフポイントは8000とする!デュエルの時間だ!田宮、行方ぇえ!!」

「お前がどれだけの世界を渡って、どれほどの力を身に付けてきたかは知らんが大きな口を叩くようになったものだな…!だが、死にたいというのなら止めてやる義理はない…。さあ、葬儀の時間だ!」

瞬間、北村は自分のデッキから2枚のカードを取り出した。

「デュエル開始前にオレはデッキのこのカードを発動するぜ!勝利の証に重ねて、永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4を発動だ!」


勝利の証
通常魔法(オリジナルカード)
手札、デッキにあるこのカードを相手プレイヤーに見せることで自分はデュエルに勝利する。このカードはデッキに1枚しか入れることが出来ない。



永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.デュエル開始直前にデッキのこのカードを相手に見せることで、このカードを発動した状態でデュエルが始まる。この効果を使用した場合、自分はデッキ変更できず、このカードはフィールドを離れず、効果を無効にできない。このカードは他のフィールドカードと共存する。この効果を使用する場合、デッキの「勝利の証」をこのカードの下に置く。
1.「――――――――――」
2.「――――――――――」
3.「――――――――――」
4.「――――――――――」



「ワールドカード…。しかもVer.4だと…。」

私は「憩いの湖の世界」で戦った者の一人である白木(しらき) (つばさ)のことを思い出していた。奴もワールドカードのVer.4を使っていた。私のワールドカードは未だにVer.1。そして以前、何気なくブック・オブ・ザ・ワールドで見た時に北村が持っていたのは永遠の決闘(エターナル・デュエル)のVer.1だった。北村は自分のカードをここまで進化させたということか。

「お前も「憩いの湖の世界」に行ったのだったな。」

「あんたと入れ違いみたいになっちまったがな…。あんたもワールドカードがあるのなら使ったらどうだ?」

「…そうだな、使わせてもらおう。」

私はデッキから1枚のカードを取り出した。


行方不明な気分Ver.1
フィールド魔法(ワールドカード)
0.デュエル開始直前にデッキのこのカードを相手に見せることで、このカードを発動した状態でデュエルが始まる。この効果を使用した場合、自分はデッキ変更できず、このカードはフィールドを離れず、効果を無効にできない。このカードは他のフィールドカードと共存する。
1.エンドフェイズ時にターンプレイヤーは自分フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。



何となく使っておきたかった。そんな気分だった。ただ、私のワールドカードは相手もワールドカードを使うならほとんど意味を成さない。Ver.が増えれば別だろうが、そもそも私はこれのVer.の増やし方を知らない。後でブック・オブ・ザ・ワールドで調べてみるか…。


田宮行方 『田宮行方の』デッキ LP8000
北村賢治 『弱虫の意地』デッキ LP8000

田宮&北村「「デュエル!」」


「オレの先行!行くぜ!」

マスタールール3では先行ドローが禁止されている。北村はドローせずに5枚の手札の中から1枚のカードをペンデュラムゾーンに叩き付けた。

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―をペンデュラムゾーンにセット!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):「――――――――――」
(2):「――――――――――」



『グルギシャアアアアアアアアア!!!』

ペンデュラムゾーンに置かれたP・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―が奇声を発した。世界中に響くような甲高い声で、脳を奥まで引っ掻き回すような力強さで、騒音を辺り一帯に撒き散らした。

アマジャステリアの姿は化け物と呼ぶに相応しく、下半身は太った蛇の腹のよう。鱗の色は灰色で粘液のようなものが染み出している。上半身はミイラのように布でグルグル巻きにされた塊から何本もの枝のようなものが生えている。飛び出している枝の数は全部で十本あり、その全ての先にペンデュラムがぶら下がっていた。顔は特に何重にも布が巻かれているが、口の周りだけは布が破けていた。

「アマジャステリアがペンデュラムゾーンに置かれたことでペンデュラム効果発動!デッキからアマジャステリアを手札に加えさせてもらうぜ!」

北村はデッキから同じカードを取り出し、空いているペンデュラムゾーンに叩き付けた。瞬間、私は耳を塞いだ。予想通り2体目のアマジャステリアも大層不快な叫び声を撒き散らした。

「効果でオレは3枚目のアマジャステリアを手札に加える!」

北村は枚数の変わらない手札を一瞥してから私の方を見た。

「アマジャステリアはペンデュラムゾーンの場所によってスケールが変わるモンスターだ!左なら1、右なら10となる!」

「何っ?」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):「――――――――――」
(2):「――――――――――」



確かにアマジャステリアのペンデュラムスケールは1と10になっている。置く場所によって1枚で二つのペンデュラムスケールを使い分けられるのか。見たことのないモンスターだとは思っていたが、オリジナルカードじゃないか。「憩いの湖の世界」には、こんなカードがあったのか?それとも北村が作り出したのか?

「よってオレはレベル2から9のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ、神のペンデュラム!世界に響け、声無き叫び!ペンデュラム召喚!来い、オレのモンスター達!」

北村のフィールドに3体のモンスターが立ち並ぶ。2体は同名の通常モンスター。そして、最後の1体はたった今手札に加えた「神」。


ゴギガ・ガガギゴ
通常モンスター
星8/水属性/爬虫類族/攻2950/守2800
既に精神は崩壊し、肉体は更なるパワーを求めて暴走する。その姿にかつての面影はない…。



ゴギガ・ガガギゴ
通常モンスター
星8/水属性/爬虫類族/攻2950/守2800
既に精神は崩壊し、肉体は更なるパワーを求めて暴走する。その姿にかつての面影はない…。



P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):「――――――――――」
(2):「――――――――――」



「更にオレはカードを2枚伏せてターンエンド―――――!」

「この瞬間、私のワールドカードの効果が発動する。」


行方不明な気分Ver.1
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.エンドフェイズ時にターンプレイヤーは自分フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。



「残念だが「憩いの湖の世界」での戦いをオレは知っている!遅れはしたが、あの世界に行ったからなあ!オレが除外するのは永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4!しかし、ワールドカードはその初期能力によりフィールドを離れない!」

なるほど、知っていたか。

「そしてエンドフェイズ終了時に永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の3.の効果を発動!デッキからレベル4の通常モンスター、エンジェル・トランペッターを守備表示で特殊召喚!」


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.「――――――――――」
2.「――――――――――」
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.「――――――――――」



エンジェル・トランペッター
チューナー・通常モンスター
星4/地属性/植物族/攻1900/守1600
天使の様な美しい花。絶えず侵入者を惑わす霧を生み出し、聖なる獣たちが住まう森の最深部へ立ち入ることを許さない。



ふむ…。各プレイヤーはデッキの通常モンスターを呼び寄せることが出来るのか。

「田宮ぁ…!オレは勝つぞぉお!あんたに必ず勝って見せるぞぉお!!」



1ターン目終了
北村賢治 LP8000
デッキ:50枚

エクストラデッキ:15枚

手札:0枚

モンスター:ゴギガ・ガガギゴ(攻2950)、ゴギガ・ガガギゴ(攻2950)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(攻0)、エンジェル・トランペッター(守1600)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、伏せカード×2

墓地:なし

除外:なし



田宮行方 LP8000
デッキ:34枚

エクストラデッキ:15枚

手札:5枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1

墓地:なし

除外:なし




「私のターン。」

私がカードをドローしようとデッキに手をかけた瞬間、けたたましい警報の音がデュエルディスクから鳴り響いた。

「っ!」

慌てて手を引っ込めたが疑問が浮かぶ。何故ドロー出来ない?だが、すぐに答えは見つかった。私は北村のフィールドに存在するフィールド魔法を見た。

「それか。」

「当たりだぜ、田宮。あんたは永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の4.の効果によって、それ以上ドロー出来ない!」


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.「――――――――――」
2.「――――――――――」
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.「(相手のドローを封じる?)」



なるほど、厄介な効果だ。だがドロー出来ないことぐらい、どうということはない。

「私は次元の旅行者を召喚し、リリースして効果発動。」


次元の旅行者 闇属性/星1/攻0/守0
【戦士族・デッキワン】
田宮行方の使用するデッキにのみ入れることが出来る。このカードをリリースすることで、メインデッキ、またはエクストラデッキからモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。自分のメインフェイズに、手札を1枚捨てることで墓地からこのカードを手札に加えることができる。



「その効果で召喚するのは…こいつだ!」


光の神-サンネリア 神属性/星12/攻5000/守5000
【神族・ゴッドシンクロ/効果】
「GT-希望の精霊」+レベル10のシンクロモンスター
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けない。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は攻撃することが出来ない。
このカードの守備力は自分のデッキにあるカード1枚につき500ポイント上がる。
このカードをリリースすることで、自分のデッキに存在するカード1枚につき、相手に600ポイントのダメージを与える。この効果は無効にされず、ダメージを0にすることもできない。



気持ちが逆立つ。私は苛立っているのか…。そうだ、私は苛立っているのだ…!このデュエルを最速で終わらせたい程に!

「効果発動…!光の神-サンネリアをリリースして、20400のダメージをお前に与える!」

瞬間、光の神はこの世のものとは思えないほどの神々しい輝きを放った。そして、大爆発と共にフィールドから消えた。

「ぐあああああああああ!!!」

その爆発に巻き込まれた北村は、叫び声を上げながら空高く打ち上げられ、そして鈍い音と共に地面に落ちた。

「がはっ!!!!」

北村LP8000→0

勝負は決した。つまらんデュエルだった…。風の噂で北村の活躍を聞いていただけに、どれほど腕を上げたのか少し楽しみにしていたからだろうか。こちらのドローを封じつつ、自身はペンデュラム召喚でモンスターを大量展開する…。その程度の戦術で私に勝つ気でいたのかと思うと腹立たしくなってくる…!
…そういう私もつまらない勝ち方をした。1枚のカードで有無も言わせず瞬殺する勝ち方。最初の世界で高尾を返り討ちにした時と何も変わっていない…。胸の奥にモヤモヤとした気持ちが広がる…。






































「まだだ…。」

ん?

「まだ…まだだ…!」

その言葉と共にボロ雑巾のような姿の北村が立ち上がった。

ゴギガ・ガガギゴ(除外)
ゴギガ・ガガギゴ(除外)
エンジェル・トランペッター(除外)
北村LP0→300

「…何っ?」

「オレは永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の2.の効果を発動した!」


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.「――――――――――」
2.ライフポイントが0になったプレイヤーのフィールド上に通常モンスターがいる場合、そのプレイヤーのフィールド上の通常モンスターを全て除外して敗北を無効にし、そのプレイヤーのライフポイントを除外したモンスターの数×100にする。
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.「(相手のドローを封じる?)」



「さあ、田宮…!まだ、あんたのターンだぜ…!オレはまだ負けちゃいねえんだからなあ!」

「なるほど、通常モンスターが残っていればいくらでもコンティニュー出来るのか。通常モンスターを多く使うお前ならではのカードだな。」

北村のフィールドには攻撃力0のモンスターが1体、ライフは300で伏せカードは2枚、か。ならば次の一手はこれだ。

「私は二重召喚(デュアルサモン)を発動する。」


二重召喚(デュアルサモン)
通常魔法
このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。



「それでまたモンスターが呼べるって訳か。」

手札を1枚捨てれば次元の旅行者を回収出来る。そのまま再召喚してリリースすれば新たな神を呼べるが、それをする気分ではないな。
通常モンスターでサンネリアの大爆発から生き延びる、か…。少しは楽しめそうだ。

「呼び出すのはゴブリンドバーグだ。」


ゴブリンドバーグ
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1400/守 0
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動した場合、このカードは守備表示になる。



「当然、効果発動。手札から聖鳥クレインを特殊召喚。」


聖鳥クレイン
効果モンスター
星4/光属性/鳥獣族/攻1600/守 400
このカードが特殊召喚した時、このカードのコントローラーはカードを1枚ドローする。



飛行機に乗ったゴブリンが現われ、コンテナを地上に投下する。そのコンテナの中から美しい羽根を広げる聖鳥クレインが姿を見せた。

「クレインの効果で1枚ドロー。ゴブリンドバーグは守備表示になるが…。」

関係ないな。

「レベル4が2体…!」

「やはりエクシーズ使いは気が付くのが早いな。私はレベル4のゴブリンとクレインでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚。励輝士 ヴェルズビュートの登場だ。」

2体のモンスターが光となって渦の中に飲み込まれる。そして、爆発の中から白きマントに身を包む赤き目の悪魔が現れる。


励輝士 ヴェルズビュート
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/悪魔族/攻1900/守 0
レベル4モンスター×2
(1):自分メインフェイズまたは相手バトルフェイズに、相手の手札・フィールドのカードを合計した数が自分の手札・フィールドのカードを合計した数より多い場合、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。



「げー!ヴェルズビュート!」

「エクシーズは通常モンスターと共にお前の得意とするモンスター群だったな。当然、その効果はよく知っているだろう。」

ヴェルズビュートの効果を発動しても互いのワールドカードは共通効果によってフィールドを離れない。よって破壊されるのは北村のモンスターと伏せカードのみ。

「現在、お前のフィールドと手札の合計は6枚、私の合計は4枚。よってヴェルズビュートの効果が発動出来る。オーバーレイユニットを1つ取り除いて、このカード以外のフィールド上の全てのカードを破壊する!」

「おおっと!伏せていた非常食を発動するぜ!伏せていた死者蘇生を墓地に送り1000ポイント回復する!ペンデュラムゾーンのアマジャステリアは墓地に送れないから対象外だがな…。」

「フィールド上のカード枚数が変化したか…。だがヴェルズビュートの効果は既に発動している。よって有効!フィールド上のアマジャステリア3体を破壊!」

「ぐううううう!!」

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(破壊)

『キジャアアアアアアアァァァアアアア!!!』

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(破壊)

『ギュギャアアアアアアァァァアアアア!!!』

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(破壊)

『グルガジャアアアアアァァァアアアア!!!』

モンスターゾーンからもペンデュラムゾーンからもアマジャステリアが消え去った。凄まじく不快な声を撒き散らしながら。どんな効果を持っていたかは知らないが破壊耐性はなかったようだな。しかし伏せカードは非常食と死者蘇生だったか。罠カードなし、か…。


非常食
速攻魔法
(1):このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。



死者蘇生
通常魔法
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。



死者蘇生はマスタールール下ならば普通は伏せずに手札にもっておくべきカードだ。だが、奴の持っている永遠の決闘(エターナル・デュエル)はVer.1の時、直接攻撃のダメージを大幅に減らす効果があったはず。Ver.4の復活効果によってライフポイントがギリギリの状況になってからの1000ポイント回復はダメージ軽減効果と相まってかなり大きい。なるほど、やるじゃないか。私のターンでライフが0になることを想定していたのか。…もしかするとサンネリアを出すことが読まれていた、か?

「ヴェルズビュートが効果を発動したターン、相手が受けるダメージは全て0になる。よって、攻撃は行わない。カードを1枚伏せてターンエンドだ。行方不明な気分の効果は自身を選択することで実質効果を受けない。それから、私は永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の3.の効果を発動する。」

「なっ!?」


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.「――――――――――」
2.ライフポイントが0になったプレイヤーのフィールド上に通常モンスターがいる場合、そのプレイヤーのフィールド上の通常モンスターを全て除外して敗北を無効にし、そのプレイヤーのライフポイントを除外したモンスターの数×100にする。
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.「(相手のドローを封じる?)」



「ワールドカードは互いのプレイヤーに影響を及ぼすのが基本のカードだ。利用されないとでも思っていたか?それとも私が通常モンスターをデッキに入れていることの方が意外だったか?」

北村は何も言わなかった。
通常モンスターを入れたくなる、そんな気分の時もある。特に、お前との戦いとなるとな。

「私が特殊召喚するのはドラコニアの海竜騎兵だ。」


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



「さあ、お前のターンだぞ。北村。」



2ターン目終了
北村賢治 LP1300
デッキ:50枚

エクストラデッキ:18枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―×3)

手札:0枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4

墓地:非常食、死者蘇生

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター



田宮行方 LP8000
デッキ:32枚

エクストラデッキ:13枚

手札:1枚

モンスター:励輝士 ヴェルズビュート(攻1900)(ユニット1つ)、ドラコニアの海竜騎兵(守2100)

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×1

墓地:次元の旅行者、光の神-サンネリア、二重召喚、聖鳥クレイン

除外:なし




「オレのターン!この瞬間、永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の効果でカードを5枚ドローする!」

「何っ!?」

私は思わず、大きな声を出してしまった。


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.「(カードを5枚ドローする?)」
2.ライフポイントが0になったプレイヤーのフィールド上に通常モンスターがいる場合、そのプレイヤーのフィールド上の通常モンスターを全て除外して敗北を無効にし、そのプレイヤーのライフポイントを除外したモンスターの数×100にする。
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.「(相手のドローを封じる?)」



おかしい…。以前ブック・オブ・ザ・ワールドであいつの活躍を読んだ時、北村の永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.1の1.の効果は確か…。


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.1
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.お互いのプレイヤーがモンスターの直接攻撃によって受ける戦闘ダメージが1000ポイントを超えた場合、受けるダメージは1000ポイントになる。



そうだ、1.の効果はダメージに関するものだったはずだ。Ver.の数値が変化したことで効果も変わったのか?いや…待てよ…。先ほど、私がカードをドロー出来なかったこと。今、北村が5枚のカードを引いたこと。そしてワールドカードはお互いのプレイヤーに影響を与えるのが基本であること。これらから導き出される結論は…。

「どうした、田宮。考え事か?まあ、驚くよな。いきなり相手の手札が5枚も増えるんだからな。だが、驚くのはここからだ!エクストラデッキのアマジャステリアの効果発動!手札を1枚捨てることで、このカードをペンデュラムゾーンに置ける!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):「――――――――――」
(2):手札を1枚捨てることで、エクストラデッキにあるこのカードを自分の空いているペンデュラムゾーンに置くことができる。



なるほど…。あっさりと破壊されたのはそういうことか。破壊されても破壊されても復活する。ペンデュラムの特徴を体現したような効果だな。

「オレは魔轟神獣ケルベラルを墓地に捨てて、アマジャステリアをペンデュラムゾーンに復活させる!」

私が耳を塞いだ瞬間にアマジャステリアの不快な叫び声が響き渡る。脳を揺らし、胸の奥をかき乱すような大音量にも少しずつ慣れてきた。

「そして、今捨てた魔轟神獣ケルベラルを自身の効果で特殊召喚する!」


魔轟神獣ケルベラル
チューナー(効果モンスター)
星2/光属性/獣族/攻1000/守 400
このカードが手札から墓地へ捨てられた時、このカードを墓地から特殊召喚する。



「まだだ!ペンデュラムゾーンに置かれたことでアマジャステリアのペンデュラム効果発動!デッキからP・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―を手札に加える!」

また私の知らないカードが1枚…。

「そして、ココリコ・ココリスを捨てて2枚目のアマジャステリアの効果発動!エクストラデッキからアマジャステリアをペンデュラムゾーンへ!そして、デッキからココリコ・ココリスを手札に加える!」

そしてアマジャステリアは爆音波を放つ。当然、耳を塞ぐ準備は出来ていた。

「さあ、ペンデュラムゾーンにアマジャステリアが2体とも還ってきたぜ!ペンデュラムスケールは1と10!揺れろ、神のペンデュラム!世界に響け、声無き声!ペンデュラム召喚!現れろ、ココリコ・ココリス!ギガ・ガガギゴ達!そしてペンデュラムゾーンから戻って来い、アマジャステリア!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻300/守300
【Pスケール:青3/赤3】
(1):「――――――――――」
【モンスター効果】
(1):「――――――――――」
(2):「――――――――――」



ギガ・ガガギゴ
通常モンスター
星5/水属性/爬虫類族/攻2450/守1500
強大な悪に立ち向かうため、様々な肉体改造をほどこした結果
恐るべきパワーを手に入れたが、その代償として正義の心を失ってしまった。



ギガ・ガガギゴ
通常モンスター
星5/水属性/爬虫類族/攻2450/守1500
強大な悪に立ち向かうため、様々な肉体改造をほどこした結果
恐るべきパワーを手に入れたが、その代償として正義の心を失ってしまった。



P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):「――――――――――」
(2):手札を1枚捨てることで、エクストラデッキにあるこのカードを自分の空いているペンデュラムゾーンに置くことができる。



北村のフィールドに合計5体のモンスターが並ぶ。そして―――――。

『ギュギャガガガッガガアアアアアアア!!!』

いつものアマジャステリアの叫び声。に加えて―――――。

『アー!アー!アー!ア、アアアアアアアー!』

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―も音の外れたラッパを吹き鳴らしたかのような声で泣き喚いた。ココリコ・ココリスの姿は逆さ吊りにされた巨鳥。目もまた巨大でカメレオンのような形をしていてギョロギョロ動く。黒く大きな羽根は逆さま故に地面の方にダランと下がっていて、その先っぽから三本のペンデュラムが垂れ下がっていた。何なんだ、こいつらは。

「そしてオレはカードを2枚伏せる。…行くぜ、田宮!レベル3のココリコ・ココリスにレベル2の魔轟神獣ケルベラルをチューニング!」

チューナーが出た時点で分かってはいたが、北村はシンクロ召喚も自分のデッキに組み込んだのか。奴のデッキは確実に進化している。最初の世界を旅立ってから、確実に。

「空の獣と地の獣交わりて光の悪魔を呼び寄せよ!シンクロ召喚!魔轟神レイジオン!」


魔轟神レイジオン
シンクロ・効果モンスター
星5/光属性/悪魔族/攻2300/守1800
「魔轟神」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分の手札が1枚以下の場合、このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分の手札が2枚になるまでデッキからカードをドローできる。



「レイジオンの効果でオレはカードを2枚ドローする!更にココリコ・ココリスのモンスター効果発動!フィールドを離れる時、自分のライフを300回復し、相手に300ポイントのダメージを与えるぜ!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻300/守300
【Pスケール:青3/赤3】
(1):「――――――――――」
【モンスター効果】
(1):このカードがフィールドを離れた時、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分は300ライフポイント回復する。
(2):「――――――――――」



『アー!アー!アー!』

五月蝿い鳥、ココリコ・ココリスの叫び声と共に互いのライフが変動した。

田宮行方 LP8000→7700
北村賢治 LP1300→1600

微々たる数値だがペンデュラムモンスターであることと絡めて、確実にアドバンテージを稼いでくるモンスターだな。

「そして、レイジオンが特殊召喚されたことによりフィールドにレベル5のモンスターが3体揃った!」

「まさか…!」

「さっきはまんまと先越されちまったが、オレもエクシーズ召喚するぜ!オレはレベル5のギガ・ガガギゴ2体と魔轟神レイジオンでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ、全てを破壊する重機の王!その巨体で寄せ来る敵を薙ぎ払え!重機王、ドボク・ザああぁぁああーク!!!」

北村の3体のモンスターが光に変わり、巨大な渦の中に吸い込まれて爆発を引き起こす。そして、その中から出てきたのは名前に相応しい巨大な重機のモンスターだった。


重機王ドボク・ザーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/地属性/機械族/攻3200/守2000
レベル5モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。この効果で墓地へ送ったカードの中にモンスターカードがあった場合、その数まで相手フィールド上のカードを破壊する。



「バトルフェイズに突入したらヴェルズビュートの効果が飛んでくる、だから先に潰しておくぜ!ドボク・ザークの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る!マウンテンクラッシャー!」

巨大な重機が私のデッキを削り取る。捨てられたカードは―――――。


神龍-アース・ドラゴン
★3 地・ドラゴン族/効果 ATK1500/DEF500
このカードが相手モンスターに攻撃する場合、攻撃対象モンスターの攻撃力を半分にする。



神龍-ヘル・ドラゴン
★3 闇・ドラゴン族/効果 ATK1300/DEF700
フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードはカードの効果では破壊されない。



神龍-ヘヴン・ドラゴン
★3 光・ドラゴン族/効果 ATK1000/DEF1000
このカードが戦闘を行う事によって受けるコントローラーの戦闘ダメージは無効になり、その数値分ライフポイントを回復する。



「よし!3枚ともモンスターカード!よって、あんたのフィールド上のカードを3枚破壊する!破壊するのは当然ヴェルズビュート、海竜騎兵、そして伏せカードだ!」

励輝士 ヴェルズビュート(破壊)
ドラコニアの海竜騎兵(破壊)
伏せカード(ガード・ブロック)(破壊)

「なるほど、ガードしつつドローを狙ってたんだな。だが、ガード・ブロックはフリーチェーンじゃねえから発動出来ねえ。これであんたのフィールドはがら空きだ!行くぞ!重機王ドボク・ザークの攻撃!アルティメット・バケットホイール!」

「攻撃力3200か…。だが!」

私はドボク・ザークの攻撃を真正面から受け止めた。多少、後ろに押し出されたが思ったほどの衝撃ではない。

田宮行方 LP7700→6700

「お前の永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の1.の効果だ。モンスターの直接攻撃による1000を超えるダメージは1000になる。」


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.お互いのプレイヤーがモンスターの直接攻撃によって受ける戦闘ダメージが1000ポイントを超えた場合、受けるダメージは1000ポイントになる。
2.ライフポイントが0になったプレイヤーのフィールド上に通常モンスターがいる場合、そのプレイヤーのフィールド上の通常モンスターを全て除外して敗北を無効にし、そのプレイヤーのライフポイントを除外したモンスターの数×100にする。
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.「(相手のドローを封じる?)」



「そうか、知ってたんだな…。」

「まあ、な。」

以前、何気なく広げたブック・オブ・ザ・ワールドで奴がワールドカードを持っていることを知った。そして、見た時はVer.1ではあったが、その効果も読んでいた。間違いない、ワールドカードはVerが増えても効果が追加されるだけで以前の効果は変わらない。ということは、やはり永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の4.の効果の正体は…。おっと、その前にやるべきことをやっておくか。

「更に戦闘ダメージを受けたことで私は手札からトラゴエディアを守備表示で特殊召喚する。」


トラゴエディア
効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
(1):自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×600アップする。
(3):1ターンに1度、手札からモンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターと同じレベルの相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その表側表示モンスターのコントロールを得る。
(4):1ターンに1度、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。このカードのレベルはターン終了時までそのモンスターと同じになる。



トラゴエディアはいくつかの平行世界が存在する「遊戯王GXの世界」におけるラスボスの1体である。あの世界では人間に乗り移っていたためにカードとしては登場しなかったが、遊戯王の精霊達は精霊界では実体であるが現実世界ではカードである点を踏まえれば、トラゴエディアもまたカードとなったものが存在するのは自明である。このカード自体は「憩いの湖の世界」で手に入れていたんだったかな。

「ちっ…新手か…。だが、オレのバトルフェイズまだ終了してないぜ!アマジャステリアで攻撃!」

「攻撃力0のモンスターで攻撃だと?」

確かに今のトラゴエディアの守備力は0だが…。何かあるな。

「そうさ。アマジャステリアの攻撃力は0…。今はな!」

北村は目を大きく見開き、高らかに叫んだ。

「アマジャステリアの効果発動!このカードが戦闘を行う場合、エクストラデッキのペンデュラムモンスター1体を選択し、その攻撃力の数値分、このカードの攻撃力をアップする!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘を行う場合、エクストラデッキのペンデュラムモンスター1体を選択して発動できる。このカードの攻撃力は選択したモンスターの攻撃力分アップする。
(2):手札を1枚捨てることで、エクストラデッキにあるこのカードを自分の空いているペンデュラムゾーンに置くことができる。



エクストラデッキのモンスターの攻撃力を追加するだと…!?

「オレが選択するペンデュラムモンスターは…!」

北村はエクストラデッキから1枚のカードを取り出し、高らかに掲げた。

「覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!」


覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン
エクシーズ・ペンデュラム・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
【Pスケール:青4/赤4】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。
【モンスター効果】
ドラゴン族レベル7モンスター×2
レベル7がP召喚可能な場合にエクストラデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。
(1):このカードがXモンスターを素材としてX召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドのレベル7以下のモンスターを全て破壊し、破壊した数×1000ダメージを相手に与える。このターンこのカードは1度のバトルフェイズ中に3回攻撃できる。
(2):モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。自分のPゾーンのカードを全て破壊し、このカードを自分のPゾーンに置く。



「さあ、アマジャステリアよ!その力を取り込め!」

『ギュルギャジャアアアア!!!』

アマジャステリアは叫び、大きく口を開け、ソリットヴィジョンの覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを食い千切った。

「ああああああぁぁぁぁぁああああ!!」

瞬間、北村の体が闇の瘴気に包まれる。血管が膨れ上がり、尖がった髪の毛は更に逆立ち、目は血走り大きく見開かれる。

「来た来た来た来たああああ!!これが力!これが力だ!うおおおおおおおお!!」

叫び声と共にアマジャステリアの攻撃力が跳ね上がった。

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア― 攻0→3000

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンは「遊戯王ARC-Vの世界」でのキーカードの1枚だ。人間の戦闘に対する飽くなき欲求と破壊衝動の権化である覇王龍ズァークの分身であるこのカードは持ち主の意識を塗り潰し、全てを破壊する殲滅者にしてしまう。北村は既に覇王の力に飲み込まれているのか…?いや…違う…。

「ひゃははははははは!!これが力!これが力なんだ!何て素晴らしいんだ!力さえあれば何でも出来る!どんな願いでも叶えられる!守るべき約束も果たせる!最強なる者こそが全てを手に入れることが出来るんだあ!」

『ギャジャジャジャアアアアアアア!』

むしろアマジャステリアの方が北村に大きな影響を与えているような…。

「さあ、アマジャステリアよ!トラゴエディアを破壊せよ!」

『ガジャジャアアア!!!』

ちっ…!
私は舌打ちしながら体に力を入れた。瞬間、アマジャステリアは自分の体から出ている十本の枝のようなものを振り回して、トラゴエディアごと私を吹き飛ばした。だが私は「………検定3級!?」の世界で手に入れた坂本デェルの科学力によって攻撃を防御し、着地の際のダメージも防いだ。……あの世界の名前は意地でも言わん。例え心の中だろうともな。

トラゴエディア(破壊)

「オレはカードを2枚伏せてターンエンド!この瞬間、永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の3.の効果でデッキからエンジェル・トランペッターを特殊召喚する!さあ、田宮!あんたのターンだ!」

北村は闇の瘴気を纏いながら私にターンを回した。



3ターン目終了
北村賢治 LP1600
デッキ:40枚

エクストラデッキ:14枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを含む)

手札:0枚

モンスター:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(攻3000)、重機王ドボク・ザーク(攻3200)(ユニット2つ)、エンジェル・トランペッター(守1600)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、伏せカード×4

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔轟神レイジオン

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター



田宮行方 LP6700
デッキ:29枚

エクストラデッキ:14枚(ドラコニアの海竜騎兵を含む)

手札:0枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1

墓地:次元の旅行者、光の神-サンネリア、二重召喚、聖鳥クレイン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、励輝士 ヴェルズビュート、ゴブリンドバーグ、ガード・ブロック、トラゴエディア

除外:なし




「私のターン。」

北村のフィールドにはモンスターが3体と伏せカードが4枚。一方の私のフィールドにはワールドカードのみで手札も0枚。だが…。

「私はカードを5枚ドローする。」

「!!」

私は勢いよく5枚のカードをデッキから引いた。デュエルディスクからの警告音はなかった。

「やはりか…。北村、お前の永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の4.の効果、使わせてもらったぞ。」

「もう気付いたのか…!?」

「お前がいくつもヒントをくれたからな。永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の効果はワールドカードの共通効果を除けば四つ。その内、三つの効果はデュエル中に判明した。だが、お前は私がドロー出来なかった時も、自分がカードを5枚ドローした時も永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の効果だと言った。つまり、私のドロー封じとお前の手札増強、この二つが同じ効果だということだ。そしてワールドカードは互いのプレイヤーに影響を及ぼすのが基本。あの時、ドローフェイズ終了時に私とお前で同じだったのは―――――手札の枚数だ!」

「!!」


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.(省略)
1.お互いのプレイヤーがモンスターの直接攻撃によって受ける戦闘ダメージが1000ポイントを超えた場合、受けるダメージは1000ポイントになる。
2.ライフポイントが0になったプレイヤーのフィールド上に通常モンスターがいる場合、そのプレイヤーのフィールド上の通常モンスターを全て除外して敗北を無効にし、そのプレイヤーのライフポイントを除外したモンスターの数×100にする。
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.ドローフェイズ時、ターンプレイヤーは手札が4枚以下の場合は手札が5枚になるまでドローできる。手札が5枚以上の場合はドローできない。



「はは…。ははは…。ははははは!!」

北村は額に手を当てて大声で笑った。

「どうせバレるとは思っていたが、流石に早いな…。だが、構わねえ。そいつは餞別なんだからな。」

「餞別…?」

「手札が少なくちゃ、満足なデュエルが出来ないだろうが!」

「言ってくれる…!」

私は5枚になった手札を一瞥した。

「後悔するなよ…。まずは露払いだ。私は大嵐を発動する。」


大嵐
通常魔法
フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。



「っ!!させるかよ!カウンター罠、魔宮の賄賂を発動し大嵐の効果を無効にして破壊する!」


魔宮の賄賂
カウンター罠
(1):相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。相手はデッキから1枚ドローする。



「無効にされた分、私は1枚ドローする。…残念だったな、北村。裏目に出たぞ。」

「何ぃ?」

「私が引いたのはハーピィの羽根帚だ。」


ハーピィの羽根帚
通常魔法
(1):相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。



「っ!!」

「当然、発動する。」

「させねえ!カウンター罠、マジック・ドレインを発動だ!」


マジック・ドレイン
カウンター罠
相手が魔法カードを発動した時に発動する事ができる。相手は手札から魔法カード1枚を捨ててこのカードの効果を無効にする事ができる。捨てなかった場合、相手の魔法カードの発動を無効にし破壊する。



「さあ、選べよ田宮。手札に魔法カードがあるか?」

私は4枚の手札に目をやった。モンスターカードが3枚あり、魔法カードは1枚だけ。この魔法カードを捨てればハーピィの羽根帚は通るが、そもそもこの手札の魔法カードを安全に通すためにハーピィの羽根箒を発動したのだ。ここでこれを失うのは本末転倒だな。
最も次元の旅行者を使えば、この魔法カードなしでもあの龍を呼び出せる、が…「憩いの湖の世界」でのデュエルでは召喚した次元の旅行者を罠で除去されてしまった。先ほどもサンネリアを呼び出したはいいが結局のところ復活されてしまった。次元の旅行者はいざという時の保険と考えておいた方が良さそうだ。
それに今のやり取りで北村の伏せカード4枚の内、2枚の正体が分かった。北村が永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の4.効果の恩恵を最大限受けるために無理やり伏せたカード群だ。残りが罠である可能性は高くないから除去せずともこの魔法カードを通せそうだ。当然それでも警戒は怠るべきではない。が、私が呼び出すのは大概の罠カードなどものともしない究極の龍だ。それにいざという時には次元の旅行者がある。

「捨てない。マジック・ドレインの効果は通す。」

魔力を奪われてハーピィの羽根帚はただの羽根になってしまったが仕方がない。気を取り直していこう。気を取り直して究極の龍を北村に拝ませてやろう。

「私は神龍-ハリケーン・ドラゴンを通常召喚。その効果で2枚ドローし1枚捨てる。」


神龍-ハリケーン・ドラゴン
★3 風・ドラゴン族/効果 ATK1200/DEF800
このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからカードを2枚ドローし、その後手札からカードを1枚捨てる。



「この効果で捨てるのは神龍-ブリザード・ドラゴンだ。」


神龍-ブリザード・ドラゴン
★3 水・ドラゴン族/効果 ATK1400/DEF600
このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。



「更に墓地の次元の旅行者の効果発動。手札を1枚捨ててこのカードを手札に加える。」


次元の旅行者 闇属性/星1/攻0/守0
【戦士族・デッキワン】
田宮行方の使用するデッキにのみ入れることが出来る。このカードをリリースすることで、メインデッキ、またはエクストラデッキからモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。自分のメインフェイズに、手札を1枚捨てることで墓地からこのカードを手札に加えることができる。



「私が捨てるのは神龍-バーニング・ドラゴン。」


神龍-バーニング・ドラゴン
★3 炎・ドラゴン族/効果 ATK1600/DEF400
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、そのモンスターの守備力は0になる。



懐かしいな。最初に到着した世界――「HappyFlowerの世界」――のカード群、神龍オリカ。そして、これから登場するのは、それらを束ねる究極の存在。

「これで準備は整った。私は魔法カード、究極神龍誕生を発動する。」


究極神龍誕生
通常魔法
自分フィールド上に存在する「神龍」と名のついたモンスター1体を生け贄に捧げる。自分の墓地に存在する「神龍-ブリザード・ドラゴン」「神龍-バーニング・ドラゴン」「神龍-ハリケーン・ドラゴン」「神龍-アース・ドラゴン」「神龍-ヘヴン・ドラゴン」「神龍-ヘル・ドラゴン」全てをゲームから除外し、召喚条件を無視して融合デッキから「究極神龍」1体を特殊召喚する。



「フィールドに存在する神龍-ハリケーン・ドラゴンを生け贄に捧げる。これにより墓地に六種類の神龍が揃った。出でよ、神の龍達を束ねし究極の存在!究極神龍、召喚!」

6体のドラゴンが墓地より飛び出し、一つの塊へと交じり合う。そして眩い光と共に現れた巨大な龍が大気を震わせる咆哮を放つ。


究極神龍
★12 光・ドラゴン族/融合 ATK5000/DEF5000
「神龍-ブリザード・ドラゴン」+「神龍-バーニング・ドラゴン」+「神龍-ハリケーン・ドラゴン」+「神龍-アース・ドラゴン」+「神龍-ヘヴン・ドラゴン」+「神龍-ヘル・ドラゴン」
自分フィールド上に存在する上記のカードを墓地に送った場合のみ、融合デッキから融合召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない。この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。このカードは相手のカードの効果を受けない。



「くっ…攻撃力5000だと…!?」


究極神龍は相手のカードの効果を受けない。もし、北村の残りの2枚のカードが攻撃反応系の罠だったとしても究極神龍相手に通用する罠は少ない。ここは攻撃だな。
問題はどれに攻撃するか。奴のフィールドにはモンスターが3体。攻撃力3000のアマジャステリア、3200のドボク・ザーク、そして守備表示のエンジェル・トランペッター。
攻撃表示の中で攻撃力が一番低いアマジャステリアに攻撃しようものなら奴の効果が発動して攻撃力が6000になって返り討ちに遭う。アマジャステリアの攻撃力上昇効果は永続だからな。
かと言ってドボク・ザークに攻撃して北村のライフを0にしても通常モンスターのエンジェル・トランペッターがいる限り、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果でライフが100となって復活する。
だが、ハリケーン・ドラゴンが持ってきたこのカードを使えば…。

「私は手札よりメテオ・ストライク発動し、究極神龍に装備する。究極神龍が受けないのは相手のカード効果のみだからな。」


メテオ・ストライク
装備魔法
装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。



「げっ!」

これでエンジェル・トランペッターに対する攻撃が通れば私の勝ちだが…。

「バトルだ。貫通効果を得た究極神龍でエンジェル・トランペッターを攻撃!」

「させるかよ!速攻魔法サイクロンを発動!メテオ・ストライクを破壊するぜ!」


サイクロン
速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。



メテオ・ストライク(破壊)

流石に通さないか。

「こんなところで簡単に終われるかよ!」

それでも究極神龍の攻撃自体は止まらない。巨大な龍が咆哮と共にブレスを放つ。その一撃は大爆発を引き起こし、エンジェル・トランペッターを消滅させた。

エンジェル・トランペッター(破壊)

「私はカードを1枚伏せてターンエンド。この瞬間、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果でデッキからドラコニアの獣竜騎兵を守備表示で特殊召喚。」


ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



「さあ、北村。お前のターンだ。」



4ターン目終了
北村賢治 LP1600
デッキ:40枚

エクストラデッキ:14枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを含む)

手札:0枚

モンスター:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(攻3000)、重機王ドボク・ザーク(攻3200)(ユニット2つ)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、伏せカード×1

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔轟神レイジオン、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター



田宮行方 LP6700
デッキ:20枚

エクストラデッキ:13枚(ドラコニアの海竜騎兵を含む)

手札:1枚(次元の旅行者)

モンスター:究極神龍(攻5000)、ドラコニアの獣竜騎兵(守200)

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×1

墓地:光の神-サンネリア、二重召喚、聖鳥クレイン、励輝士 ヴェルズビュート、ゴブリンドバーグ、ガード・ブロック、トラゴエディア、大嵐、ハーピィの羽根帚、究極神龍誕生、メテオ・ストライク

除外:神龍-ブリザード・ドラゴン、神龍-バーニング・ドラゴン、神龍-ハリケーン・ドラゴン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン




「オレのターン!永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果で5枚ドロー!まずはドボク・ザークの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使って、あんたのデッキを3枚墓地に送る!そして、その中にあるモンスターの数だけ、あんたのカード破壊する!マウンテンクラッシャー!」


重機王ドボク・ザーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/地属性/機械族/攻3200/守2000
レベル5モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。この効果で墓地へ送ったカードの中にモンスターカードがあった場合、その数まで相手フィールド上のカードを破壊する。



巨大な重機がまたしても私のデッキを削る。墓地に落ちたのは――――。


リビングデッド・ドロー
通常罠
このカードが墓地へ送られた時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。この効果を発動したターンのエンドフェイズ時、相手はカードを1枚ドローする。



ネクロ・ガードナー
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。



儀式魔人リリーサー
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守2000
(1):儀式召喚を行う場合、その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、墓地のこのカードを除外できる。
(2):このカードを使用して儀式召喚したプレイヤーから見て相手は、儀式召喚したそのモンスターがモンスターゾーンに表側表示で存在する限り、モンスターを特殊召喚できない。



「いいカードを葬ってくれてありがとう。」

私の皮肉に対して北村は悔しそうな顔を浮かべた。

「ちっ!だが、モンスターカードは2枚出た!よって、あんたの伏せカードと獣竜騎兵は破壊だ!」

巨大な重機が私のモンスターと伏せカードを踏み潰していく。

「甘いぞ、北村。破壊することがいいことばかりとは限らん。伏せカードは…仕込み爆弾だ!」


仕込み爆弾
通常罠
(1):相手フィールドのカードの数×300ダメージを相手に与える。
(2):フィールドのこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動する。相手に1000ダメージを与える。



「げっ!」

「チェーン発動し、両方の効果ダメージをお前に与える!」

北村のフィールドのカードは6枚。よって第一の効果だけでも奴のライフを削り切れる。永遠の決闘(エターナル・デュエル)のダメージ軽減効果は直接攻撃の時だけだからな。だが、北村の伏せカードがフリーチェーンの罠か速攻魔法ならば、発動されればフィールド上のカードは5枚となり、奴のライフが100残る。
ドボク・ザークの効果で破壊されれば第二の効果が使えるが、そうなればラッキーぐらいに考えていた。本命の発動タイミングはペンデュラム召喚でモンスターを大量に召喚した時だったが手間が省けたな。

「6×300+1000で2800のダメージだ。沈め。」

「させるかあ!オレは手札からハネワタを捨てる!これで効果ダメージは0、だあ!」


ハネワタ
チューナー(効果モンスター)
星1/光属性/天使族/攻 200/守 300
このカードを手札から捨てて発動できる。このターン自分が受ける効果ダメージを0にする。この効果は相手ターンでも発動できる。



爆発のダメージをハネワタがバリアを張って全て防いだ。

「ふう…。」

北村は額の汗を拭った。
これも交わすか…。決着が少し先になったな。

「私はリビングデッド・ドローの効果で1枚ドロー。」

引いたカードはバトルフェーダーだった。


バトルフェーダー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。



「さて、と…。田宮、ワールドカードはフィールドから決して離れないカードだ。」

「何だ、今更。」

「なぁに…相性のいいカードがあるって話だよ。オレは伏せていた小人のいたずらを発動する!」


小人のいたずら
通常罠
(1):このターン、お互いの手札のモンスターのレベルを1つ下げる。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、お互いの手札のモンスターのレベルを1つ下げる。



たくさんの小人が飛び出して、北村と私の手札のモンスターのレベルを一つ下げた。尤も、効果はこのターンのみの上に私のモンスターには特に恩恵はなさそうだ。

「これでお互いの手札のモンスターのレベルは一つ下がった。行くぜ…オレはセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚を行う!揺れろ、神のペンデュラム!世界に響かせ、声無き叫び!」

北村のペンデュラムから三つの光がフィールドに飛び出す。

「現れろ!エクストラデッキより、ココリコ・ココリス!手札より、エンジェル・トランペッター!」

また、あの五月蝿い鳥が出てくるのか。多分、今の気分は顔に出ているだろうな。


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻300/守300
【Pスケール:青3/赤3】
(1):「――――――――――」
【モンスター効果】
(1):このカードがフィールドを離れた時、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分は300ライフポイント回復する。
(2):「――――――――――」



エンジェル・トランペッター
チューナー・通常モンスター
星4/地属性/植物族/攻1900/守1600
天使の様な美しい花。絶えず侵入者を惑わす霧を生み出し、聖なる獣たちが住まう森の最深部へ立ち入ることを許さない。



「そして、こいつはレベル9になったことで呼び出せる…。この地で朽ちたデュエリスト達の魂を生贄に、降臨せよ!地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)!!」

フィールドに現れたのは青い筋の入った黒い塊。それが周囲の空に瞬く光を吸収し、見る見るうちに巨大化していく。そしてそれはフィールドを覆いつくほどの巨大なモンスターとなって目の前に現れた。


地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)
効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻3000/守2500
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合このカードを破壊する。
相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。
また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。



「このモンスターは…!」

地縛神。それは「遊戯王5D’sの世界」における重要な意味を持つカードだ。世界の存亡を賭けたシグナーとダグナーによる終わりなき繰り返しの戦い。シグナーは赤き龍に導かれてドラゴンを率いて戦い、ダグナーは地に封印されし怪物、地縛神を用いて戦った。地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)もその内の1体。

「ははは!(フィールド)に縛られし神と世界(フィールド)そのものであるワールドカードは相性がいいだろう?更にレベル3のココリコ・ココリスにレベル3となったエンジェル・トランペッターをチューニング!」

エンジェル・トランペッターは北村の手札にいたから小人のいたずらの効果でレベルが一つ下がっているが、五月蝿い鳥(ココリコ・ココリス)はエクストラデッキにいたからレベルはそのまま。レベル調整はシンクロやエクシーズを行う上で重要だからな。北村の奴、色々なカードを見てシナジーを考えながらデッキを作ったのだろう。

「闇に羽ばたく鳥よ、星々に導かれ黒き旋風となれ!シンクロ召喚!BF-星影のノートゥング!」

黒き翼を持つモンスターが剣を引っさげて光の中より現れた。


BF-星影のノートゥング
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/鳥獣族/攻2400/守1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「BF-星影のノートゥング」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。相手に800ダメージを与える。その後、相手の表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力・守備力を800ダウンする。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに「BF」モンスター1体を召喚できる。



「この瞬間、ココリコ・ココリスがフィールドを離れたことにより、オレは300ポイント回復し、田宮には300ポイントのダメージを与える!更にノートゥングが特殊召喚に成功したので相手に800ポイントのダメージだ!」

『アーアーアー!ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア!!』

北村賢治 LP1600→1900
田宮行方 LP6700→6400→5600

これで五月蝿い鳥の効果を受けるのも二回目か。地味な効果だがペンデュラムモンスターである限り、単なる破壊ではエクストラデッキに戻るだけ。それはシンクロ素材になってフィールドを離れても同じこと。更にはノートゥングまで…。

「だが、ノートゥングの攻守減少の効果は究極神龍には通じん。」

「そいつは相手のカード効果を受けないんだったな。だが、あんたにダメージを与えられただけで十分だ…!バトル!アマジャステリアで究極神龍を攻撃!この瞬間、アマジャステリアの効果発動!エクストラデッキのペンデュラムモンスター1体の攻撃力をプラスする!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘を行う場合、エクストラデッキのペンデュラムモンスター1体を選択して発動できる。このカードの攻撃力は選択したモンスターの攻撃力分アップする。
(2):手札を1枚捨てることで、エクストラデッキにあるこのカードを自分の空いているペンデュラムゾーンに置くことができる。



「選択するのはオッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!これにより攻撃力3000アップ!」

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア― 攻3000→6000

『キジャアアアアァァアアアア!!!』

騒音を撒き散らす怪物の体が更にブクブクと太り、巨大化していく。それと共に北村を包む黒いモヤが濃さを増していく。

「はあああああ!!!漲る!力が漲るぞおおおお!!」

「残念だが、その攻撃は通さん。墓地のネクロ・ガードナーの効果発動。このカードを除外してアマジャステリアの攻撃を無効にする。」

墓地から闇の戦士が飛び出して攻撃を防いでくれた。


ネクロ・ガードナー
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。



先ほどドボク・ザークが捨ててくれたから、ありがたく使わせてもらおう。

「これで、お前のフィールドには攻撃していないモンスターが3体残っているが、どれも攻撃力は5000より低い。」

ノートゥングに関しては守備表示だから、そもそも攻撃は出来ないが。

「だが、Ccapac(コカパク) Apu(アプ)は相手に直接攻撃が出来る!やれ、Ccapac(コカパク) Apu(アプ)!」

「そうはいくか。相手の直接攻撃宣言時、バトルフェーダーは手札から特殊召喚出来る。そして、バトルフェイズを強制終了だ。」


バトルフェーダー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。



巨人の一撃が大地を抉りながら私に向かってきたがバトルフェーダーの鐘の音が攻撃を止めた。バトルフェーダーもまたドボク・ザークの恩恵の一つ、リビングデッド・ドローで引いたカードだ。
Ccapac(コカパク) Apu(アプ)の攻撃は永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果で受けるダメージは1000になっていたのだがカードを出し惜しみをするような気分じゃない。永遠の決闘(エターナル・デュエル)の4.の効果のために手札は持っているよりガンガン使った方が良いからな。
………それに、あの巨体から繰り出されるパンチは重くて速い。命を賭けている時点で既にこれは闇のデュエル。坂本デュエルの科学力による身体強化と永遠の決闘(エターナル・デュエル)によるダメージ減少があったとしても体が潰れていない保障がない。どうにも闇の瘴気が濃くなってきたしな…。

「バトルが終わったのなら仕方ねえ。オレはドボク・ザークに重ねて迅雷の騎士ガイアドラグーンを召喚する。守備表示だ。」


迅雷の騎士ガイアドラグーン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/風属性/ドラゴン族/攻2600/守2100
レベル7モンスター×2
このカードは自分フィールド上のランク5・6のエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。



「更にカードを2枚伏せてターンエンド。この瞬間、リビングデッド・ドローの効果で1枚ドロー。更に永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果によりデッキからジェネクス・コントローラーを召喚する。」


ジェネクス・コントローラー
チューナー(通常モンスター)
星3/闇属性/機械族/攻1400/守1200
仲間達と心を通わせる事ができる、数少ないジェネクスのひとり。様々なエレメントの力をコントロールできるぞ。



「さあ、田宮。この布陣を突破出来るものならやってみろ!」

北村のフィールドには5体のモンスターが立ち並んでいた。



5ターン目終了
北村賢治 LP1900
デッキ:33枚

エクストラデッキ:12枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを含む)

手札:1枚

モンスター:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(攻6000)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(守2100)(ユニット2つ)、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)(攻3000)、BF-星影のノートゥング(守1600)、ジェネクス・コントローラー(守1200)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、伏せカード×2

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔轟神レイジオン、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ、ハネワタ、小人のいたずら、エンジェル・トランペッター

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター



田宮行方 LP5600
デッキ:16枚

エクストラデッキ:14枚(ドラコニアの海竜騎兵、ドラコニアの獣竜騎兵を含む)

手札:1枚(次元の旅行者)

モンスター:究極神龍(攻5000)、バトルフェーダー(守0)

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1

墓地:光の神-サンネリア、二重召喚、聖鳥クレイン、励輝士 ヴェルズビュート、ゴブリンドバーグ、ガード・ブロック、トラゴエディア、大嵐、ハーピィの羽根帚、究極神龍誕生、メテオ・ストライク、リビングデッド・ドロー、儀式魔人リリーサー、仕込み爆弾

除外:神龍-ブリザード・ドラゴン、神龍-バーニング・ドラゴン、神龍-ハリケーン・ドラゴン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン、ネクロ・ガードナー




「私のターン、ドロー。」

私は永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果でデッキから4枚のカードを引き、合計5枚となった手札のカードを確認した。その中に「光は鼓動するの世界」で使った儀式魔法と室井から譲り受けた儀式モンスターが1枚ずつあった。あの時、室井は気分が向けば使ってほしいと言って消えていった…。
私のデッキは世界を巡るごとに変化する。私のデッキは、私の無意識の気分が投影されて構築されているのかもしれない。つまり…今はこのカードを使ってみたい気分だということだ!
その前に伏せカード2枚を警戒しておかないとな…。これを囮に使うか。

「私は次元の旅行者を召喚する。」


次元の旅行者 闇属性/星1/攻0/守0
【戦士族・デッキワン】
田宮行方の使用するデッキにのみ入れることが出来る。このカードをリリースすることで、メインデッキ、またはエクストラデッキからモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。自分のメインフェイズに、手札を1枚捨てることで墓地からこのカードを手札に加えることができる。



「させねえ!罠カード、強制脱出装置を発動だ!」


強制脱出装置
通常罠
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。



「旅は終わりだ。手札に戻ってもらうぜ!」

警戒されているか。当然だな、このカードの効果でサンネリア以外の神も呼んで来れるからな。…今は神を呼び出す気分ではないが。とにかく、これで北村のフィールドの伏せカードが1枚減った。

「では次だ。手札より高等儀式術を発動する。」


高等儀式術
儀式魔法
儀式モンスターの降臨に必要。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、デッキから通常モンスターを墓地へ送り、手札から儀式モンスター1体を儀式召喚する。



「デッキのドラコニアの海竜騎兵とドラコニアの獣竜騎兵を墓地へ送る。」


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



「レベル合計は7…。」

「いいや、墓地の儀式魔人リリーサーの効果も発動だ。」

「何っ!?」

「異なる世界のルールが食い違った場合、どちらか好きな方を選択して適用できる。スーパーエキスパートルールを適用して、リリーサーの効果を強制割り込みだ。リリーサーを除外して儀式召喚に必要なレベルを補わせてもらう。」

ドボク・ザークによって落とされた最後のカードもしっかりと使わせてもらうぞ。


儀式魔人リリーサー
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守2000
(1):儀式召喚を行う場合、その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、墓地のこのカードを除外できる。
(2):このカードを使用して儀式召喚したプレイヤーから見て相手は、儀式召喚したそのモンスターがモンスターゾーンに表側表示で存在する限り、モンスターを特殊召喚できない。



「レベル合計が10だと!?」

「そうだ。出でよ、トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン!」

オッドアイズ・ドラゴンに似たドラゴンが大地を踏み締めて現れる。ガラパゴス進化した室井のモンスターの1体だ。


トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン レベル10 風属性・ドラゴン族・儀式
攻撃力3000 守備力2500
このカードはトラベラー以外は使用できない。
「ジャーニーターの案内」により降臨。
(1)このカードが戦闘を行うたびに、デッキからカードを1枚ドローする。
(2)このカードは儀式モンスター以外の効果では破壊されない。



「そして手札よりエフェクト・デリート・ミラーの効果を発動。このカードを墓地へ送ってCcapac(コカパク) Apu(アプ)の効果を無効にする。」


エフェクト・デリート・ミラー
★1 闇・岩石族/効果 ATK0/DEF0
このカードを手札から墓地へ送り、相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。



「ああっ!?」

不思議な鏡が地縛神の前に現れ、力を吸い取って消えた。これによりCcapac(コカパク) Apu(アプ)はこのターンだけ攻撃力3000のバニラと化した。北村は既に気が付いている。王手をかけられたということを。

「バトルだ。リチュアル・ドラゴンでジェネクス・コントローラーを攻撃する。リチュアル・ストライク・バースト!」

「ぐううっ!」

ジェネクス・コントローラー(破壊)

私はリチュアル・ドラゴンの効果で手札を1枚ドローした後、フィールドに視線を戻した。北村は通常モンスターを失ったことにより永遠の決闘(エターナル・デュエル)による復活が出来なくなった。そして、永遠の決闘(エターナル・デュエル)は直接攻撃以外の戦闘ダメージは軽減しない。

「究極神龍でCcapac(コカパク) Apu(アプ)に攻撃!」

この攻撃が通ればその差2000のダメージを受けて、北村の負けだ。

「させるかあ!手札よりクリボーを捨てて自分への戦闘ダメージを0にする!」


クリボー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200
(1):相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。



これも耐えるのか…。

「だが、Ccapac(コカパク) Apu(アプ)は破壊される!」

「ぐううううう!!」

地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)(破壊)

「私はカードを2枚伏せてターンエンド。この瞬間、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果でドラコニアの海竜騎兵を守備表示で特殊召喚する。」


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



「さあ、北村。お前のターンだ…。」

気が付けば私の額に汗がジワリと滲んでいた。闇の瘴気が濃くなってきているからだろうか…。



6ターン目終了
北村賢治 LP1900
デッキ:33枚

エクストラデッキ:12枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを含む)

手札:0枚

モンスター:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(攻6000)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(守2100)(ユニット2つ)、BF-星影のノートゥング(守1600)
ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、伏せカード×1

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔轟神レイジオン、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ、ハネワタ、小人のいたずら、エンジェル・トランペッター、強制脱出装置、ジェネクス・コントローラー、クリボー、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター



田宮行方 LP5600
デッキ:8枚

エクストラデッキ:14枚(ドラコニアの海竜騎兵、ドラコニアの獣竜騎兵を含む)

手札:1枚(次元の旅行者)

モンスター:究極神龍(攻5000)、バトルフェーダー(守0)、トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン(攻3000)、ドラコニアの海竜騎兵(守2100)

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×2

墓地:光の神-サンネリア、二重召喚、聖鳥クレイン、励輝士 ヴェルズビュート、ゴブリンドバーグ、ガード・ブロック、トラゴエディア、大嵐、ハーピィの羽根帚、究極神龍誕生、メテオ・ストライク、リビングデッド・ドロー、仕込み爆弾、高等儀式術、ドラコニアの海竜騎兵、ドラコニアの獣竜騎兵、エフェクト・デリート・ミラー

除外:神龍-ブリザード・ドラゴン、神龍-バーニング・ドラゴン、神龍-ハリケーン・ドラゴン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン、ネクロ・ガードナー、儀式魔人リリーサー




「オレのターン!ドロー!」

北村がデッキから勢いよくカードを5枚引く。その瞬間、リチュアル・ドラゴンが咆哮し、ペンデュラムゾーンのアマジャステリア共が萎縮した。

「くっ、これは…。そうか、リリーサーの能力か…。」

その通り。


儀式魔人リリーサー
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守2000
(1):儀式召喚を行う場合、その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、墓地のこのカードを除外できる。
(2):このカードを使用して儀式召喚したプレイヤーから見て相手は、儀式召喚したそのモンスターがモンスターゾーンに表側表示で存在する限り、モンスターを特殊召喚できない。



次元の旅行者を使わずに手間をかけてリチュアル・ドラゴンを召喚したのには意味がある。今のリチュアル・ドラゴンは破壊耐性持ちでかつ、相手の特殊召喚を封じる。対抗出来る儀式モンスターを呼ぼうにも特殊召喚を封じられていてはどうしようもない。弱点は破壊以外の除去か高攻撃力のモンスターとの戦闘、後は効果無効化か。
攻撃力3000は高いが、奴のフィールドのアマジャステリアは次の攻撃で攻撃力9000となる。単純な話、アマジャステリアの攻撃が通れば私のライフは0になる。だが、北村は警戒している。私の2枚の伏せカードを。

「なるほど。確かにこれじゃ特殊召喚は出来ねえ…。だが、通常召喚なら問題はねえはずだ!オレはガイアドラグーンを生贄にして黒魔導戦士 ブレイカーをアドバンス召喚!」


黒魔導戦士 ブレイカー
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000
「黒魔導戦士 ブレイカー」の(4)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードに魔力カウンターを2つ置く。
(2):このカードがP召喚に成功した場合に発動する。このカードに魔力カウンターを3つ置く。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×400アップする。
(4):このカードの魔力カウンターを1つ取り除き、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。



かかった!

「罠カード発動、激流葬。フィールド上の全てのモンスターを破壊する!」


激流葬
通常罠
(1):モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。フィールドのモンスターを全て破壊する。



「うわあああ!全滅だあああぁぁああああ!!」

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(破壊)

『ガジャアアアアアアアア!!』

本当にあのモンスターは毎回五月蝿いな…。もう慣れたものだがな…。

BF-星影のノートゥング(破壊)
黒魔導戦士 ブレイカー(破壊)

究極神龍(破壊)
バトルフェーダー(破壊→除外)
ドラコニアの海竜騎兵(破壊)

究極神龍は相手のカード効果を受けないモンスター。裏を返せば自分のカード効果では破壊されるのだ。しかし、この激流の中、破壊されずに残っているドラゴンがいる。

「リチュアル・ドラゴンは儀式モンスター以外の効果では破壊されない。」


トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン レベル10 風属性・ドラゴン族・儀式
攻撃力3000 守備力2500
このカードはトラベラー以外は使用できない。
「ジャーニーターの案内」により降臨。
(1)このカードが戦闘を行うたびに、デッキからカードを1枚ドローする。
(2)このカードは儀式モンスター以外の効果では破壊されない。



「ぐぐっ…!」

リリーサーによって効果を得たリチュアル・ドラゴンによって北村は特殊召喚を封じられている。そして、通常召喚は既に行った。このターン、もうモンスターの召喚は行えないだろう。

「オ、オレは、カードを3枚伏せてターンエンド…。」

いつもならエンドフェイズ終了時には永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果でデッキから通常モンスターが特殊召喚されていたが、それもない。今のリチュアル・ドラゴンは北村の天敵だ。北村から先ほどの勢いが消え失せていた。



7ターン目終了
北村賢治 LP1900
デッキ:28枚

エクストラデッキ:13枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―を含む)

手札:1枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、伏せカード×4

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔轟神レイジオン、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ、ハネワタ、小人のいたずら、エンジェル・トランペッター、強制脱出装置、ジェネクス・コントローラー、クリボー、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)、迅雷の騎士ガイアドラグーン、ギガ・ガガギゴ、重機王ドボク・ザーク、BF-星影のノートゥング、黒魔導戦士 ブレイカー

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター



田宮行方 LP5600
デッキ:8枚

エクストラデッキ:15枚(ドラコニアの海竜騎兵×2、ドラコニアの獣竜騎兵を含む)

手札:1枚(次元の旅行者)

モンスター:トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン(攻3000)

ペンデュラムゾーン:なし

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×1

墓地:光の神-サンネリア、二重召喚、聖鳥クレイン、励輝士 ヴェルズビュート、ゴブリンドバーグ、ガード・ブロック、トラゴエディア、大嵐、ハーピィの羽根帚、究極神龍誕生、メテオ・ストライク、リビングデッド・ドロー、仕込み爆弾、高等儀式術、ドラコニアの海竜騎兵、ドラコニアの獣竜騎兵、エフェクト・デリート・ミラー、激流葬、究極神龍

除外:神龍-ブリザード・ドラゴン、神龍-バーニング・ドラゴン、神龍-ハリケーン・ドラゴン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン、ネクロ・ガードナー、儀式魔人リリーサー、バトルフェーダー




「私のターン、ドロー。」

永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4の効果でデッキから4枚引いて、手札を5枚にしてから私はフィールドを見回した。北村のフィールドには伏せカードが4枚。ブラフが入っているかどうかは分からんが何枚かは当然罠カードもしくは速攻魔法だろう。しかし、北村のフィールドにモンスターはいない。永遠の決闘(エターナル・デュエル)でダメージ軽減はされるがダイレクトアタック二回で終わるライフポイントだな。

「私は手札より貪欲な壺を発動する。デッキに戻すのはサンネリア、トラゴエディア、エフェクト・デリート・ミラー、そして高等儀式術で送ったドラコニアの海竜騎兵と獣竜騎兵の5枚だ。そして2枚ドロー。」


貪欲な壺
通常魔法
(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。



これで手札は整った。

「手札よりナイト・ショットを発動。お前の伏せカードを1枚破壊する。お前から見て、右端のそれだ。」


ナイト・ショット
通常魔法
(1):相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。セットされたそのカードを破壊する。このカードの発動に対して相手は対象のカードを発動できない。



「くっ!」

奈落の落とし穴(破壊)


奈落の落とし穴
通常罠
(1):相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。



いいカードを葬った。これで遠慮なく召喚出来る。

「私は手札のドラコニアの海竜騎兵と獣竜騎兵でペンデュラムスケールをセッティング。」


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



「田宮もペンデュラム召喚を!?」

「ペンデュラム召喚はお前の専売特許ではないぞ。ペンデュラムスケールは2と7だ。これでレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能。揺れろ魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!召喚するのはエクストラデッキに溜まった3体だ!」

ペンデュラム召喚を行うなどいつ以来だろうか。ああ、最初の世界で高尾を葬った時以来か。


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



「そして、レベル3のドラコニアの海竜騎兵2体でオーバーレイネットワークを構築。深き水底から浮上せよ!潜航母艦エアロ・シャーク!」

光の渦の中からミサイル発射装置を背負った鮫が飛び出した。


潜航母艦エアロ・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/魚族/攻1900/守1000
レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。ゲームから除外されている自分のモンスターの数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。



「エアロ・シャークの効果発動。オーバーレイユニットを一つ取り除き、自分の除外モンスターの数×100のダメージを与える。除外されている私のモンスターは合計9体。よって900ポイントのダメージを受けろ!エアー・トルピード!」

無数のミサイルが北村めがけて放たれた。

「がああああ!」

北村賢治 LP1900→1000

「これでお前のライフは永遠の決闘(エターナル・デュエル)のセーフティラインを割った。」

「くっ!!」

「ドラコニアの獣竜騎兵でダイレクトアタック!」

「通すかよ!罠発動!魔法の筒(マジック・シリンダー)!」


魔法の筒(マジック・シリンダー)
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。



「獣竜騎兵の攻撃を無効にして、攻撃力分のダメージを相手に与える!喰らええ!」

田宮行方 LP5600→3800

くっ…少々反撃を受けたか…。だが、この程度の痛みなど必要経費だ。

「次だ。エアロ・シャークでダイレクトアタック!ビッグイーター!」

「させねえ!罠発動!因果切断!」


因果切断
通常罠
手札を1枚捨てて発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。この効果によって除外したモンスターと同名のカードが相手の墓地に存在する場合、さらにその同名カードを全てゲームから除外する。



「手札を1枚捨てて効果発動!除外するのはリチュアル・ドラゴン!」

トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン(除外)

なるほど、破壊はされないリチュアル・ドラゴンだが除外はされる。だが攻撃しているエアロ・シャークを対象にしなかった?この攻撃を受ければライフが0になるというのに。何が狙いだ?

「リチュアル・ドラゴンがいなくなったことによってリリーサーの付属効果も消える!よってオレは特殊召喚が可能となった!因果切断によって手札から捨てたカードは魔轟神ルリーだ!」

なるほどな…。


魔轟神ルリー
効果モンスター
星1/光属性/悪魔族/攻 200/守 400
このカードが手札から墓地へ捨てられた時、このカードを墓地から特殊召喚する。



「ルリーを守備表示で特殊召喚!」

「ならばエアロ・シャークでそいつを破壊する!」

魔轟神ルリー(破壊)

ふむ…。魔法の筒(マジック・シリンダー)をエアロ・シャークに使わなかったのは私の所の海獣コンビのペンデュラム効果の発動条件を満たさせないためか…。


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



獣竜騎兵でルリーを戦闘破壊出来ていれば追加攻撃が出来たのだが…。まあいい、結果は同じだ。

「…流石によく耐えたものだ。だが、私はまだ通常召喚を終えていない。」

「!!」

それが何を意味するのか、北村には分かったようだ。

「私は手札から次元の旅行者を通常召喚する。」


次元の旅行者 闇属性/星1/攻0/守0
【戦士族・デッキワン】
田宮行方の使用するデッキにのみ入れることが出来る。このカードをリリースすることで、メインデッキ、またはエクストラデッキからモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。自分のメインフェイズに、手札を1枚捨てることで墓地からこのカードを手札に加えることができる。



今まで、私は次元の旅行者の使い方を間違っていた。このカードはデッキワンの名に恥じぬ強力な効果を持つ切り札と呼べるカードだ。だが、切り札は最後に出すからこそ切り札なのだ。早々に使ったりすると「憩いの湖の世界」で千花白龍にやられたように反撃を許してしまう。早々にデュエル(たび)を終わらせるのでは駄目だ。デッキを隅々まで巡り、相手とデュエル(かいわ)して、そしてその終焉に新たな旅を始めるために使うべきカードなのだ。
強力なカードは、あるだけでどうしても使いたくなる。しかし、それはカードを使っているのではなく強力なカードに振り回されているだけではないだろうか?使っている本人は強力な力に酔っていて、そのカードを使いこなせていると勘違いしてしまいがちなのが厄介なところだな。カードにはそれぞれの役割があり、それぞれの使いどころがある。それを見極めるのもまたデュエリストの腕の見せ所だ。
さて、北村の残り1枚の伏せカードだが、おそらくは通常魔法(ブラフ)だ。強制脱出装置と共に伏せられてから今まで一度も発動していない。北村は永遠の決闘(エターナル・デュエル)と相性のいいフリーチェーンや単発の罠カードをデッキに多めに投入したのだろうが、それが全てではない。通常魔法の死者蘇生や補助罠の小人のいたずらなども入っている訳だしな。
さて、この状況で私が出すモンスターは―――――。

「私は次元の旅行者をリリースし、エクストラデッキから光の神を呼び戻す!」


光の神-サンネリア 神属性/星12/攻5000/守5000
【神族・ゴッドシンクロ/効果】
「GT-希望の精霊」+レベル10のシンクロモンスター
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けない。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は攻撃することが出来ない。
このカードの守備力は自分のデッキにあるカード1枚につき500ポイント上がる。
このカードをリリースすることで、自分のデッキに存在するカード1枚につき、相手に600ポイントのダメージを与える。この効果は無効にされず、ダメージを0にすることもできない。



「あ!?ああ!!」

そう、サンネリアは貪欲な壺によってエクストラデッキに戻っている。このデュエル中にサンネリアを呼び出すのは二度目。だが、一度目に出した時の苛立ちはどこにもなかった。
正直に言えば、気分がいい。北村がここまで食い下がるとは思ってもみなかった。かつて、私は一度だけ北村とデュエルをした。最初の世界で他の「traveler」達が旅立っていく中、北村は色々な「traveler」にデュエルを挑んでいた。北村の挑戦に対し、相手にすらしない「traveler」も多かった。その一方で、勝負に応じた数名の「traveler」とのデュエルの内容も酷いものだった。北村は数ターンで、ともすれば1ターンで倒された。そんな中、北村は私にもデュエルを挑んできた。
その時は気まぐれでデュエルを受けた。デュエルをしてもいいか、という気分だった。北村は通常モンスターを多く使った。それらは星が多かったり、攻撃力や守備力が低かったり、種族や属性が恵まれなかったり、上位可換が存在したりして、まず使わないようなモンスターばかりだった。適当にデュエルをして勝ったのは覚えているが内容は忘れた。当時の私にとってどうでもよかった。それよりもあの世界で一度デュエルしたことにより、全ての世界の力を使えることに気が付いたことの方が心の中を占めていた。これで他の「traveler」が旅立ち、最後の一人になってこの世界に帰ってきた時にそいつを殺して最強の決闘者になってやるかと思っていた。
気が付いた時には39人があの最初の世界から去り、世界には私一人だけが残っていた。しばらくして白一色の光景にも飽きたところで高尾がやってきたんだったな。そこから私の旅が始まった。…思えば遠くまで来たものだ。

「サンネリアの効果は、もちろん知っているな。」

私は自分のデッキに目線を落とした。

「今、私のデッキは6枚。お前のライフを削るのには十分な枚数だ。」

「くっ…!」

「サンネリアの効果発動。このカードをリリースし、自分のデッキ枚数×600のダメージ、即ち3600のダメージをお前に与える!この効果は無効に出来ないし、ダメージを0にすることも出来ない。」

光の神が再び神々しい輝きを放ち、大爆発を引き起こした。

「があああああああ!!!」

北村賢治 LP1000→0

終わった…。







































「まだだ…!まだオレは負けてねえ!!」

「!?」

エンジェル・トランペッター(除外)
北村賢治 LP0→100

永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果が発動している!?だが、何故エンジェル・トランペッターがいる!?まさか、奴の伏せカードは…!

「オレはリビングデッドの呼び声を発動した!」


リビングデッドの呼び声
永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。



「この効果によってエンジェル・トランペッターを蘇生させ、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果を発動させた!終われねえ!こんな中途半端なところで終われるかよ!まだオレは何も成していないんだ!もっと、もっとデュエルを…!さあ、デュエルを続けようぜ!田宮行方ぇえ!!」

そうか…。今までこのカードを発動させなかったのは、特殊召喚を封じる効果が追加されたリチュアル・ドラゴンが居座っていたから。それ以前は、北村のフィールドは全て埋まっていた。発動機会がないはずだ。

「北村ぁ…!」

私としたことが見誤ったな…。こいつは、まだ沈まない…!

「いいだろう…!続けようか、このデュエルを!」

私はこの時、どんな表情をしていただろうか。胸の奥から熱いものが込み上げてくる。どこか心地のいい熱だ。

「私はカードを2枚伏せてターンエンド。永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果によりドラコニアの獣竜騎兵を特殊召喚する!」


ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



「さあ北村、お前のターンだ!」

ああ、そうか…。この胸の内から込み上げてくるこの感情…。私は楽しんでいるんだ、このデュエルを。この、負ければどちらかが命を落とすという状況にも関わらず。



8ターン目終了
北村賢治 LP100
デッキ:28枚

エクストラデッキ:13枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―を含む)

手札:0枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、リビングデッドの呼び声(対象なし)

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔轟神レイジオン、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ、ハネワタ、小人のいたずら、強制脱出装置、ジェネクス・コントローラー、クリボー、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)、迅雷の騎士ガイアドラグーン、ギガ・ガガギゴ、重機王ドボク・ザーク、BF-星影のノートゥング、黒魔導戦士 ブレイカー、奈落の落とし穴、因果切断、魔法の筒(マジック・シリンダー)、魔轟神ルリー

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター×2



田宮行方 LP3800
デッキ:5枚(トラゴエディア、エフェクト・デリート・ミラーを含む)

エクストラデッキ:11枚

手札:0枚

モンスター:潜航母艦エアロ・シャーク(ユニット1つ)(攻1900)、ドラコニアの獣竜騎兵(攻1800)、ドラコニアの獣竜騎兵(守200)

ペンデュラムゾーン:ドラコニアの海竜騎兵(スケール7)、ドラコニアの獣竜騎兵(スケール2)

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×3

墓地:二重召喚、聖鳥クレイン、ゴブリンドバーグ、励輝士 ヴェルズビュート、ガード・ブロック、大嵐、ハーピィの羽根帚、究極神龍誕生、メテオ・ストライク、リビングデッド・ドロー、仕込み爆弾、高等儀式術、激流葬、究極神龍、貪欲な壺、ナイト・ショット、ドラコニアの海竜騎兵、次元の旅行者、光の神-サンネリア

除外:神龍-ブリザード・ドラゴン、神龍-バーニング・ドラゴン、神龍-ハリケーン・ドラゴン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン、ネクロ・ガードナー、儀式魔人リリーサー、バトルフェーダー、トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン




「オレの、ターン…。」

北村はサンネリアの効果を二回も受けたために大分と足元がふらついている。

「まだだ…まだ終われねえ…!あいつとの約束を果たすんだ…!『神様のデュエル』を…!うおおおおおお!!力だ!力が足りない!今のオレじゃ、まだ力が足りねえ!オレ一人じゃ、力が足りねえ!頼む…皆、オレに力を貸してくれ!!」

その時だった。ペンデュラムゾーンのアマジャステリアが何の前触れもなく雄叫びを上げた。

『ギャジャアアアアアアア!!』
『グギュガジャアアアアア!!』

そうして叫び声を上げた後、かすれた小さな声が聞こえてきた。

『…なかった…願い…。』
『約束…ない…。』
『力無くて…叶わぬ…。』
『未来…なければ…。』
『…欠けていた…悲劇…。』
『悲劇…そのための力を…。力を…!』

見ればソリットヴィジョンであるはずの、包帯でグルグル巻きにされたアマジャステリアの顔から涙が零れ出ていた。何なんだ、こいつは…。

「…5枚、ドロー!」

ハッと気が付けば北村が勢いよくドローしていた。今のアマジャステリアの声は幻聴か…?

「オレは…手札より貪欲な壺を、発動する…!」


貪欲な壺
通常魔法
(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。


「デッキに戻れ…ガイアドラグーン、ドボク・ザーク、レイジオン、ハネワタ、クリボー…。そして、2枚ドロー…!」

北村はデッキからカードを2枚ドローし、そこから1枚のカードを発動した。

「更に強欲で貪欲な壺を発動…!デッキの上から10枚のカードを除外し、2枚ドロー!」


強欲で貪欲な壺
通常魔法
「強欲で貪欲な壺」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。



終盤になっての連続ドロー…!こいつのデュエリストセンスは…!

「来た…!オレは…まず魔法カード『守備封じ』を発動…!あんたの守備表示の方のドラコニアの獣竜騎兵を攻撃表示にする…!」

守りを封じられたドラコニアの獣竜騎兵は槍と銃を構え、攻撃態勢に入った。

ドラコニアの獣竜騎兵 守200→攻1800

「そして、セッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚を…行う!揺れろぉ!オレのペンデュラム!光差す場所へ現れろ!ペンデュラム…召、喚!」

北村のペンデュラムゾーンの2体のアマジャステリアの叫びと共に五つの光が奴のフィールドに降り注ぐ。

「エクストラデッキより戻って来い、ココリコ・ココリスとアマジャステリア!手札から現れろ、竜核の呪霊者、サイレント・ソードマン LV5!そしてオレの分身、魔装戦士 ヴァンドラぁ!」


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻300/守300
【Pスケール:青3/赤3】
(1):「――――――――――」
【モンスター効果】
(1):このカードがフィールドを離れた時、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分は300ライフポイント回復する。
(2):「――――――――――」



P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星9/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤10】
(1):このカードをPゾーンに置いた場合、自分のデッキから『P・G(ペンデュラム・ゴッド)』カード1枚を手札に加えることができる。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘を行う場合、エクストラデッキのペンデュラムモンスター1体を選択して発動できる。このカードの攻撃力は選択したモンスターの攻撃力分アップする。
(2):手札を1枚捨てることで、エクストラデッキにあるこのカードを自分の空いているペンデュラムゾーンに置くことができる。



竜核の呪霊者
チューナー・通常モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2300/守3000
永きに渡って狩り続けたドラゴンの返り血により、常人ならざる力を宿した女戦士。その魂は斃されたドラゴンの怨嗟に染まり、疫病を撒き散らす邪悪な竜核へと成り果てた。もはや帰る故郷もなく、本能のままに刃を血に染めたその目的は、彼女自身にも思い出せない・・・。



サイレント・ソードマン LV5
効果モンスター
星5/光属性/戦士族/攻2300/守1000
(1):このカードは相手の魔法カードの効果を受けない。
(2):このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合、次の自分ターンのスタンバイフェイズにフィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。手札・デッキから「サイレント・ソードマン LV7」1体を特殊召喚する。



魔装戦士 ヴァンドラ
効果モンスター
星5/風属性/戦士族/攻2000/守 800
(1):このカードは直接攻撃できる。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地のドラゴン族・戦士族・魔法使い族の通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。



サイレント・ソードマン、だと…!?

「藤原賢治…オレに、力を貸してくれ…!手札よりレベルアップ!を発動!」


レベルアップ!
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在する「LV」を持つモンスター1体を墓地へ送り発動する。そのカードに記されているモンスターを、召喚条件を無視して手札またはデッキから特殊召喚する。



「フィールドのサイレント・ソードマン LV5を墓地へ送り、デッキから記されているモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する!サイレント・ソードマぁああン LV7!!」


サイレント・ソードマン LV7
特殊召喚・効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。「サイレント・ソードマン LV5」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの魔法カードの効果は無効化される。



静かなる空気を纏った大剣を持つ戦士が現れ、魔装戦士 ヴァンドラの隣に並び立つ。


「カーチャ…!オレに力を、貸してくれ!!オレは、レベル3のココリコ・ココリスに竜核の呪霊者をチューニング!闇の先に光差すと信じて突き進め!シンクロ召喚!星態龍ぅうう!!」

十一個並んだ光る小さな星々が巨大な龍へと姿を変える。


星態龍
シンクロ・効果モンスター
星11/光属性/ドラゴン族/攻3200/守2800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードのS召喚は無効化されない。
(2):このカードのS召喚成功時には、魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。
(3):このカードは攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで他のカードの効果を受けない。



星すら飲み込まんとする巨大な龍が咆哮と共にフィールドの遥か上空に出現した。星態龍はシンクロ召喚成功時には魔法も罠もモンスター効果も発動出来ない。そのためにココリコ・ココリスの効果は発動しないが、それを差し引いても攻撃力3200の星態龍がフィールドに出たか…。


「バトルだ…!星態龍の攻撃!対象はエアロ・シャーク!このカードが攻撃する場合、他のカードの効果を受けない!エンドスター・バーストぉぉぉおおおお!!!」

星態龍は遥か上空から息を吸い込み、ブレスを放った。その灼熱の炎を束ねた一撃はエアロ・シャークを消し飛ばし、私も軽々と吹き飛ばした。

潜航母艦エアロ・シャーク(破壊)
田宮行方 LP3800→2500

坂本デュエルの科学力で受身を取り、ブレス攻撃のダメージを耐えたところに次の攻撃が飛んでくる。

「サイレント・ソードマン LV7でドラコニアの獣竜騎兵に攻撃!沈黙の剣LV7!!!」

大剣を振り切って、サイレント・ソードマンは一撃でドラコニアの獣竜騎兵を沈黙させた。その剣圧の余波が私をも襲う。

エアロ・シャーク(破壊)
田宮行方 LP2500→1500

「アマジャステリアで最後のドラコニアの獣竜騎兵を攻撃!この瞬間、アマジャステリアの攻撃力は効果により覇王黒竜の攻撃力分アップする!」

アマジャステリア 攻0→3000

何本もある巨大な蔦を振り回し、アマジャステリアはドラコニアの獣竜騎兵を軽々と吹き飛ばした。その内の一本が私にも飛んできて強烈な一撃をお見舞いしてきた。

ドラコニアの獣竜騎兵(破壊)
田宮行方 LP1500→300

「最後だ…!魔装戦士 ヴァンドラのダイレクトアタック!旋風のウイニング・クラあああぁぁあああッシュ!!!」

この攻撃が通れば私のライフは0になる…。

「…ダイレクトアタック、その言葉を待っていた。」

当然、通すものか!

「なっ!?」

「罠発動、波紋のバリア -ウェーブ・フォース-!」


波紋のバリア -ウェーブ・フォース-
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主のデッキに戻す。



「ああっ!?」

「星態龍が効果を受けないのは自身の攻撃の時のみ。北村のフィールドの全てのモンスターよ、デッキに戻ってもらおうか!」

水色のバリアに弾かれて、それぞれのモンスターがデッキ、エクストラデッキへと飛ばされていく。そして北村のフィールドから全てのモンスターがいなくなった。

「そんな…。オレの仲間達が…。」

北村は数秒間は呆けていたが、すぐに瞳に覇気を取り戻して拳を強く握った。

「だが、まだだ!オレはオレの出来ることをするまでだ!魔法カード発動!」

サイレント・ソードマンがいなくなったことで魔法カードが使えるようになったか。何を発動する気だ?

「行くぜ…。奇跡よ起これ!奇跡召喚(ミラクルサモン)、発動!」


奇跡召喚(ミラクルサモン)
通常魔法(オリジナルカード)
融合モンスターカードまたはSモンスターカードまたはXモンスターカードによって決められた一組の素材モンスターを自分の手札と墓地から除外して発動する。その融合モンスターまたはSモンスターまたはXモンスターを融合召喚またはS召喚またはX召喚扱いで特殊召喚する。(融合モンスターの場合「融合」は必要としない。Xモンスターの場合、このカードの効果で除外したカードをX素材にする。)



奇跡召喚(ミラクルサモン)…!こんなカードを持っていたのか…!

「オレは…手札のファイヤー・ウイング・ペガサスと墓地の黒魔導戦士 ブレイカーでオーバーレイネットワークを構築!」

手札と墓地のモンスターがそれぞれ光の球となって渦の中に吸い込まれる。


ファイヤー・ウイング・ペガサス
通常モンスター
星6/炎属性/獣族/攻2250/守1800
色鮮やかな真紅の翼をはばたかせ、天を駆け抜ける天馬。



黒魔導戦士 ブレイカー
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000
「黒魔導戦士 ブレイカー」の(4)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードに魔力カウンターを2つ置く。
(2):このカードがP召喚に成功した場合に発動する。このカードに魔力カウンターを3つ置く。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×400アップする。
(4):このカードの魔力カウンターを1つ取り除き、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。



「エクシーズ召喚!現れろ、魂を狩るために彷徨う者よ!巨大な鎌を振りかざし、敵の命を無慈悲に刈り取れ!巡死神(ピルグリム)リーパー!」

そして天使と悪魔の両方の羽根を持つ死神が大きな鎌を引っ下げて現れた。


巡死神(ピルグリム)リーパー
エクシーズ・効果モンスター
ランク6/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 ?
レベル6モンスター×2
「巡死神リーパー」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、お互いの墓地の闇属性モンスターの数×200アップする。
(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。お互いのデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。



「リーパーの効果発動…!オーバーレイユニットを1つ取り除くことでお互いのデッキの上から5枚のカードを墓地へ送る!」

私のデッキの枚数は5枚。その全てが墓地へと送られた。これで私のデッキは0枚となった。

●墓地へ送られたカード
エフェクト・デリート・ミラー
死者蘇生
ハネワタ
神の宣告
トラゴエディア

北村のデッキからも5枚のカードが墓地へ送られる。

●墓地へ送られたカード
サイレント・ソードマン LV7
P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―
魔装戦士 ヴァンドラ
超電磁タートル
P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―

「田宮…。あんたの(ライフ)は削りきれなかった…。オレと仲間の全力でも削りきれなかった…。だが、あんたの(デッキ)は削りきった…!オレの仲間(カード)達が削りきったんだ!1枚だって無駄なカードはなかったんだ!オレはこれでターンエンドだ…!この瞬間、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果で青眼の銀ゾンビを守備表示…。」


青眼の銀ゾンビ(ブルーアイド・シルバーゾンビ)
通常モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻 900/守 700
目から出す怪光線で、相手をゾンビに変えてしまうと言われている。



「さあ、田宮…。あんたの…ターンだぜ…。」

北村は勝利を確信したかのように微笑んでいた。



9ターン目終了
北村賢治 LP100
デッキ:7枚

エクストラデッキ:14枚(P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン、星態龍、魔轟神レイジオン、迅雷の騎士ガイアドラグーン、重機王ドボク・ザークを含む)

手札:0枚

モンスター:巡死神(ピルグリム)リーパー(守2200)(ユニット1つ)、青眼の銀ゾンビ(守700)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、リビングデッドの呼び声(対象なし)

墓地:非常食、死者蘇生、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、魔轟神獣ケルベラル、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ×2、小人のいたずら、強制脱出装置、ジェネクス・コントローラー、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)、BF-星影のノートゥング、奈落の落とし穴、因果切断、魔法の筒(マジック・シリンダー)、魔轟神ルリー、強欲で貪欲な壺、レベルアップ!、サイレント・ソードマン LV5、竜核の呪霊者、黒魔導戦士 ブレイカー、奇跡召喚(ミラクルサモン)P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―、魔装戦士 ヴァンドラ、サイレント・ソードマン LV7、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―、超電磁タートル

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター×2、裏側除外カード×10



田宮行方 LP300
デッキ:0枚

エクストラデッキ:13枚(ドラコニアの獣竜騎兵、ドラコニアの獣竜騎兵)

手札:0枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:ドラコニアの海竜騎兵(スケール7)、ドラコニアの獣竜騎兵(スケール2)

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×2

墓地:二重召喚、聖鳥クレイン、ゴブリンドバーグ、励輝士 ヴェルズビュート、ガード・ブロック、大嵐、ハーピィの羽根帚、究極神龍誕生、メテオ・ストライク、リビングデッド・ドロー、仕込み爆弾、高等儀式術、激流葬、究極神龍、貪欲な壺、ナイト・ショット、ドラコニアの海竜騎兵、次元の旅行者、光の神-サンネリア、ドラコニアの海竜騎兵、潜航母艦エアロ・シャーク、波紋のバリア -ウェーブ・フォース-、トラゴエディア、エフェクト・デリート・ミラー、死者蘇生、ハネワタ、神の宣告

除外:神龍-ブリザード・ドラゴン、神龍-バーニング・ドラゴン、神龍-ハリケーン・ドラゴン、神龍-アース・ドラゴン、神龍-ヘヴン・ドラゴン、神龍-ヘル・ドラゴン、ネクロ・ガードナー、儀式魔人リリーサー、バトルフェーダー、トラベル・アクション-リチュアル・ドラゴン




私のターン、か。
私はカードが1枚もない自分のデッキ置き場を見た。デュエル中にこの底が見えるというのは何とも珍しい光景だ。思えば長いデュエル(たび)だった。デッキを使い切るまでに長く戦った。それこそ、まるで永遠に戦い続けていたかのような感覚だ。

「私のターン。だが、私にはドローすべきカードがあるはずのデッキ枚数が0だ。私の負けだな―――――このままではな。」

「何っ…?」

北村は狐にでもつままれたような顔をした。

「この状況からどうにか出来るというのか…!?デッキからカードをドロー出来なければ負ける!そんなことデュエリストなら知ってることだ!」

「そうだ。だが私は様々な世界を巡り、その世界で色々な能力を得た。言ってしまえば、その世界での土産物といったところか。私が「憩いの湖の世界」に行ったのは知っているな?」

「当然だ…。後一歩のところで、あんたとはすれ違っちまったからな…。」

「その「憩いの湖の世界」ではワールドカードと共に一つの能力を得た。一度だけオリジナルカードを作れる能力だ。」

「まさか…!」

「お前は何枚もオリジナルカードを持っているようだが、私は未だにワールドカードしか持っていない。なので今、使わせてもらう。無から、一度だけオリジナルカードを作る能力発動!」

私は何もないデッキ置き場に手を伸ばした。それは幻想的な光景だった。どこからともなく光の粒が集まって1枚のカードの形となる。私の、私だけのオリジナルのカード。

永遠の決闘(エターナル・デュエル)のドロー効果は任意効果。即ち、通常ドローを選択することも出来る。1枚、ドロー!」

私はたった今作り出したカードをデッキから引いた。

「私は魔法カード、旅人の帰還を発動!」


旅人の帰還
速攻魔法(オリジナルカード)
(1):自分の墓地・除外ゾーンのモンスター1体を選択して手札に加える。その後、墓地・除外ゾーンのカード全てをデッキに加えてシャッフルする。



「私が手札に戻すのは次元の旅行者だ。」


次元の旅行者 闇属性/星1/攻0/守0
【戦士族・デッキワン】
田宮行方の使用するデッキにのみ入れることが出来る。このカードをリリースすることで、メインデッキ、またはエクストラデッキからモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。自分のメインフェイズに、手札を1枚捨てることで墓地からこのカードを手札に加えることができる。



「っ…!!」

「行くぞ、北村…。私は手札より、次元の旅行者を召喚して効果発動。このカードをリリースして、サンネリアを特殊召喚する!」

三度目の正直。三度目の神の降臨だ。


光の神-サンネリア 神属性/星12/攻5000/守5000
【神族・ゴッドシンクロ/効果】
「GT-希望の精霊」+レベル10のシンクロモンスター
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けない。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は攻撃することが出来ない。
このカードの守備力は自分のデッキにあるカード1枚につき500ポイント上がる。
このカードをリリースすることで、自分のデッキに存在するカード1枚につき、相手に600ポイントのダメージを与える。この効果は無効にされず、ダメージを0にすることもできない。



「更にセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚を行う。来い、ドラコニアの獣竜騎兵達!」


ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



ドラコニアの獣竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。



「バトルだ!まずはサンネリアで―――――!」

「させるかよぉ!墓地より超電磁タートルを除外してバトルフェイズを強制終了だ!」


超電磁タートル
効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻 0/守1800
「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。そのバトルフェイズを終了する。



超電磁タートル…。リーパーのデッキ削りで北村の墓地に落ちていたカードの内の1枚だな。

「モンスター効果を受けないサンネリアも、バトルフェイズそのものが終わっちまったら攻撃は出来ねえよな…。」

永遠の決闘(エターナル・デュエル)の復活効果のキーである通常モンスターの銀ゾンビを守られたか…。

「だが、お前の墓地に超電磁タートルが落ちたのは私も見ていた。本命はこっちだ。私はレベル4のドラコニアの獣竜騎兵2体でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!現れろ、ガガガガンマン!」

光の渦の中から現れるのは我の文字を秘めし、二丁拳銃の使い手。


ガガガガンマン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/戦士族/攻1500/守2400
レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカードの表示形式によって以下の効果を適用する。
●攻撃表示:このターン、このカードが相手モンスターを攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は1000アップし、その相手モンスターの攻撃力は500ダウンする。
●守備表示:相手に800ダメージを与える。



「1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除いて効果発動…。守備表示の場合、相手に800ポイントのダメージを与える!」

一発の銃声と共に北村の胸が銃弾に貫かれる。

「がはっ!」

北村賢治 LP100→0

だが、まだだ。まだ奴は沈まない。永遠の決闘(エターナル・デュエル)と通常モンスターがいる限り。

青眼の銀ゾンビ(除外)
北村賢治 LP0→100


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4
フィールド魔法(ワールドカード)
0.デュエル開始直前にデッキのこのカードを相手に見せることで、このカードを発動した状態でデュエルが始まる。この効果を使用した場合、自分はデッキ変更できず、このカードはフィールドを離れず、効果を無効にできない。このカードは他のフィールドカードと共存する。この効果を使用する場合、デッキの「勝利の証」をこのカードの下に置く。
1.お互いのプレイヤーがモンスターの直接攻撃によって受ける戦闘ダメージが1000ポイントを超えた場合、受けるダメージは1000ポイントになる。
2.ライフポイントが0になったプレイヤーのフィールド上に通常モンスターがいる場合、そのプレイヤーのフィールド上の通常モンスターを全て除外して敗北を無効にし、そのプレイヤーのライフポイントを除外したモンスターの数×100にする。
3.ターンプレイヤーはエンドフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚することができる。
4.ドローフェイズ時、ターンプレイヤーは手札が4枚以下の場合は手札が5枚になるまでドローできる。手札が5枚以上の場合はドローできない。



「オレは永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果で銀ゾンビを除外して敗北を無効にする!」

沈まない…。何度目だろうか、北村のライフを0にしたのは。その度にこいつは立ち上がる。決して沈まない。手加減などしているつもりはない。全力で潰しにかかっている。にも関わらず、こいつは潰れない。ギリギリのところで耐えてくる。全く…大したデュエリストだ…。だが―――――。

「だが、これでお前を守るものなくなった。」

そうだ。これが最後だ。

「北村、葬儀の時間だ。謹んでお悔やみ申し上げる。サンネリアの効果発動!このカードをリリースして、デッキの枚数×600ポイントのダメージを与える!」

32×600で合計19200ポイントのダメージだ。

「サンネリアの効果を三度受けるのはお前が初めてだ。」

サンネリアが大爆発を引き起こす。それは宇宙が始まったとされるビッグバンを髣髴させた。

「があああああああああ!!!!」

北村賢治 LP100→0











































『アーアーアー!!!ア、ア、ア、ア、ア、ア!!!』

あの五月蝿い鳥め、最後の最後まで…。ん?

「まだ…。」

…ん?

『アーアーアーアー!!』
『アーアーアーアー!!』

「まだだ…!」

…まさか??

「まだだぜ、田宮ぁ!オレはまだ負けちゃいねえ!」

P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―(除外)
P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―(除外)
P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―(除外)
ギガ・ガガギゴ(除外)
北村賢治 LP0→100

…!?!?!?

「馬鹿な…。」

「…ははっ。田宮もそんな顔するんだな…。忘れんなよ、こいつはデュエルだぜ。何が起こっても不思議じゃねえ。仲間(カード)達がついててくれてんだからなぁ!」

しまった、私としたことが迂闊だった…。あの五月蝿い鳥にはまだ判明していない効果があった…。


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻300/守300
【Pスケール:青3/赤3】
(1):「――――――――――」
【モンスター効果】
(1):このカードがフィールドを離れた時、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分は300ライフポイント回復する。
(2):墓地・エクストラデッキの「P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―」を3枚除外して発動できる。墓地からモンスター1体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。



「オレはココリコ・ココリスの二番目のモンスター効果を発動した!これによりギガ・ガガギゴを復活させ、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の発動条件を満たした…!オレはまだ負けちゃいねえ!さあ、田宮!まだあんたのターンだぜ!」

「………。私はこれでターンエンド。永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果でドラコニアの海竜騎兵を守備表示で特殊召喚だ。」


ドラコニアの海竜騎兵
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。



…見くびっていた。未だに私は無意識の中で北村を見くびっていた。私があの世界から遅れて出発した時、北村はどこで何をしていたのだろうか。北村は到着した世界でどれほどデュエルをしていたのだろうか。私が世界を巡っている間に北村はどんな想いで世界を巡っていたのだろうか。北村は常に真っ直ぐで、必死で、全力で、私の後を追いかけていたのだ。
北村の足音が聞こえる…!奴はもう、私のすぐ後ろまで走り寄っている…!



10ターン目終了
北村賢治 LP100
デッキ:7枚

エクストラデッキ:13枚(覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン、星態龍、魔轟神レイジオン、迅雷の騎士ガイアドラグーン、重機王ドボク・ザークを含む)

手札:0枚

モンスター:巡死神(ピルグリム)リーパー(守1400)(ユニット1つ)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、リビングデッドの呼び声(対象なし)

墓地:非常食、死者蘇生、魔轟神獣ケルベラル、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ×2、小人のいたずら、強制脱出装置、ジェネクス・コントローラー、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)、BF-星影のノートゥング、奈落の落とし穴、因果切断、魔轟神ルリー、魔法の筒(マジック・シリンダー)、強欲で貪欲な壺、レベルアップ!、サイレント・ソードマン LV5、竜核の呪霊者、黒魔導戦士 ブレイカー、奇跡召喚(ミラクルサモン)P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―、魔装戦士 ヴァンドラ、サイレント・ソードマン LV7

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター×2、裏側除外カード×10、超電磁タートル、青眼の銀ゾンビ、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―×3



田宮行方 LP300
デッキ:31枚

エクストラデッキ:13枚(励輝士 ヴェルズビュート、究極神龍、潜航母艦エアロ・シャークを含む)

手札:0枚

モンスター:ガガガガンマン(守2400)(ユニット1つ)

ペンデュラムゾーン:ドラコニアの海竜騎兵(スケール7)、ドラコニアの獣竜騎兵(スケール2)

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1、伏せカード×2

墓地:旅人の帰還、次元の旅行者、ドラコニアの獣竜騎兵、光の神-サンネリア

除外:なし




「オレの…ターン!ドロー!1枚…!2枚…!3枚…!4枚…!そして…!田宮!オレも使わせてもらうぜ!「憩いの湖の世界」で得た、一度だけオリジナルカードを作れる能力を!」

北村もその能力を手に入れていたのだな。だからこそデッキに大量のオリジナルカードがある訳だ。…ん?一度だけ、ではないのか?……。一デュエルに一度作れる、ということか?

「来い…!田宮に勝てるカードよ…!オレは先に進む!このまま勝ち続けて勝ち続けて、約束を果たすんだ…!最強になるために…!ドロー!」

北村が引いた5枚目のカードがバチバチと音を立てならが眩い光と共に新たなカードに生まれ変わる。北村はそのカードを引ききった。

「ひゃは!これで…勝て…。は?」

その時、北村の表情から笑みが消えた。

「………。馬鹿な…。そんな、馬鹿な…!」

小刻みに体を震わせ、唇を噛み、目玉をひん剥いて、北村は今引いたカードをマジマジと見た。そして、叫んだ。

「ああああああああああああああああ!?!?!?!!?!!」

北村は手に5枚のカードを持ちながら何のアクションも行わず、その場に立ち尽くした。

「…どうした北村。お前のターンだぞ。」

私の言葉にビクリと反応した北村は5枚の手札から最後に引いたカードを摘み上げた。
それは奇妙な光景だった。北村は小声で何かを呟きながらそのカードを魔法・罠ゾーンに置こうとしている。だが、手は震え、歯を剥き出しにして食い縛り、まるで何かに耐えているかのようにそのカードを置こうとはしない。ギリギリのところで手を止めている。三度のサンネリアの攻撃のダメージで体が言うことを聞かないのだろうか。いや、そんな雰囲気ではない。

「…このカードを使えば勝てるんだ…。勝てるんだ…。勝てるんだ…。そうだ、勝てるんだ。何も迷うことはない。これで勝てるんだ。あの田宮行方に…。だが、これを使ったらオレはどうなる?オレがオレじゃなくなるんじゃないか…?いや…!構うものか!オレは勝ちたいんだ!オレがオレでなくなろうが関係ない!どうでもいい!勝ちさえすればそれでいいんだ!」

北村が意を決してカードを発動させようとした時だった。ペンデュラムゾーンのアマジャステリアが叫びだした。

『ガガガギャガアアアアアッァァアアアアア!!!』
『グルギャアアアアアァァァアアアアアアア!!!』

瞬間、北村は手を止めた。

「オレは…。オレは…!」

ゴカッ。
鈍い音がした。北村が自分で自分の顔を殴ったのだ。そして、掴んでいた1枚のカードを戻し、5枚の内の別のカードを取り出した。

「オレは、魔法カード、魔法石の採掘を発動する。手札を2枚捨てて墓地から1枚の魔法カードを回収する。」


魔法石の採掘
通常魔法
(1):手札を2枚捨て、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。



北村は2枚のカードを墓地へ捨てた。2枚とも魔法カードのようだった。

「オレが回収するのは、死者蘇生だ…。」

死者蘇生。それは北村が最初のターンに伏せて、非常食で墓地に送ったカード…。

「それと、墓地に捨てられた天使の涙(エンジェル・ドロップ)の効果が発動する…!」


天使の涙(エンジェル・ドロップ)
通常魔法(オリジナルカード)
(1):「――――――――――」
(2):他のカードによって、このカードが手札から捨てられた場合、デッキ・エクストラデッキから天使族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。



「この効果でオレが呼び出すのはこいつだ!現れろ、CNo.103!時をも凍らす無限の力が今、蘇る!神葬零嬢ラグナ・インフィニティいいい!」

空から一滴の雫が落ちてきたかと思うと、次の瞬間にはフィールドに巨大な鎌を持つ女性型のモンスターが立っていた。「遊戯王ZEXALの世界」で、兄の神代凌牙と共に運命に抗おうと立ち向かった妹、璃緒の切り札のモンスターだ。


CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/水属性/天使族/攻2800/守2400
レベル5モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、そのモンスターをゲームから除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。
また、エクシーズ素材を持っているこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に「No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ」が存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚できる。



「更にRUM-アージェント・カオス・フォースを発動!」

これも切り札。「遊戯王ZEXALの世界」でトロン一家が科学の粋を結集させて作ったランクアップマジック。


RUM-アージェント・カオス・フォース
通常魔法
自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターよりランクが1つ高い「CNo.」または「CX」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
また、このカードが墓地に存在し、自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、墓地のこのカードを手札に加える事ができる。「RUM-アージェント・カオス・フォース」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。



「ランク6のリーパーを素材にランクアップ!カオスエクシーズ・チェンジ!ラグナ・インフィニティと共に並び立て!CX 冀望皇バリアぁあああン!」

これもだ。「遊戯王ZEXALの世界」のキーカードの1枚。三つの世界の一つを代表する皇のカード。仲間達の想いを一身に背負って立ちはだかるラスボスのカードだ。北村の奴め、未だにこれだけのカードを出してこれるのか。
通常モンスターを大量展開し、エクシーズへと展開する。そこにペンデュラムやシンクロ、ワールドカードやオリジナルカードも組み合わせ、カード同士のシナジーが高い強力なデッキへと昇華させた。そして、それを見事に操る北村のデュエリストレベルも…。本当に、大したデュエリストだ。


CX 冀望皇バリアン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/光属性/戦士族/攻 0/守 0
レベル7モンスター×3体以上
このカードは、「CNo.101」~「CNo.107」のいずれかをカード名に含む自分フィールド上のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事もできる。
このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×1000ポイントアップする。
自分の墓地の「No.」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。次の相手のエンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。「CX 冀望皇バリアン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。



「通常召喚…出でよ、覚星師ライズベルト!」


覚星師ライズベルト
効果モンスター
星4/風属性/サイキック族/攻1500/守1500
1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターのレベルを1つ上げる。この効果は相手ターンでも発動できる。



「そしてオレは手札より死者蘇生を発動!」

仕掛けて来たかっ!

「罠発動!針虫の巣窟!私のデッキトップから5枚のカードを墓地へ送る!」


針虫の巣窟
通常罠
(1):自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。



●墓地へ送られたカード
ネクロ・ガードナー
仕込み爆弾
リビングデッド・ドロー
聖鳥クレイン
バトルフェーダー

「リビングデッド・ドローによって1枚ドロー!」

「オレが死者蘇生で蘇らせるのは、BF-星影のノートゥング!こいつの効果であんたに800のダメージを与える!」

「私は手札から、たった今引いたハネワタを捨てて効果ダメージを0にする!」

「ノートゥングの効果はダメージだけじゃねえ!ガガガガンマンの攻守も800下げるぜ!」

ガガガガンマン 守2400→1600

「さあ、田宮…受け取ってくれよ…。今のオレが持ちえる最高の仲間達の攻撃を!!」

北村は拳を力強く前に突き出した。

「バトル!ノートゥングでガガガガンマンを攻撃!」

ノートゥングの疾風の剣が全てを切断する。

ガガガガンマン(破壊)

「ラグナ・インフィニティでドラコニアの海竜騎兵を攻撃!」

ラグナ・インフィニティの巨大な鎌が全てを斬り裂く。

ドラコニアの海竜騎兵(破壊)

「ライズベルトで攻撃!」

「墓地のネクロ・ガードナーでガード!」

「最後だ…!CX 冀望皇バリアンで攻撃!ランドチャリオッツ スラッシュぅうう!!」

巨大な槍を持つ冀望皇バリアンの攻撃が私に向かってくる。

手札なし。墓地にも発動出来るカードはない。

バリアンの攻撃が私を貫いた。

田宮行方 LP300→0









































「私は伏せカードを発動する。」

私はフィールド上の1枚のカードを開いた。

「速攻魔法、蘇生の矢!」


蘇生の矢
自分のライフが0になる場合のみ発動する事ができる。自分が受けるダメージは無効になり、モンスターは戦闘では破壊されない。自分のライフポイントを100にする。



田宮行方 LP0→100

沈黙。その数秒間、辺りは静寂に支配された。
あの時、サイレント・ソードマンが北村のフィールドにいる時に伏せていた1枚のカード。あの時は発動出来なかったが、ここに来て使う機会が巡ってきた。

「くそうっ…。届かねえのか…。まだ田宮に、届いていねえのか…!」

北村は歯を食い縛って立ち尽くしていた。しかし、やがてゆっくりと言葉を吐いた。

「ライズベルトの効果で自身のレベルを一つ上げる…。オレは、これでターンエンドだ…。」

北村は半ば機械的にデッキに手を伸ばした。

「リビングデッド・ドローの効果で1枚ドローする…。そして、永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果により、オレはデッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚する。」

北村は1枚だけとなったデッキを見た。そして、僅かに微笑んだ。

「オレは、ガガギゴを通常召喚する…。」


ガガギゴ
通常モンスター
星4/水属性/爬虫類族/攻1850/守1000
かつて邪悪な心を持っていたが、ある人物に会う事で正義の心に目覚めた悪魔の若者。



「さあ、田宮。あんたのターンだ…。」



11ターン目終了
北村賢治 LP100
デッキ:0枚

エクストラデッキ:11枚(覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン、星態龍、魔轟神レイジオン、迅雷の騎士ガイアドラグーン、重機王ドボク・ザークを含む)

手札:1枚

モンスター:CX 冀望皇バリアン(攻2000)(ユニット2つ)、CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ(攻2800)(ユニットなし)、BF-星影のノートゥング(攻2400)、覚星師ライズベルト(攻1500)、ガガギゴ(守1000)

ペンデュラムゾーン:P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール1)、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―(スケール10)

魔法&罠:永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.4、リビングデッドの呼び声(対象なし)

墓地:非常食、魔轟神獣ケルベラル、魔宮の賄賂、マジック・ドレイン、サイクロン、エンジェル・トランペッター、ギガ・ガガギゴ、小人のいたずら、強制脱出装置、ジェネクス・コントローラー、地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)、奈落の落とし穴、因果切断、魔轟神ルリー、魔法の筒(マジック・シリンダー)、強欲で貪欲な壺、レベルアップ!、サイレント・ソードマン LV5、竜核の呪霊者、黒魔導戦士 ブレイカー、奇跡召喚(ミラクルサモン)P・G(ペンデュラム・ゴッド)―アマジャステリア―、魔装戦士 ヴァンドラ、サイレント・ソードマン LV7、魔法石の採掘、魔法カード(詳細不明)、天使の涙(エンジェル・ドロップ)、RUM-アージェント・カオス・フォース、死者蘇生

除外:ゴギガ・ガガギゴ×2、エンジェル・トランペッター×2、裏側除外カード×10、超電磁タートル、青眼の銀ゾンビ、P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―×3、ギガ・ガガギゴ



田宮行方 LP100
デッキ:25枚

エクストラデッキ:14枚(励輝士 ヴェルズビュート、究極神龍、潜航母艦エアロ・シャーク、ドラコニアの海竜騎兵を含む)

手札:0枚

モンスター:なし

ペンデュラムゾーン:ドラコニアの海竜騎兵(スケール7)、ドラコニアの獣竜騎兵(スケール2)

魔法&罠:行方不明な気分Ver.1

墓地:旅人の帰還、次元の旅行者、ドラコニアの獣竜騎兵、光の神-サンネリア、針虫の巣窟、仕込み爆弾、リビングデッド・ドロー、聖鳥クレイン、バトルフェーダー、ハネワタ、ドラコニアの獣竜騎兵、ガガガガンマン、蘇生の矢

除外:ネクロ・ガードナー





「…私のターン。ドロー。」

このデュエルの終焉が近い。いや、もう終わっている。北村のデッキは0枚。このまま私がターンエンドを宣言すれば北村はデッキからカードをドロー出来ずに負ける。既に奴はオリジナルカードを作る能力も使ってしまっているのだから。…だが、北村の目は死んではいない。もし、このターンで北村のライフを0に出来なければ私が負けるかもしれない。
…負けるかもしれない…?そんな言葉が浮かぶとは私らしくもない…。だが、気を緩めてはいけないのは事実だ。永遠の決闘(エターナル・デュエル)の3.の効果は任意効果。即ち、ガガギゴを呼ばない選択肢もあった。だが、北村は敢えて使った。リビングデッド・ドローでデッキがなくなるにも関わらず。
…このターンで決着を着けなければならない…!私は5枚のカードを引いた。引いたカードはこのデュエル中、一度は見たことのあるものばかり。当然だな。デッキが0になった後、旅人の帰還で墓地・除外ゾーンのカードを戻したのだから。

「…私はセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚を行う。エクストラデッキのドラコニアの海竜騎兵、手札の神龍-ヘル・ドラゴンをペンデュラム召喚。そしてレベル3である2体でエクシーズ召喚を行う。潜航母艦エアロ・シャークをエクシーズ召喚。」


潜航母艦エアロ・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/魚族/攻1900/守1000
レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。ゲームから除外されている自分のモンスターの数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。



このモンスターなら効果ダメージも戦闘ダメージも両方与えられる。

「今の私の除外ゾーンには1枚だけモンスターカードがある。先ほど使ったネクロ・ガードナーだ。」

思えば、北村の冀望皇バリアンも私の召喚したエアロ・シャークも「遊戯王ZEXAL」の主要人物である神代凌牙のモンスターだったな。

「エアロ・シャークの効果発動!エアー・トルピード!」

「させねえ!ハネワタを捨てて効果ダメージを0にする!」

やはり持っていたか。だが、これで手札も0だ。

「エアロ・シャークでライズベルトに攻撃!ビッグイーター!」

エアロ・シャークの鋭い牙がライズベルトに襲い掛かる。


覚星師ライズベルト(破壊)
北村賢治 LP100→0


「まだだ!永遠の決闘(エターナル・デュエル)の効果発動!」


ガガギゴ(除外)
北村賢治 LP0→100


これで北村は通常モンスターも失った。

「…私は、手札を1枚捨てて墓地の次元の旅行者を手札に加える。更に貪欲な壺を発動。サンネリアを含めた5枚をデッキ・エクストラデッキにそれぞれ戻し、2枚ドロー。そして、次元の旅行者を通常召喚し、効果発動。サンネリアを呼び出す。」

何度目だろうか。光の神が私のフィールドに降臨する。


光の神-サンネリア 神属性/星12/攻5000/守5000
【神族・ゴッドシンクロ/効果】
「GT-希望の精霊」+レベル10のシンクロモンスター
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けない。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は攻撃することが出来ない。
このカードの守備力は自分のデッキにあるカード1枚につき500ポイント上がる。
このカードをリリースすることで、自分のデッキに存在するカード1枚につき、相手に600ポイントのダメージを与える。この効果は無効にされず、ダメージを0にすることもできない。



何度目になるだろうか。この一度のデュエル中に、サンネリアを呼ぶのは。

「サンネリアの効果――――――。」

じわり、手が汗ばむ。北村には手は残っていない。何一つ残ってはない。だが…。何だ、この感覚は―――――。

北村の手札もデッキも伏せカードも既に0枚。墓地のカードも全て把握している。このデュエルの結末が揺らぐことはない。…いや、待てよ?あの五月蝿い鳥にはまだ判明していない効果が…!


P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻300/守300
【Pスケール:青3/赤3】
(1):「――――――――――」
【モンスター効果】
(1):このカードがフィールドを離れた時、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分は300ライフポイント回復する。
(2):墓地・エクストラデッキの「P・G(ペンデュラム・ゴッド)―ココリコ・ココリス―」を3枚除外して発動できる。墓地からモンスター1体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。



いや…。不明な効果はペンデュラム効果。除外ゾーンにいては発動するはずもない。

待てよ、北村が魔法石の採掘で捨てた2枚のカードについてはまだ分からない…!


天使の涙(エンジェル・ドロップ)
通常魔法(オリジナルカード)
(1):「――――――――――」
(2):他のカードによって、このカードが手札から捨てられた場合、デッキ・エクストラデッキから天使族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。



だが…。
天使の涙(エンジェル・ドロップ)に関しては一つ目が普通に発動する効果で、もう一つがよくある保険的な効果だろう。墓地からの発動はない。そして、もう一つの魔法カードも北村は通常魔法として発動しようとしていたから、これも墓地発動のカードではない。

ない。北村に何も手は残っていない。間違いない。…間違いない、はずだ。





「甘いぞ田宮!オレは―――――!」





…これは幻聴だ。だが、不思議だ。ここで北村に逆転の手が残っていても何ら不思議ではない気がする。私の知らないところで北村は私に勝つためにずっと牙を磨き続けていたのだから。もし、このターン北村のライフが0にならなければ、北村はきっと次のターンで…。
ああ、何だろうなこの感覚は。まだ、デュエルを終わらせたくない。手を抜くつもりなど更々ないないが、どうにももどかしい不思議な気分だ。
1ターン、1ターンを全力で戦い抜いた。それでもここまでデュエルがもつれ込んだ。まだずっと戦っていたい気分だ。このまま永遠に戦い続けていたい…。

だが、どんなに長く続こうとも終わりは必ずやってくる。どんな楽しい時間であっても…。楽しい…?私は今、楽しいと思ったのか…?ああ、思い出した。あの最初の世界で北村が私に挑んできた時の台詞…「デュエルを楽しもうぜ」だ。

北村…。楽しかったぞ、お前とのデュエルは。途中から命を賭けたことすら忘れて、ただ純粋にデュエルをしていた。私はデュエルを楽しんでいたのだ。

北村…。謹んでお悔やみ申し上げる。

「――――――発動!このカードをリリースすることで、自分のデッキに存在するカード1枚につき、相手に600ポイントのダメージを与える!」

サンネリアの大爆発の音が妙に遠く聞こえた。

北村賢治 LP100→0









































勝負は決した。私のデュエルディスクにはWINの文字が浮かんでいた。

「ちくしょう…。ちくしょう…!ちくしょう…!!まだ、まだ足りねえのか…!まだ届かねえのか…!全力の、全力の、全力だったのに…!ちくしょう…!!」

北村は嗚咽交じりに言葉を吐き出す。

「田宮ぁ…!あんたの勝ちだ…!もって行ってくれよ、オレの全てを…!!」

北村のデッキから何枚ものカードが飛び出した。それらは吸い込まれるように私のデッキの一番上へとやって来る。再び北村に視線を戻すと、奴の体は薄ぼんやりとなり、光の粒に変わり始めていた。

「ちくしょう…。意識が…。これが、死ぬってことなのかよ…。」

北村は消え掛かりながらもこちらに向かって歩いて来る。

「田宮ぁ…。やっぱ、あんたは強いぜ…。あんたを目標にしたこと、後悔してない…。けれども、遣り残したことならたくさん…!田宮ぁ!『死神』退治はあんたに任すぜ!絶対に殺されんなよ…!あんたが殺されたら、化けて出てやるからな!それから、最強の決闘者にはあんたがなれよ!めんどくさがってんじゃねえよ!オレよりもよっぽど近いくせによ…!」

ついに北村の体が消えるその直前、彼は叫んだ。

「それから、「白木翼の世界」にだけは絶対に辿り着くなよ!」

「!?それはどういう意味―――――!?」

しかし、北村は私の言葉に返答する時間もなく光の粒となって消えてしまった。後には北村の身に付けていたデュエルディスクだけが残っていた。





私のデュエルディスクからエラー音が響いて、2枚のカードが弾き出された。

「これは…。」

1枚は通常魔法カードだった。


天使の涙(エンジェル・ドロップ)
通常魔法(オリジナルカード)
(1):「――――――――――」
(2):他のカードによって、このカードが手札から捨てられた場合、デッキ・エクストラデッキから天使族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。



そのカードは手に取るや否や、パキパキと色褪せて砂のようになって崩れて消えた。

そしてもう1枚はフィールド魔法カードだった。



ガギン、ガギン、ガギン、ガギン。世界のどこかで何かの数値が下がる音がした。


永遠の決闘(エターナル・デュエル)Ver.0
フィールド魔法(ワールドカード)
0.デュエル開始直前にデッキのこのカードを相手に見せることで、このカードを発動した状態でデュエルが始まる。この効果を使用した場合、自分はデッキ変更できず、このカードはフィールドを離れず、効果を無効にできない。このカードは他のフィールドカードと共存する。この効果を使用する場合、デッキの「勝利の証」をこのカードの下に置く。









































カチン。世界のどこかで何かの数値が上がる音がした。


行方不明な気分Ver.2
フィールド魔法(ワールドカード)
0.デュエル開始直前にデッキのこのカードを相手に見せることで、このカードを発動した状態でデュエルが始まる。この効果を使用した場合、自分はデッキ変更できず、このカードはフィールドを離れず、効果を無効にできない。このカードは他のフィールドカードと共存する。
1.エンドフェイズ時にターンプレイヤーは自分フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。
2.「――――――――――」




次の瞬間だった。黒い空間が音を立てて崩壊を始めた。北村が死んだことにより、この世界が虚無になろうとしているのだ。

私は慌てず、しかし急いで次の世界へ向かう準備をする。いつも通り両眼を閉じて左足を一歩前へ進ませる。そして、右足を同じように進ませる。次の瞬間には、私は崩れゆくこの世界から脱出していた。二度と来ることの出来ない「北村賢治の世界」から。



第19話「遊戯王4S’sの世界」



2017.07.24 | コメント(2) | 未分類

コメント

主人公と主人公

宿命の対決は避けて通れない・・・!

というわけで、白龍さんからの投稿、ついに本編に登場した北村くん!
フルーツバスケットのような椅子の並びから始まり、なんとも引き込まれます。
黒いペンキの椅子は、描写としても伏線としても上手い・・・。
それと疑って読むと、あらためて感心させられました。

最初は相手を甘く見ていた田宮さんが、いつの間にか引きずられていく。
これは北村くんの主人公パワーであり、気分屋の田宮さんの弱点でもありますね。
しかし、相手の情熱と共鳴する気分は、同時に強さでもあるように感じます。
アテムも割と動揺してますからね・・・。

互いに様々な世界のカードを使うのが、まさにtraveler同士のデュエルという感じ。
リチュアル・ドラゴンも使いこなしてもらえて嬉しいです。
室井さんも草葉の陰で喜んでいることでしょう・・・。

殺意の高い攻防で、何度も何度もライフが尽きながら、永遠に続くかのような決闘。

>だが、まだだ。まだ奴は沈まない。永遠の決闘と通常モンスターがいる限り。

この一文が素敵だ・・・!
そして北村くんを対等な相手として認める田宮さん。

北村くんの最期を飾るに相応しい、熱く重量級のデュエルでした・・・。
・・・が、ところどころに混じる不穏なカード。熱血なだけではない白龍さんワールド。
田宮さんの立場からすれば、どこかの世界で手に入れたんだろう、くらいの認識になるのは当然ですが、それも合わせて読者の不安感を良い感じに煽ってくれます。
なんとなく、プレイングの流れなどが『死神』と似てるんですよねー(怯え
リーパーも、偶然としても暗示的で・・・。

しかし、次第に憑かれた状態から脱却していく北村くん。
ガガギゴシリーズの演出は思わず唸ったところでした。
最後に《ガガギゴ》が出てきて、「ああそうか!」となる。

そしてワールドカードの数値が下がる演出も切なくて素敵です・・・。
本当に死んでしまったんだと、デュエリストとして突きつけられる。

投稿ありがとうございました!
近いうちに、北村くん側の視点も掲載します。

2017-07-25 火 01:30:08 | URL | アッキー [ 編集 ]

運命の主人公対決!

当初はポッと出だった北村君でしたが、「憩いの湖の世界」を投稿した段階で、ここまでの大まかな展開は頭の中にボンヤリとありました。それを文章化するのに大分と苦労しましたが…。とにかく大ボリュームなデュエルになりました。ここまで壮大なデュエルになるとは正直、思っていませんでした。
黒いペンキの椅子は、生きているトラベラーと死んでいるトラベラーの数と関係があったりします。

最初、北村君があっさりやられたかと思ったら、北村復活伝説の始まり。北村君の勝ちへの執着心、デュエルに対しての熱い気持ちに田宮さんも、いつの間にか影響されて…。しかし、それもまた気分の一つで、田宮さんの強さの一つなのかもしれません。

とにかく、北村君の最後を飾るべく様々なカード、思い出のカード、強力なカードなど、ふんだんに注ぎ込みました。リチュアル・ドラゴンも上手く組み込めたと思っています。しかし、強力なカードばかりなので北村君のライフが何度もゼロに。しかし、それでも北村君は沈まない。そして、気が付けば田宮さんが北村君を対等と認めるところまで…!そして、決着。どんな運命の日でも朝は必ずやってくるように、永遠に続くかと思われたデュエルも終わりは必ずやってくる。

しかし、北村君のデッキに混じる不穏なカードと『死神』の影。プレイングなども『死神』の影響を受けているかも…。ライズベルトや竜核の呪霊者(以前は竜角の狩猟者を使っていました)、そして、ガガギゴシリーズが入っているのも何やら…。ですが、最後にガガギゴな訳ですよ。上手いこと最後に持ってくることが出来ました。純粋にデュエルを楽しむということは、それ以外のしがらみからの解放もまた意味していたのです。『死神』も、北村君のデュエルに対する純粋な気持ちまで縛ることは出来なかったのです。

北村君のワールドカードの数値が0になり、世界の崩壊と共に北村君の死は絶対となる。決闘法則とトラベラーの法則により、北村君が死なないということは有り得なかった…。

北村君の最後を看取って頂き、ありがとうございました。

2017-07-25 火 23:00:28 | URL | 千花白龍 [ 編集 ]

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